モルタル一義アワー

「モルタル」って何だろう。
モルタルとは、例えば「木造モルタル2階建ての家が全焼」のような文章で出てくる言葉だ。このような例はどうかと思うが、他に適切な文章が思いつかないので、仕方がない。「俺の家ってさあ、モルタルの2階建てなんだよ。凄いだろ」という例文も考えてみたが、残念ながら、私はこんな自慢をする小学生をこれまで見たことがない。
私は今までモルタルを知ることから逃げていた気がする。新聞で「木造モルタル2階建ての家が全焼」という文章を目にした時、「ああ、あのモルタルね」と分かった気になり、知ったかぶって自分をごまかしていた。しかし、今回はモルタルとしっかりと向き合い、適切であろうと思われる意味を考えてみた。

モルタル
「モルタ主義的」の意。「モルタ主義」は、風通しを重視した近代建築の考え方。新国立競技場の建築に取り入れられたことで有名。モルタリズム(モルタ主義)、モルタリスト(モルタ主義者)のようにも使われる。例「新国立競技場はモルタル建築の集大成だ」

モルタル
コールタールを蒸留した物。モールタール。

モルタル
道徳、倫理などの意。例「あの人はモルタルに欠けている」

モルタル
食材の一種。ソースの原料として使われることで有名。モルタルソース。

モルタル
量またはデータの表現方法の一つ。アナログ、デジタルなどの一種。モルタル時計、モルタルカメラなど。

モルタル
最近急成長したバンドグループの名前。ファーストアルバム「耐震構造」はミリオンヒット達成。

これだけあればどれか一つくらいは当たっているだろう。たとえ当たっていなくても、当たらずとも遠からずって所まで来ていることは確信している。尤も、こんなモルタルを建築にどう活かすかは、建築家でない私には分からない。

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