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全ての検査、健康観察を終えて、という話

Santen ブラサカグランプリ 2021は「無事に閉幕」しました

6月20日(日)に今大会に関連した新型コロナウイルス感染症の検査を実施しました。結果は全て陰性、この検査をもってSanten ブラサカグランプリ 2021の全ての検査を終了しました。また、合わせて検査対象外の関係者も健康観察期間が終了し、そこでも特に発熱等の症状が発生した人がいないことを確認しました。

最終試合を6月5日に行ってから2週間、大会に参加した全ての方から新型コロナウイルス感染症の発症の報告もなくSanten ブラサカグランプリ 2021は「無事に閉幕」できたと言えるようになりました。

感染症対策、実際はどうだったの?

今大会、参加者(選手、代表チームスタッフ、運営スタッフの一部)には、一定期間外部との接触を断つ隔離プログラム(「バブル方式」)を適用しました。「無事に閉幕」した今、感染症対策の実際はどうだったのか、感染症対策を実施することができたポイントについてお話します。

まず、感染症対策を完遂することができたポイントは3点あったと思っています。

①全ての大会関係者の感染症対策への理解

感染症対策を実施するために最も重要だったポイントは、チームをはじめとする「全ての大会関係者の感染症対策への理解」です。今大会は総勢492名(バブル内:122名、バブル外:370名)が参加し、競技終了後、6月末まで、その対策に対応をいただくことができました。

◎感染症対策の理解をいただくまでに取り組んだこと
・参加チームへ大会前に感染症対策の説明を3回実施
・業務委託先等の協力企業には事前に感染症対策の説明をする時間をいただく
・大会期間中も適宜コミュニケーションを取り感染症対策への理解を深めてもらう

②感染症対策の実行部隊の構築

私たちは「ケアプロ株式会社」と協同することで感染症対策を確実に実施する体制を整えました。外部団体の医療の専門家が実行部隊に参画することで客観的な立場からアドバイスをもらい、感染症対策を実施することができました。また、感染症対策の実行部隊には旅行代理店にも入ってもらうことでホテル内や輸送時の感染症対策もスムースに行うことができました。

◎感染症対策の実行部隊の構築
・外部団体の医療の専門家を感染症対策の実行部隊に参画。客観的な立場からアドバイスをもらう。
・旅行代理店にも感染症対策の実行部隊に参画してもらう。

③レッドゾーン、ブルーゾーンの設定

試合会場では「レッドゾーン」「ブルーソーン」の2つのエリアにわけました。レッドゾーンは、バブルに入っているチームやスタッフのみ入れるエリアです。一方、ブルーゾーンは、バブルに入っていないスタッフや協力企業が入れるエリアです。

エリアを分けることでバブルに入ることのできないスタッフや協力企業の方も大会運営に関わることができるようにしました。エリアを分けることで試合会場でもバブル状態を保てました。

レッドゾーン
・バブルに入っているチーム、審判、一部の大会運営スタッフが入るエリア ・主に試合の実施に関わる業務を担うエリア

ブルーゾーン
・バブルに入っていない大会運営スタッフ、協力企業、メディア、その他の関係者が入るエリア
・試合の演出や試合中継の撮影、実況・解説はブルーゾーンから実施した

次に感染症対策を実施するうえで難しかった点についても紹介します。

・ガイドラインと実際の運用のギャップ
予め決めていたガイドラインでのルールと実際の運用にはギャップもありました。例えば、ガイドラインではでは全盲の選手を手引きするスタッフは選手ごとに指定のスタッフを決めることとしていました。実際は、このルールはホテルや輸送中といった試合会場以外では守ることのできるルールでした。試合会場ではアップや試合前のミーティング、試合というように慌ただしく時間が過ぎていきます。そのような環境のなかで選手ごとに決めていた指定のスタッフが常に全盲の選手の手引きをすることは難しかったです。

対応としては、万が一、チーム内で陽性者が発生した場合は同一チームの全員が濃厚接触者に認定される可能性も認識したうえで「試合会場では予め決めておいた指定のスタッフが手引きをする」というルールは緩和しました。

・感染症対策の多様性
感染症対策の考え方や方法にも多様性がありました。例えば大会に参加したチームからは「自分の国ではこうしている」「こういう感染症対策もあるのでは」といった要望も多くありまた。

対応としては、チームリエゾンにチームの要望を聞き取ってもらい対応できることは対応する、難しいことは明確に難しいことを伝えていました。来日後3〜4日は多くの要望がチームから来ていましたが、4日目をすぎると各チームも私たちの感染症対策に適応してくれました。


感染症対策を実行していくうえで多くの困難や難しさがありました。ただどのような困難や難しさであってもチームを始めとする全ての大会関係者が「安全・安心の大会を開催する」という同じ方向を向いて感染症対策に取り組めたことで解決することができたと思っています。この場をお借りして感謝申し上げます。

大会前から始めたこのnoteもこの記事をもっていったんクロージングとさせていただきます。
今後は、WGPのみに限らず、皆さんとコミュニケーションをする一つの手段としても活用していく予定です。引き続き、ぜひこのページのフォローをお願いします。
(もしWGPについても、もっとこういうことを聞きたい、ということがあれば遠慮なくお知らせください。)

このnoteを読んでいただいた全ての方に感謝申し上げます。ありがとうございました。

文責
松崎英吾(NPO法人日本ブラインドサッカー協会 専務理事兼事務局長) 
宮島大輔( Santen ブラサカグランプリ 2021 運営委員長)