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20歳樹木オタクの、ひとり演習林

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執筆者 三浦夕昇 樹木がとにかく好きな20歳。 日本の樹木や、森のことを、写真と共にゆる〜く解説。森の中を散歩するような気持ちで、お気軽にお立ち寄りください。個性豊かな樹木達が、… もっと読む
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#原生林

清流には、森が溶けている ~四万十川の森紀行~ その②

その①から続く 市ノ又の森 天然のヒノキ林が見られるという市ノ又風景林は、四万十川の支流・葛籠川(つづらがわ)の源頭部に広がっています。原生的な森あるあるですが、まあアクセスは悪い。 葛籠川の延長は約10km。川沿いの狭い林道を走り、森の入り口までアクセスするのですが、川の湾曲をなぞるようにして道がカーブを繰り返すため、次第に方向感覚が鈍ってきます。自分はいま、東西南北どの方面に向かって走っているんだ…。何回カーブを曲がっても、同じような山並みしか現れないので、「現在地

清流には、森が溶けている ~四万十川の森紀行~ その①

中学3年生のとき、「四万十川・あつよしの夏」という小説が大好きでした。高知県西土佐村出身の笹山久三さんが、郵便局に勤める傍ら書いた物語で、名前の通り舞台は四万十川流域。小学校3年生の主人公・篤義(あつよし)が、四万十川の大自然に抱かれながら逞しく成長していく姿を追った大河小説です。 この小説の中には、四万十の人々の生活・風景・自然に関する描写が散りばめられています。それらを読み味わって、四国の大自然の中での暮らしを追体験するのがとてつもなく楽しかったのです。 四万十川と聞