樹木図鑑その⑨ トチノキ〜強面なヤツほど、実は優しいのかもしれない〜
高校1年生のころ、ぼくは樹木を種子から育てること(実生育成)にハマっていました。あれだけの大きさに育つ樹木も、一番最初は小さな種子から始まります。それを土に埋めると、翌年の春に小指よりも短い芽がでてきて、ゆっくりゆっくりと葉の数を増やしていくのです。「ここから、恰幅のある幹が生成され、高さ30m以上の巨大な生命体が出来上がるのか……」そう考えると、なんだかしっくりこない感じもする。
自分よりも遥かに大きく育ち、長く生きる奴らの、人生のスタートに立ち合っている。そのロマンこそ