9月14日 食いしん坊の日
雑学ネタ帳作者を神と敬う
数年前まで、日本が戦争するなら国を捨てるか否かなんて話をしていたが、私はもう国を捨てて海外へ、なんて生きていけないだろう。じゃあ兵士になるかと聞かれれば否と答えるが。
この結果に行き着いたのは割と最近だが、理由の元は高校三年生の時の事だ。私の通っていた高校では、修学旅行は基本的に海外だった。主に三択。うち二つが海外で、私の年は台湾だった。別に台湾が嫌だったわけではない。海外の修学旅行だというのに、自由時間まで作って貰えて、普段食べれないようなものが食べれて、綺麗な景色が見れて。割と楽しかったと思う。それでも、日本に帰ってきた時の何でもないただの塩おにぎりと味噌汁に泣いてしまったのだ。
以来、白米が大好きになってしまった。おかずがないと食べれない。なんて味のない食べ物なんだと思っていたのに。白米を噛むたびにきちんとうまみを感じる事に気が付いた。新たな知識を得ると、人生が豊かになるとは本当のことだったんだなと感動した。世はアニメや漫画を馬鹿にしている気がしたが、そんなところから得たセリフが、事実だったと知って驚愕した。台湾帰りから食欲が増えたのは少し困ったが、これは私の人生で必要な事柄だったのだろう。
そんな大好きなご飯も、流石に熱が出たり、しんどい時にはおざなりになる。それでも、少しは食べないと生きていけない。せめて、何か食べたくなるような、楽しくなるような事でもしようと友達にラインを飛ばした。
現在の私の住まいは学校の寮である。実家は地味に遠い。日帰りもしようと思えばできるが、県を跨ぐし、少し面倒なのでしない。そんな微妙な距離感である。寮に人は入れれないので、私がしんどくても誰も助けには来てくれない。同期くらいなら助けてくれるかもしれないが、みんな忙しいのにと尻込みしてしまう。まぁ、どうせただの風邪だろう。少ししたらよくなる。これは、若いやつの特権なのだ。
友人からは良い返事が来た。適当に冷凍庫を漁り、好きなものを適当に作る。本当に適当だ。この組み合わせが合うのかもよく分からない。適当な食事を机に並べ、家に置いてあった蜜柑のお酒と水を用意して、パソコンを起動させる。ほとんど使わないからデスクトップにすら存在しないLINEを起動させて、いつものグループで通話を始めた。
しばらくすれば、ピコンと待っていた音が聞こえた。
「やぁ」
「やっほー!久しぶり!」
元気いっぱいの友達の声に、図らずも口角が上がる。4年間話し続けた馬鹿相手なのに、いつも何処からネタを出してくるのか。会話が楽しくて座っているので、以外と箸が進む。寝転んでいるより断然いい。
また暫くすればピコン、ピコンと二回音が鳴る。
「来た」
「はやっ、揃ったじゃん」
以前までのノリで、今日も駄弁って飯を食う。
「一人で食べるより、美味しいな」
なんとなく口に出たセリフに、皆がやいやい言うのが嬉しくて。明日からもまた頑張れる気がした。