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Spicy Sessions 観覧レポート

ここ数年は飛行機を利用することが多く、富士山を眺めるのも新幹線からではなく、自らの足で登頂した南アルプスの山々から見ることの方が多かったと思う。

今回は当選発表から日にちも無く、航空券とさほど料金が変わらないため、新幹線を利用して東京へと向かうことを決めた。

登山の時にいつも思うけれど、天気というのは常に気まぐれで、絶対に思い通りにならない。女性以上に難しいものだと。今回もそれをまじまじと感じる事が出来るくらいに、ガスガスの富士山しか望めなかった。

東京駅到着後、千代田線で赤坂へ。

集合場所を確認しつつホテルへ向かい、早めのチェックインをする。

ホテルで少し仮眠をとり、集合時間30分前に会場へと向かう。会場には既に沢山の人が居たが、皆さんベンチに腰をかけ、リラックスした様子で過ごされていた。

17時30分、スタッフの声が受付の時を告げ、会場横のスペースに一列となって並び始めると同時に、先頭から本人確認をして整理番号の書かれた入場整理券をいただく。

入場整理券を受け取った者は横の芝生で待機するよう促され、全ての受付が終わった後、整理番号順に再整列をしてからの入場となった。

スタジオ内に入ると、出演者こそ居ないものの、既に機材や楽器がスタンバイされた状況で、これから直ぐに始まるという空気が流れており、トイレの心配はあれど緊張することはなく、スタッフによる事前説明が始まる。

その説明の中で、登場シーンでは拍手や歓声で盛り上げて下さい!とか、この番組は収録内の時間で何を演奏するかを決定し、それを作り上げていくようになってますので、その雰囲気や曲が出来上がるまでの時間を楽しで下さい!と、おっしゃられていました。

そんな事前説明が終わった直後、MCの黒沢さんとアルノさん(黒沢さんがアルノさんと言っていたので今回はアルノさんと書きます)が登場。

黒沢さんはいつも通りスーツでビシッと決め、アルノさんは胸にリボンの付いた白いヒラヒラの可愛い衣装。

とにかく「顔ちっせぇ~」がアルノさんに対する私の第一印象でした。

黒沢さんがデカイのかもしれませんが・・・


そして観覧席側からの拍手と歓声で収録がスタート。

黒沢さんとアルノさんのやり取りの後、スターダスト☆レビューの根本要さんが登場しました。要さんの衣装は上下赤のジャケットにパンツ、インナーは白地に赤い文字やイラストが入ったTシャツ。

曲に入る前に、この曲を知らないならテレビを消すか、チャンネルを変えるかみたいなニュアンス的なことを言われ、早くも要ワールド全開。

黒沢さんに番組の主旨を説明されると要さんは「これこそ俺の求めてた番組」、「リハーサルの方が楽しくやれる」、小田和正さんに「要、リハの方が良かったな」と言われたエピソードを面白おかしく交え、他とは違う音楽番組の良さを語られていました。


オープニング、一曲目はスタレビの「木蘭の涙」

しかし、曲が始まると先ほどのトークとは全く違う部分を見せてくる要さんに、観覧席は息を飲む。

この辺りの切り替えは、スタレビファンならお馴染みのことだが、スタレビを知らない人からすると、驚愕から音楽に引き込まれる一瞬の心の変化であり、実際に私がライブに通うようになった一因でもある。

しかも、今回はギター1本での弾き語りとあって、静寂なスタジオ内に要さんの声が響きわたり、演奏後は大きな拍手で盛り上がりる中、観覧席側では「すごい」とか「ホンモノ聴けた」とかの声もあり、ファンである私は最高に嬉しかった。



2曲目はサム・クックの「Bring it on home to me」(悲しき叫び)


ここでは、ギター少年だった要さんの幼少時代から現在に至るまでのお話や、大好きなエリック・クラプトンの話、ブルースについての話を絡めつつ、セッション曲を作り上げていく、とても見応えのある部分。

要さんがアルノさんに対し、こんな感じでやって欲しいとかリクエストしたら、黒沢さんが「アルノさんをなめてもらっては困りますね」と。

その言葉に「なめたいね~」と冗談を絡めつつ、更にリクエストを要求したら「要求高過ぎ!」と黒沢さんに返され、「ゲストだから主旋な」とダダを捏ねる始末。

そんな状況の中でバンドメンバーも打ち合わせに加わり、笑いを交えながら曲を仕上げていくプロセスがとても面白く、他の音楽番組には無い部分、今回の観覧で一番の見所だったと言えるのではないだろうか。

そして、アルノさん初めてのアカペラから入ったこの曲は(三人でのアカペラ)、バンドも加わり、各々の良さを出しつつセッションしていく。

更に要さんのアドリブに、黒沢さんもアルノさんもアドリブで応え、後半は大盛り上がりで曲を終えた。

曲終わりに感想を聞かれたアルノさんが発した「どうともにもなれと思いました」や「すごい!」は、ある意味、今回作り上げたセッションの良さや、即興で作り上げていく楽しさを表現したのではないかと感じました。


次の曲にいく前、要さんが音楽やライブに対する考え方を話されました。


「歌詞はアップデートされる」


要するに、ライブ中に歌詞を間違えた時に使う言い訳フレーズなのですが、「思いついたことを歌う、それが正解」と話されながらも、自分なりのライブに対する姿勢を、黒沢さんとアルノさんに語る要さん。


「すごい体験だ!」by中西アルノ


「(トークに)自分から入らないと要さんいたら入れないよ!」by黒沢薫


次にボーカリストの声についての話題となり、普段の生活やライブ前の発声練習など「何かやってるんですか?」アルノさんの質問に「何もやってないよ」と要さん。

ライブ前に「辛ラーメン」を食べることを話されたら、お二人ともビックリされながらも、黒沢さんが「私もカレー食べますし」と発言。

喉には辛いものがいいんじゃないか?みたいな雰囲気にアルノさんが「ボイトレの先生に辛いものは絶対に控えて下さい」と真面目に返答。

普通はそうだよなぁと思いながら、目の前にいる二人はかなり特殊だからね・・・


そして、札幌で黒沢さんとMs.OOJAさん、要さんがカラオケに行った話へ。

北海道だから「北酒場」を選曲した黒沢さんに要さんが「俺はお前の本気が聴きたいんだ」と、カラオケでも本気を求めてくる要さんのエピソード。

カラオケに関する考え方が違う三人でのトークにジェネレーションギャップもあるよね!と思いながら、要さんがカラオケでよく歌うのは女性ボーカリストの曲で、男性だとスピッツの曲くらいしか原曲キーで歌えないという事から次のセッション曲は一青窈さんの「ハナミズキ」

曲名を見た時、これは俺の曲だと思った要さん、その理由はタイトルが「ハナシズキ」に見えたという小ネタも入れながらも、セッションの打ち合わせが始まる。


「そんなのいらないです」by黒沢薫


ここからが特に凄かった!

黒沢さんがそれぞれの歌うパートを振り分けていくのだが、Aメロ、Bメロ、Cメロ~ラストまでの流れを考えつつ、メイン、上ハモ、下ハモを誰が歌うかを決めていき、それぞれが持つ声の良さを最大限に引き出せるよう振り分けしていく。


ここでの黒沢さん、めちゃくちゃ格好良かった。


そして、ハモリの部分を知らないアルノさんにコーラス指導をするのだが、僅かな時間でそれをモノにするアルノさんも凄かった。


「可愛いって得だよね」by根本要


要さんにはラストのアドリブを求めてから、セッションがスタートしたのだが、要さんが歌い始めを忘れてリテイクとなる。


実はこれ、私の中では要さんがワザとやったのでは?ないかと思ってる。


それは何故かと言うと、曲紹介した時にアルノさんの「一青窈」さんの発音に違和感を覚えたから。


この違和感は私だけでなく、おそらく会場の皆さんも感じたのではなかろうか。

それとプレイヤー側全体の緊張をほぐし、伸び伸びとプレイ出来るようにやったのではと。

あくまでも私の憶測であるが、多分要さんに聞いても「間違えました、間違えました」としか答えてくれない気がします。


そしてリテイク。


要さんが入りを間違えないよう、黒沢さんが指差しでアシストしながら。


このセッションの時間は黒沢さんの狙い通り、それぞれが持つ声の良さが最大限に活かされ、観覧席のみならず、そこに居た全ての人が原曲「ハナミズキ」の世界へと引き込まれていく。


最後は黒沢さんの求めていたアドリブを要さんが余裕でこなし、それに黒沢さんもアルノさんも加わって、演奏を終える。



きっと、これが番組やプロデューサーの求めているものであり、他の音楽番組には無い醍醐味、そして最大の魅力と感じたのだった。


曲終わりの拍手と歓声、次の曲へと行く前のステージチェンジ中、黒沢さんが小さな声で呟いた一言が、このセッションの良さ全てを表現していたのではなかろうか。


「やっぱ最高っすね」by黒沢薫


そして、いよいよラストの曲へと展開していく。

この日、黒沢さんがリクエストしたのはスタレビの「トワイライト・アヴェニュー」

この曲はスタレビファンの中でも人気が高く、ファン投票でも1位となった曲。


日本人アーティストによるアカペラアルバムが無かった時代、黒沢さんはスタレビのアカペラアルバムを見つけてコピーした学生時代のサークル活動話、この曲がデビューへのきっかけとなった話など、本当に黒沢さんをはじめ、ゴスペラーズの方々に要さんが愛されているのだと感じた瞬間。

要さんは芸能人の中にスタレビファンは馬場俊英さんとゴスペラーズ全員の6人しか居ないと言っていたけど、松たか子さんも上白石萌音ちゃんも他にもいっぱい居るんだよね。

そんな色んな話の中で黒沢さんが放った一言が、スタレビファンである私の胸を貫く。


「ハモリをVOHさんっぽく、上いきます」by黒沢薫


この一言に、先日のスタレビブキワンツアーのラスト郡山公演の場面が脳内再生され、この後のセッションに益々胸の鼓動が高鳴る。

うちのバンドと今日のバンドを入れ替えしたいくらいだと、要さんのジョークから曲が始まったのだが、いつもと違う声でのコーラス。それに違和感も無く、黒沢さんの上ハモがとても心地好い。

そんな盛り上がりの中で全ての曲の演奏を終えた。


そして、ここからがカオスタイム。

黒沢さんが作ったカレーを出演者全員で食する場面を撮影するのだが、カレーの匂いが漂う観覧席側は、お腹を空かした状態でそれを見ているだけ・・・


今回は要さんからポークカレーのリクエストだったので、黒沢さんはスタレビの曲「ブラックペッパーのたっぷりきいた私の作ったオニオンスライス」をモチーフにブラックペッパーとオニオンスライスの漬け物を加えた新しいカレーレシピを作成。

カレー食べたいなぁと思いつつ、皆さんが美味しそうに食べる姿、満腹感は得られなかったけど、満足感を得られるカオスな時間でした。


そして、エンディングへと。


今しか出来ないこと、今日しか出来ないこと、今の自分、今日の自分とその時でしか出来ないパフォーマンスをやる事がライブでの楽しさであり、今後の自分を成長させるもの。そんなニュアンス的な要さんの発言に、アルノさんは自分の言葉で感想を表現していました。


「今日は音楽を一番生き物に感じた」by中西アルノ


そして、自分の殻を破って、今後の成長へと励んでいくのではないでしょうか。


多分、グループ内で自己主張というのは難しいと思うけれど、今回の収録が今後の音楽活動の中で糧になることを願っています。


最後になりますが、今回はスタッフによる事前説明通り、20分押しで番組収録終了となりました。この説明をされていた方自身も、きっとそれを楽しみにしていたのではないかと思います。楽しそうに話されていましたので。


黒沢さんへのポストに返信した内容と同じになりますが、その場で音楽を作り上げていくプロセスと、それに費やす時間の中に見えるアーティストそれぞれの人間性や感性を直に感じ取ることが出来たこと、それが今回の観覧で一番面白いと感じました。


特に、番組収録中の全てにおいて黒沢さんの素敵な一面(私の語彙力で表現できないくらいの)が見れたこと、アルノさんがお水を受け取ったりした時、スタッフに対して「ありがとう」と必ずおっしゃる優しさを見れたこと、最後退出する際に手を振ったら振り返してくれたこと、要さんは説明するまでもなく、いつも通り伸び伸びとネモトークを炸裂させ、会場内を楽しくさせつつも、曲になると一気に変貌する姿で全ての方々のハートを鷲掴みにしていましたね。


そして、今回の観覧応募のコメントに対して、黒沢さんのことより酒井さんのパンの話題について多く書いたにも関わらず、当選させていただいた事に驚いております。


とても短い時間でしたが、今回の観覧に参加できたことに感謝しつつ、今後も自分の好きな音楽を追い続けていきたい!と思った昨日夜の夢は間もなく終点の神戸へと・・・


今回の収録に関わった全ての方へ
「ありがとうございました」


【観覧される方へ】

ここからは、今後の観覧に当選した方へのアドバイスというか情報を記載したいと思います。

今回は17時30分に集合整列し、受付が開始されました。その際、スタッフによる顔写真の入った証明書のチェックがきちんと行われました。

その後、再整列をして18時15分にスタジオ内へと案内されました。このスタジオ内へと案内される時間までがトイレに行ける最終時間となっていますので、必ず再整列するまでにトイレを済ませておくようにして下さい。

トイレが気になる方は、当日カフェインを控え、収録1時間ほど前に大福を食べて下さい。

20代~60代くらいの色んな世代の方150名が当選されており、女性比率が少し高かったと思います。

一人参加の方、ペアで参加の方、三人参加の方もいましたので、人数による参加の壁はあまり感じませんでした。

気になる座席は、整理番号1番の方から順番に最前列奥から着席をしていき、好きな座席は選べないスタイルとなっていました。

座席表を作成するのが面倒くさいので文章化と簡略図にしますが、ステージに向かって右ブロック(3席から後列に対して1席ずつ増加)、中央ブロック(14席固定)、左ブロック(右ブロックと同様)となっています。

よって1列目は20席、2列目は22席、3列目は24席となり、最後列(6列目)は30席、計150席です。下図①の席が整理番号1番の方の座席です。

  ●●● 固定14席 ●●①
 ●●●● 固定14席 ●●●●
●●●●● 固定14席 ●●●●●

あとの流れはスタッフさんから事前説明があり、撮影がスタートするといった感じです。

そして、撮影終了後にプロデューサーさんから番組に対する熱い思いが語られ、会場を出た瞬間からネタバレOKなのでSNSで告知して下さいとのことでした。

最後にカレーのお土産までいただけるといった、素晴らしい観覧内容となっています。



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