見出し画像

tripleSのメンバー達は魔女なのか(続:tripleS:Girls Never DieとGfriendの類似性について)

以前書いた記事で、「Walpurgis Night」にまつわるtripleS(トリプルエス)とGfriendの類似性について少し触れました。この点について新たに気付いたことがありましたので、それを書き留めておきます。

GfriendがリリースしたWalpurgis Nightというアルバムのタイトル曲は、「Mago」です。MagoのMVでは、Gfriendのメンバーが現代の魔女になって奔放に振る舞うという解釈がされています。Magoの1つ前のMV「Apple」では、メンバーが魔女になる過程が描かれています。

以前の記事で、tripleSが地底のようなところで群舞をしている様子をWalpurgis Nightに見立てましたが、これは妥当性があることなのでしょうか。すなわち、tripleSのメンバー達は魔女になったのでしょうか。

そもそも、Girls Never Dieの映像は、全体的にダークで、衣装も黒装束が多くなっており、魔女の雰囲気を感じさせます。また、カラスと魔女の関係性は一般的によく知られています。魔女がカラスを使者として利用したり、魔女がカラスに変身したりする民話、童話は種々あります。

また、tripleSの他のMVでも、魔女との関連性をうかがわせるものがあります。tripleSのサブユニットであるLOVElusionのMV「Girls' Capitalism」では、メンバーが机を囲んで何やら儀式のようなことをしている場面があります。

 

お金を信奉する儀式のように見えます。Girls' Capitalism(女子の資本主義)という曲のタイトルとも合っています。これは、『マネーという名の犬: 12歳からの「お金」入門』という本の、ある場面との類似点が見られます。

この本は、ボード・シェーファーというドイツ人の著作で、子ども向けのお金の入門書という体裁になっています。しかしながら、啓蒙書としての質の高さから、実際には子どもばかりか大人にまで幅広く読まれ、世界で400万部以上販売されています。

内容は、少女キーラが喋る犬「マネー」に出会い、マネーからお金との付き合い方を教えてもらい、やがて周囲の大人や友達と協力し合いながらマネーリテラシーを成長させていくというものです。

この本の中で、キーラが友達のマルセルとモニカ、そしてトランプ夫人と4人で投資クラブを作り、投資会議を行う場面があります。そこでは、深緑色のテーブルクロスをかけた丸テーブル、その上にロウソク立て、6本のロウソクがある周りを、4人が囲んで座ります(※1)。本に記載はありませんが、ロウソク立て(candlestick)は、金融用語のロウソク足チャート(candlestick chart)を意識したものじゃないかと思います。

一方、Girls' Capitalismのシーンでも、テーブルクロスをかけたテーブル、ロウソク立て、ロウソクの周囲にメンバーが座ります。クロスの色(深緑と赤)、テーブルの形状(丸と四角)、ロウソクの本数(6本と5本)に違いはありますが、お金儲けの会議の場面であるという共通点を考えれば、「マネーという名の犬」を参考にしている可能性があると思われます。つまり、Girls' Capitalismのシーンは、「マネーという名の犬」を意識した投資会議である可能性があります(※2)。

そして、「マネーという名の犬」では、この投資クラブは「お金の魔術師」と名付けられ、投資会議が行われるトランプ夫人の家は「魔女の家」と呼ばれます。ここで、LOVElutionのメンバー=魔女という図式が浮かび上がります。

Girls Never DieでtripleSがMV中で魔女になっていると仮定すると納得いくことがいくつかあります。ユヨンやハヨンが死の危機に遭う場面では、演出としてはどちらかというと「死から救われる」というよりは「死ねない」という方に寄っているように思われます。これは、ユヨンについて言えば、「魔女は火に弱く水に強い」というよく知られている特性に合致します。

そして、墓場のシーンですが、墓地としてはかなり閑散としています。また、墓穴の周囲にある墓石に、名前がありません。ヨーロッパやアメリカでの魔女裁判の際、魔女とされた人々は、しばしば無記名の墓や共同体から離れた墓地に埋葬されたことが知られています。

(※1)投資会議で上記のような儀式を行うことは、「マネーという名の犬」がオリジナルでないかもしれず、元ネタがあるかもしれませんが、ざっと調べたところでは見つかりませんでした。

(※2)EVOLutionのInvincibleでも同様のシーンがあるので、Girls’ Capitalismの上記のシーンは別の意味合いがあるかもしれません。両方のシーンにガラス玉があるのは、Gfiriendとの関係性の点で興味はありますが。Gfriendのデビュー曲はGlass Bead(=ガラス玉)で、ガラス玉が後期MVで重要な役割を果たします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?