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「サ道2021」10話に思うこと

先日の記事の続きっちゃ続きです。読まなくても無問題ですが……

という訳で、皆さんは「サ道2021」10話をご覧になられたでしょうか。
大方の予想通り10話は大反響を呼んでいるようで、私も笑ったり感動したりしながら見させて頂きました。
以下の記事はネタバレありますので、まだご覧になってない方は当然当然、ご覧になってからお読み下さい。

1.あらすじと見所

さて、今回の話の内容ですが。
偶然さん(三宅弘城)が娘の明日菜(新津ちせ)と埼玉・越生にあるオーパークおごせ内のサウナスイートキャビンに宿泊し、ととのっていくというもの。

「何だ、またプライベートサウナじゃないか……」と思ったけど、その点については後述。

娘の夏休みの宿題の「夏の思い出の絵」を描くためにサウナ付きの宿の宿泊を企画した偶然さん。妻(水川あさみ)も一緒に行くはずだったが都合で行けなくなり、明日菜と二人で行く事に。
ノリノリな偶然さんとテンションの低い明日菜。カーステで偶然さんが流しているのは、湯らっくすのメディテーションサウナのBGM、サウナしきじの滝の音……いや、普通に人乗せてるときにアンビエント系の音楽流す奴おる?それ止めてから流すのがただの流水音って……と爆笑してしまいました。

しかも、BGMの作曲者さんのツイート通り、前者は普通の人なら手に入れられない音源なのに、ドラマの設定とはいえ偶然さんが手に入れてるのが……後者も、しきじの水を持って帰る人は大勢居れど、しきじの滝の音を録音して持って帰る人など聞いたことがない。偶然さんのサウナ愛が凄すぎて(笑)。
あと、明日菜からK-POPをリクエストされてポンチャックなのがまた。BTSをTBSと間違えてたのもツボ。もうここの流れはずっと笑いながら見てましたね。いやあ、こういうお父さんいるな……と。いるのかな?

なかなかの高級宿を取ったので明日菜とも一緒にサウナに入りたい偶然さんと、「2年前のこと」を理由に過剰にサウナを拒絶する明日菜のすれ違い。
何か話題を作ろうと明日菜の日常生活について尋ねる偶然さんですが、すげなく返される。「明日菜のことが大好き」と投げかけるも、「サウナの次に?」と返されて黙りこくってしまう偶然さん……素直すぎる(笑)
返事に窮して、「明日菜のことは人間の中で一番好き」との答えに明日菜、「最低最低!」と……あれ、これ偶然さんの「偶然偶然」が移ってない?嫌ってるはずなのに言葉には隠せないものが出てて、可愛いなあと思ってしまう。

トイレ休憩で立ち寄ったキヤッセ羽生。

……え、偶然さんの家ってどこにあんの?さいたま市内なら明らかに遠回りだし、普段栃木あたりから都心まで通ってるのかな?とか考えたが、まあありふれた道の駅という設定ということか。
そこでアイスを食う二人ですが、その時に偶然さんの全身が初めて映ることになり。

どんだけ菅田将暉意識してんねん(笑)
いい歳のお父さんのカッコがコレやとしんどいな〜とまた笑わせてもらいました。そういう変な方向に頑張っちゃう偶然さん、大好きだけどね。

そんな時、ふと通りかかったペアルックのカップルを見て「明日菜も彼氏が出来たらペアルックするのか?」問うた偶然さんに、「もういるけど、ペアルックはやったことない」返す明日菜。
まさか彼氏がいると思わず聞いたら予想外の答えに気が動転した偶然さん、「そいつのホームサウナどこだ。今度一緒にウェルビー栄の水風呂に入るか。あそこほぼ氷だからな、どれだけ根性あるか分かるしな」とまくし立てる。

ホームサウナを聞き出そうとするのも笑うが、そもそも小学生がウェルビー栄のアイスサウナに入ってたらビビるわ。水温4〜5℃よ?私もウェルビー栄は2回ほど行ってますが、子どもが居るのは見たことないし、アイスサウナにティーンエイジャーが入ってるのも当然見たことありません。こんなんですからね。

「私はサウナが嫌いだし、サウナに入る人も嫌いだから、彼とは絶対サウナに行かせない」とサウナを完全否定する明日菜。もう一度トイレに行くと足早に席を立った偶然さんはおいおい「明日菜ぁ……サウナぁ……」と物陰で泣く始末。どんなやねん。

……名前の明日菜ってそういう事!?

泣いてしまった父を見て、流石に申し訳ないと思ったのか母にアドバイスを請う明日菜。悩みを相談すると喜ぶという助言を受けて、彼氏の嫌なところを打ち明ける。偶然さんはそれに対し、自分に合うサウナも合わないサウナもあるが、そのサウナのいいところを探すようにすれば楽しいんだということを伝える。サウナの話ではあるけれど、何か明日菜にも考えさせられるものがあった様子。

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そしてオーパークおごせのサウナスイートキャビンに到着。これも後から気付いたけど、車のナンバーまで11-37。ここまで徹底してサウナバカできる親父はすげーよ。
ちなみにサウナスイートキャビンはセルフロウリュ用のアロマオイルを3種類より選べるシステムだが、偶然さんが選んだOSMIAの白樺のアロマオイルは最近私もテントサウナ等で利用する為に購入したもの。大変爽やかな香りで好き。

お洒落な部屋と可愛いルームウェア(ペアルック。笑)でバーベキューを楽しみ、明日菜にプレゼントを渡して、お膳立ては完了。いよいよサウナに……と明日菜を誘い出そうとしますが、その偶然さんの言動に今まで機嫌の良かった明日菜の態度は一変。サウナには一人で行くよう突っぱねます。
これは、2年前に偶然さんの妻が自宅で倒れた際に、一緒に居た明日菜が偶然さんに助けを求めようとしたところ、偶然さんはいつも通り北欧でサウナに入っており連絡が付かなかったということがあり。明日菜はこの一件でサウナや、サウナ好きな父親に対する嫌悪感を抱くこととなったのでした。

一人寂しくサウナに向かう偶然さんと、部屋に取り残された明日菜。そんな彼女の元に、母から様子を伺う電話が。
「パパは、やっぱりクソサウナバカだった」。サウナに嵌り過ぎて家庭を顧みない父親というイメージが焼き付いて、あの事件があってもサウナに行くのを止めない父親を許せないという思い。それを母に訴えますが、母は「それはちょっと違う」と。
実は、あの事件があってから偶然さんはサウナを一切止めており。家族に悲しい思いをさせるくらいなら……と、自分の気持ちを押し殺していたと言うのです。
しかし、サウナを止めてしまってから、偶然さんは全く喋らなくなってしまった。本当に、サウナを取ったら何もない人なのでしょう(確か8話でそんなこと言ってたな)。元々スーパー銭湯で出会ったくらいなので、偶然さんの趣味について理解していた妻は、サウナに行く事を許可した。「明日菜に悪いから」と断ろうとする偶然さんに、妻は無理やりでもサウナに行かせた。それから、今の元気を取り戻すことになったと。

一人サウニングをしていた偶然さんのもとに、明日菜が現れる。明日菜は「1セットだけね」と。
……「1回だけ」じゃなく「1セットだけ」と言うのは、やはり偶然さんの英才教育の賜物なんだろうか。でもその後のシーンを見ると、ロウリュは知らなかったんだよね。言葉を選び間違えたのかも知れんけど、まあ、ええわ。

水風呂からの外気浴でととのう二人。いつものととのうシーンで、偶然さんが明日菜を見てるのがお父さんしてて良かった。バーベキューの場面でも思ったけど、本当に親子を思わせる演技でしたね。

眠ってしまった偶然さんが取り落としたスマホのロック画面が、道の駅で撮った、自分が顔を隠している写真になっていることに気付いた明日菜。父のスマホを使い、眠っている父と一緒に写った自分の写真を保存する。こんなん、10歳が出来る?可愛すぎんだろ。

そのエピソードを聞いて涙し、その写真を自分にも送るようねだるナカタ(原田泰造)。お前は何やねん。
もう娘と一緒にサウナに入る機会はないだろうと悟り、悲しむ偶然さんにナカタとイケメン蒸し男(磯村勇斗)は「これからの人生は、私達が一緒に入ってあげますから」。いや、だからお前らは何やねん。
その言葉を聞いて感極まる偶然さん。手を取り合う三人……めっちゃ可愛かったんですけどね。

2.感想

という事で偶然さん回だった訳ですが、こりゃあサ道のシリーズで一番の人気エピソードになるんちゃうの?と思うくらい、ハートフルで素敵なエピソードでした。偶然さんもツルピカさんと同じ家族から疎まれ系のおっさんなのかと思いきや、奥さんとの馴れ初めがスーパー銭湯でサウナに理解のある人だったという……お調子者でサウナが行動基準なのだけど、同じ位家族のことも考えている事を分かってくれていて、許されてるという。普段のサウナに対する熱い思いを考えたら、家族のことも真剣に考える優しいお父さんなんだなと思い、偶然さんが大好きになるエピソードでした。

3.9話との関係

とはいえ、そんな感想で終わっちゃうのなら、わざわざnoteに書かないんですよね〜。
前回の「サ道2021」9話は家庭持ちのサウナーの男が、プライベートに使えるサウナを求めてラブホテルに入り浸るという話でした。

9話と10話を対比して見た時、あんなに素敵な話だと思った10話の内容にも疑念が生じて来てしまいます。
9話の主人公、アダチ(永山絢斗)は確かにラブホテルに通いました。ただそれは不倫でもデリヘルでも何でもなく、純粋に一人で使えるサウナを探した結果。その部分が咎められるべきではないでしょう。
その辺で言えば、偶然さんの方もヤバい事をしてる訳じゃないですか。奥さんが倒れてる時にサウナで一人ととのってるって。
そうなると、奥さんの許す度量が問題なのか?となってきそうですが、多分そんな問題を扱ったらフェミニスト層から滅茶苦茶文句を付けられると思います。妻は夫の趣味を何でも許容しろということか、サウナなんてやめちまえ……とまで言われるかもしれませんね。だから、そういう話にもすべきでない。

結局、ラブホテルに対するスティグマ感が問題じゃないのかと思うのです。仮にアダチの住んでいるところが秩父地方なら、オーパークおごせに通ってもいい訳ですし。日帰りがないのでコスト的にも利用方法的にも有り得ないと思いますが。

土曜日の「出没!アド街ック天国」に西小山の東京浴場が出ていて、90分1030円(風呂の入浴料470円も要るので合計1500円。小屋サウナ1時間で4000円近く取るとこもあると考えたら普通に安い)で個室のサウナが使えることが示されていたのですが、あれロウリュサウナと言えど本当に一人用のスペースしかなさそうなので、「どちらのサウナに入りたいか?」と聞かれればラブホサウナを選ぶ人が多いような気がします。値段も、9話で出ていたラブホサウナなら東京浴場の3回弱だし、家の近くであまり知られてなく予約が取りやすい(東京浴場は予約が取り辛くなっているそうです)のであれば、そっちに行く方が合理的だと思いませんか?
偶然さんもアダチも、サウナが好き過ぎて道を踏み外しそうになった。でも、アダチが反省すべき事が「仕事と偽ってラブホテルに行っていた」ということならば、アダチは本旨でない部分で反省させられることになりますよね。ラブホテルでないサウナなら良かったんじゃないの、と。
「嘘をつくから……」という指摘には前回のnoteにも書きましたが、嘘をつかざるを得ないよね、ということで。
結局、10話は良い話ではあったけど、9話のアンサーにはなっていないと感じました。むしろ見方によれば、9話を更に後味悪いものにしているとさえ。何でああいう風に描いちゃったんだろうな……と本当に悔やまれます。前回も言ったけど、出来れば彼に対するフォローが欲しいなあ。どうにかなりませんかね。

4.追記

まあ、何やかんや思うところはありましたが。「サ道2021」も佳境を迎え、次回は佐賀・御船山楽園ホテルのらかんの湯。

様々なメディアで紹介され、私もサウナイキタイの「イキタイ(ブックマークみたいな機能)」に一番最初に入れている施設。則ち、まだ行けていないという事なのですが。
サ道2021の制作発表時点から「らかんの湯は出るだろう」と専らの見方でしたが、やはり実現されました。本当はドラマで取り上げられる前に訪問しておきたかったのですが、ここのサ活を読んでもらえれば分かる通り、サウナは男湯と女湯で異なっており、宿泊客は泊まりの夜と翌朝とで入れ替わるサウナに入れるシステムになっており、両方入るには宿泊が必須となるのですね。
御船山楽園ホテルの宿代はオーパークおごせと同じ位に高いので、中々行き出すタイミングがなく……でも、私の職場の先輩(私のサウナの師)は宿泊で行っているので、必ず行きたい施設ではあります。

で、泰造さんは「ら↑かんの湯」と言ってましたが、私らは「らか↑んの湯」と呼んでました。どっちが正しいんでしょうか。どうでもいいか。また来週の放送が楽しみです。

おわり。





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