見出し画像

マレーシア人とルームシェア

2022年の事である。
香港脱出計画を企て、日本からのジョブオファーを貰っていたので、新たにアパートを契約することなく、サービスアパートに滞在していたワタクシ。
 
そして、3か月以内に日本に帰る気でいたのだが…
…会社からシドニーでのポジションをオファーされ香港に残ることになったワタクシ。
 
しくわぁ~し(*しかし)
 
いつ移れるかの見込みは一切なし。
 
「4~5か月以内には移すよ~」という温度感だったため、それなら新たに部屋を契約するのもなぁ…さてどうしようと色々考えていたのである。

そんな折、6年来のマレーシア人の友人が、同じタイミングでルームメイトが出ていくことになったけど、もしよかったらシェアしないか?と言ってきたので、便乗させて頂くことにしたのである。
 
6年も知っているのだからきっと今更大丈夫だろうと思っていたのである。
また、ワタクシ達は著しく生活スタイルが違うので、特に接点も少ないだろうと踏んでいたのである。
 
ワタクシの朝は早い。
朝のラッシュを避ける目的+ジムに行く目的で朝5時に起き、6時から6時半の間には家を出る。マレーシア人の友人(以後B)が起きるのは大体7時半から8時⇒バスルームを巡って争う必要もない。
 
そして、仕事後、再度ジムへ行き、その後、会社に戻り残業して、ワタクシが家に帰るのは大体夜の11時頃。
その間Bは8時くらいには家に戻り、夜遊びに出掛けていき、戻るのは深夜過ぎ。そのころにはワタクシは夢の中⇒キッチンを巡って戦う必要もない。
 
ほぼ顔を会わせる機会はないとふんでいたのである・・・
 
…が、
 
一緒に暮らすと共有スペースの使い方が著しく気になるのである。
 
 
1,常に濡れてるずぶ濡れのバスルーム
1日の大半家何いないのでどんな使い方をしているのかは知らないが、家に帰ってくると、床も便座も容赦なくずぶ濡れなのである。一体どんな使い方をしているのか、そもそも何の液体なのか…色々気になるところであるのだが、おそらくシャワーを浴びた後、体を拭かずに出て来てトイレの付近で身体を拭いているのではないかと思われるが、なんにしろ気分が悪い。
 
2,使ったら使いっぱなし
キッチンは常に使用済みの食器やらフライパンやら鍋が転がっている。バスルームの歯ブラシやら髭剃りやらそれらの物も出しっぱなし。そして、異常にどっさり置かれた色んな種類の洗顔フォームやらシャンプーやらコンディショナーやらなんやらかんやら…ボトルまみれ。どうせ使うのは一度に1種類なので、1種類ずつだけ置けばいいと思うのだがおびただしい量を揃え、片っ端から使いかけ。出しっぱなし。
 
3,玄関の扉の前にサンダル置きっぱなし
日本ではあまり見られぬ光景化と思われるが「玄関」なるものがない香港では、靴は家の外に散乱させる家庭が多い。まずその外に置くのが好きではないのだが、動線を靴で埋めるのは論外…。ある日、ビーチサンダルが一つ置かれており、それも動線のど真ん中…邪魔だなぁ…などと思っていたのだがある日、サンダルが2つに増えていた。誰か別の人がいるのかと思ったが誰もおらず、同じような種類・機能性のサンダルが2つ並んでいるのである。せめて1つにしてくれ
 
4,一貫性なし
ある時は朝起きてリビングに行くと電気つけっぱなし、扇風機も回りっぱなし、ACもつけっぱなし、とどめに湯沸かし器もつけっぱなし。すべて全開。しかし部屋からイビキが聞こえてくるあたりおそらくまだ寝てる。かと思えば
ある時はブレーカーごと落とす勢いだったりもする。また、玄関は防犯上の理由から2重扉になっているのだが、ある時は外の扉は鍵はしておらず、ある時は外の扉もうち扉も閉めたうえでチェーンまでしていたりする。
またうち扉は鍵をせず、外だけしているときなど、様々なコンビネーションが存在するのだが、いつも決められたとおりの行動を決められたように行う傾向のワタクシからするとその行動パターンに首をかしげることがたたある。
 
5,突然の来客
「今から友達連れて行っていい?あと15分で家に着く」⇒これは質問ではない。ただの宣言である。しかも、平日の夜中にどんちゃん騒ぎをしたりするので「悪いけど平日は止めてくれ」とお願いをすると週末は常に人を招くようになった…。そんな豪邸なわけでもなく洗面所も一つ。何を考えているのだろうと思うが…全く休まらない。おまけにBが特定の人とデートするようになったころ、「毎週金曜日の夜から日曜の夜までは家に連れてきていいか」という。いいわけない。そもそもワタクシであれば1人で住むだろうなぁというような香港の小さなアパートで2人が暮らしているだけですでに定員オーバー感が否めないなか、なぜ3人目が週末中ずっといて良いと思うのか…。寝室からの各種雑音も筒抜けのこの部屋で…常識で考えろ常識で。あまりに頭にきたが冷静に、色々考えたうえでフレンドリーになるたけ婉曲に「んーチョット休みたいからそうされるのは…チョット遠慮してもらいたいな」というが「なんで?ほとんど部屋にこもって外には出ていかないし、迷惑は掛からないよ?」というので、
「あのさ…ワタクシは質問されてるのかしら?それでいいかどうか聞いてくれてるんだよね?」と言おうものならワタクシがたちまち悪者となる。
 
えぇ、つまりこのような扱いを受けて気になるワタクシのような人間は、ルームシェアなどすべきではないとよくわかった次第である。しかし、この歳になるまで、今の今までルームシェアなどしたことがないので、いい経験をしたと言えば良い経験をしたのだろう…と思う事にした次第である。

半年フラットシェアをしたのち、ワタクシはそそくさと、サービスアパートに移るのであるが、誰も部屋にいない安心感に包まれそれはそれは深い眠りにつくのであった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?