実践オプション取引⑯ #ギリシャ指標、セータと昔話

おはようございます!Jです。

今日から新しい一週間ですね!皆さまお互い頑張りましょう!

さて、前回は「ギリシャ指標」のデルタとガンマを勉強しました。今日はセータについて共有します。私はこのセータがを学ぶことでトレード以外の人生観も変わりました。1人の生き方を変えるほどセータは偉大な力なのです。

それでは参りましょう!

まず、以前のPさんのポジションを再度共有します。黄色枠をご覧ください。

以前のPさんのポジション


セータは4.786となっています。セータがオプションに対して「1日あたりプレミアムを減価させる力」があります。これを「タイムディケイ」を呼びます。つまりこのポジションであれば1日当たり日経およそ4.786円プレミアムが減価していくということです。プレミアムが減っていくので買手には損、売手には利益になります。

デルタとガンマで見てきたようにセータ自身の数値も日経平均の変動と共に変化していくのであくまで概算で捉えるとよいと思いますが、このPさんのポジションの最大利益は85円ですのでおよそ18日程度でゼロ円となる計算です。

話が少しガンマに戻りますが、ガンマは日経平均の移動幅を力に変えてデルタを押し上げていくものでしたね?という事は仮に日経平均が全く動かなければガンマからの利益はないのです。しかしながら、セータは動いても動かなくてもタイムディケイは効果を発揮するのです。これはオプションの売りに対してはものすごい味方だと思いませんか?

自分が仕事をしていても遊んでいても寝ていても1日経てセータから利益が入ってくるのです。これが私がオプション売りを推奨する最大の特徴になります。日経平均が上がるか下がるかは50%です。話によると人間がトレードするよりサルがした方が高成績だという笑い話もあるくらいです。そのため方向性に賭けるデルタトレードではなく、時の経過を味方にしたオプション売りトレードの方が圧倒的に勝ちやすいのです。

但し、ガンマはオプションの時の経過という絶対法則の前に、日経平均の動きを利用して常に敵対しています。前回の例ではポジション組成時にデルタ0.05だった方向性のリスクがガンマの力によって10倍の0.5まで増えて追証になってしまった事例を取り上げましたね。つまりここまで日経平均が動いてしまってはセータがいくら頑張ってもガンマの勝ちなのです。

我々が今後トレードをしていく中で見るべきポイントしては、日経平均が上下に動くこといった方向性よりも、日経平均が大きく動くのか動かないのかといった移動幅なのです。

セータは水と油で相いれないという事をいま一度ご記憶ください。オプション売りトレーダーがガンマを無視すると本当に痛い目に遭います。私はまずギリシャ指標ではここを強調したいのです。


そしてガンマとセータの逆相関の関係性はオプションのコールオプションのプレミアムそ導きだす数式「ブラックショールモデル」に基づき決定されています。長くなりますので次回以降でコラムとして取り扱うことにします。


そして、冒頭に述べましたように私がセータによって人生観が変わったという話を最後に共有して終わりにしようと思います。ここからは蛇足になりますので興味のある方のみお付き合いください。

セータが持つ絶対法則「タイムディケイ」は我々の日常生活でも実は起こっています。例えば、2年前に作られた商品は現在はスペックは2倍、価格は2分の1になると提唱されたマーフィーの法則もその一例です。

つまり我々が現在価値をを感じているものが将来にはその価値は減価しているのではないか?ということです。中にはもちろん資産価値が上がり価格が高騰するものもあるでしょうがそれはごく限られた分野のものだと理解しています。

私はスタートアップをした若かり頃はブイブイいわせていて、ロールスロイスやマイバッハをはじめとする高級車からブレゲのダイヤ張りの時計やパテックフィリップやオーデマピゲいった高級腕時計など、あらゆる高級品を買いまくっていました。自宅もリッツカールトンのレジデンスでした。

美しくきれいなものが好きということもありましたが、若気の至りとして見栄も過分にありました。

それから友人に金融詐欺や不動産詐欺に遭ってしまったり事業も一旦ピークアウトしたことからそれらを手放そうと決意した時には、価値はすべからく低下していました。まさにタイムディケイです。

そしてこのような経験を通して、私はいずれ価値が減価してしまう物質的なものに重きを置くより、目には見えにくいけど貴重で価値のある「無形資産」こそ人生を豊かにすると悟りました。無形資産とは例えば家族、友人、恋人と過ごす楽しい時間やお互い切磋琢磨する経験などですが、ぜひ一度、私が大好きな本「Die With Zero」をご一読ください。私はこの本を読んでさらに無形資産の重要性を確認しました。

長くなりましたが以上となります。

次回へ続く。



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