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それとなく詩集

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ふと目に入った何気ない風景だったり、思いや感覚や考えだったりをときどき言葉に乗せて詩にしています。
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2022年9月の記事一覧

マンホール

足元のそこら中にあって落ちないように蓋が閉まってる 何処まで深くて長いのかは知ってる人しか知らない 踏んでもびくともしないからみんな忘れているけれど その直ぐ下は真っ暗な空洞

ホーム

電車がホームに到着してぐいっとみんなが前に出る 最後尾はもう反対側の端っこ 物心ついた時からずっと工事中で 喫煙所はもうどこにも見当たらない 向かいのホーム 向かいから見たこっちのホーム もっとあったはずのゴミ箱がなくてペットボトルを弄ぶ ごった返しているのに誰とも目が合わない