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【Season2 Vol.16】 JATO ATCリレー: 藤橋 正幸さん

JATO ATCリレー Season2の第16走者は、尾形 育理さんからバトンを受け取ってくださった、藤橋 正幸さんです。藤橋さんは尾形さんがセラピストとして目標にしている、常に数歩先を歩む大先輩であるそうです。是非ご一読ください!

ATCになろうと思ったのはいつですか?またその理由を教えてください。

ATCになろうと思ったのは高校生の時です。中学、高校とバスケットボールをプレーしていたのですが慢性的な脛の痛みに苦しんでいました。その時通っていた接骨院の先生がとても親身にしてくださり、この人のようになりたいと思ったのがアスレティックトレーナーになろうと思ったきっかけです。しかし、1990年頃、日本にはまだアスレティックトレーナーの資格がありませんでした。調べたところアメリカにアスレティックトレーナーの資格があることが分かり、ATCになるためにアメリカに行きました。

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今、どんなお仕事をされていますか?

現在は東京の市ヶ谷でパフォーマンスインテグレーションという一般の方からプロ選手までの運動をする方をメインとした施術と運動療法をする整体院を経営しています。受付からセッションまで全て1人でやっています。

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ご自身の仕事の好きなところ、やりがいを感じることについて教えてください。

現在の仕事で好きなところはお客様一人ひとりにじっくりと時間をかけて施術と運動療法ができるところです。やりがいを感じることは長い間苦しんでいる難しいケースを改善することです。慢性的な痛みを我慢しながらプレーを続けている選手や手術後に思うように動けない選手をリハビリで問題を改善し、その後の再発予防をすることにもやりがいを感じています。

ATCになってから12年間アメリカの大学で現場のアスレティックトレーナーとして仕事をしていましたがその時に仕事で好きだったところは選手たちが大学の4年間で選手として、人として成長していくところを見れるところでした。また、選手やコーチたちと1つのグループとして長時間一緒に過ごし、喜びや苦しみなどを分かち合えたことも好きなところでした。

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学生時代に経験したことで、今の仕事に活きていることがあれば教えてください。

常に勉強し、学び続け、今の自分より良くなること。
常にベストを尽くすこと。
相手の話を聞き、相手を尊重すること。

22年間の長いアメリカでの生活の中で学生時代や仕事での経験を通して学んだことです。これらはアスレティックトレーニングプログラムで勉強し、実習を行う上で必要だと感じ、また、アメリカという文化の異なる国で生活し、仕事を続けていく上で大切だと思いました。今でも仕事をする上で心がけていることです。

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過去に上司から、キャリアアップのアドバイスとして「仮に世界一の知識を持っていたとしても、患者(選手)が納得してこちらの薦めるものを行なってくれなければ、臨床での結果には繋がらず、せっかくの知識があっても何も変えられずに終わるんだよ。」と教えられた事があります。伝え方や共感の部分にも繋がってくるかと思いますが、マサさんがクライアントから信頼を得るのに大切にしているのはどんなことですか?(前回の尾形さんからのご質問です。)

クライアントから信頼を得ようという意識は無く、相手と良いコミュニケーションを取ること、自分のエゴを押し付けないことを大切にしています。相手の話を聞く、相手を尊重する、説明をする、お互い納得する、ことをコミュニケーションでの目的にしています。相手がどうなりたいのか、何を求めているのかを聞き、それに対して自分ができることの提案と説明をして、お互い納得できる方向性を見つけて進みます。これらをクライアントと関わる最初から最後まで繰り返し行うようにしています。特にプロセスの途中で同じ方向に向かっているか確認することを大切にしています。そして、結果を出すことで自ずと信頼されるのかなと思います。「信頼する」のは相手がすることで、こちらから求めるものでは無いのであまり意識していないのだと思います。

今後の目標や展望を教えてください。

今後の目標はアスレティックトレーナーが日本で信頼を得るように活動していくことです。私が与えられる影響はとても小さなものですが、接するクライアントに正しい事を行い、正しい事を伝え、結果を出していく、といった小さなことを積み重ねていくことです。それによって、人々がアスレティックトレーナーに見てもらって良かった、身近にいて欲しい、と思ってもらえるようにしていきたいです。質の高いサービスを提供し、クライアントさんが満足する結果を出すことが重要だと思います。怪我でスポーツや体を動かすことを諦めてしまう人を少なくしたいです。

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藤橋さんにとってJATOとはどのような存在でしょうか?

日本人ATCを一つにして、共に前進させてくれる存在。
日本でATCが活躍していくためには団体が必要でそれがJATOです。今ほど日本人ATCがいなかった時代に先輩方が日本でATCが活動できるように地盤を作ってくださり、JATOを作ったことによって日本人ATCが一つになることができたので日本でのATCの認知度が上がり、活動できていると思います。これからもJATOが中心になり私たちATCを一つにし日本で活躍できるよう前進させてくれる存在だと思います。

あなたにとって、ATCは<ひとこと>で言うと、どのような職業ですか?またその理由を教えてください。

ひとことで言うと、「多くの可能性がある職業」です。その理由はATCには多くの働き方があるからです。アメリカでも日本でもATCの職域は以前のようにスポーツの現場にいるだけではなくなっています。例えば、一般企業での健康管理をしたり、私のように個人でクリニックを経営することも可能です。また、日本では高校や大学がフルタイムでアスレティックトレーナーを雇用しているところはまだまだ少ないのでそこに参入する可能性もあります。ATCが持つ知識、技術、経験そして国際性はこれからの社会の中のいろいろな側面で活用できるものです。それをどう活かしていくか考え、行動することで可能性が広がると思います。

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【編集後記】藤橋さん、お忙しい中ご質問にお答えいただきどうもありがとうございました。藤橋さんからのお話にはアスレティックトレーナーとしてだけではなく、一社会人としてたくさん大切なことが詰まっていると感じました。藤橋さんの活躍を心よりお祈り申し上げます。さて、次回は藤橋さんが日本バスケットボール協会の仕事で一緒に働いた友人をご紹介いただきました。お楽しみに!

▼JATOのウェブサイトはこちら


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