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オーストラリアの中学生高校生の英語の授業。小説を読むことの大切さ。ジャッキーフレンチの歴史小説を読む。

オーストラリアの高校生の英語の授業はどんな授業かを知ってもらいたいし、小説を読むことが英語力を伸ばすために本当に大切だということを、学生だけでなく社会人の人にもわかってもらいたいと思います。

下にある英文は、オーストラリアの小説家ジャッキーフレンチが2005年に出版したThey came on Viking Ships の一部と、写真は実際に学校の授業で使われた問題です。

ジャッキーフレンチはオーストラリアの学校の英語の授業ではおなじみの小説家で、Rain stones やSomewhere Around the Corner などのオーストラリアの学生なら誰もが授業で読んだことのある作品や、読んだことはありませんが、The girl from the Snowy River というオーストラリア人が見たら40歳以上限定かもしれませんが、?????となる小説も出版しています。

このThey came on Viking Shipsはグリーンランド大好きな私にとっては心に刺さる歴史小説で、多くの人に読んでもらいたいと思っています。グリーンランドを10世紀に発見して、実際にグリーンランドをグリーンランドと名付けた、Eric the red エリックザレッドの家に奴隷として働かされた少女の物語です。ぜひ読んでもらいたいと思います。イギリスではslave girlというタイトルで出版されているようです。

Hekja followed him. The moonlight cast shadows on the grass as Snarf began to run. Hekja tied her skirts about her waist and ran too. It was hard at first avoiding the clumps of heather. But as the moon rose higher it grew easier. If she looked at the ground, Hekja discovered, and not the moonlit sky , her eyes grew used to the dimness.
Deep into the night they ran. A lone deer saw them and ran off, with Snarf following. For a moment Hekja thought Snarf might bring it down. But the deer was too fast, and Snarf was too young, Hekja realized, to bring down a full grown deer.
Hekja could feel hunger nibble at her tummy. And if she was hungry, what must Snarf feel like, she wondered. Then suddenly Snarf stopped, as still as the mountain crags about them. He sniffed, then crept forward, his nose to the ground.

ヘクジャは彼の後を追った。スナフキンが走りだすと、月明かりが芝生に影を落とした。ヘクジャもスカートを腰に巻いて走った。最初はこの草むらを避けるのが大変だった。しかし、月が高くなるにつれて、それは容易になっていった。ヘクジャは、月明かりのある空ではなく、地面を見ていれば、その薄暗さに目が慣れていくことを理解した。
彼女らは夜遅くまで走り続けた。一頭の鹿が彼女らを見て走り去り、スナフもついてきた。ヘクジャは一瞬、スナーフが鹿を倒すかもしれないと思った。しかし、その鹿はあまりに速く、スナフも成長した鹿を倒すには若すぎることにヘクジャは気づいた。
ヘクジャはお腹をかじられるような空腹を感じた。自分が空腹なら、スナフはどんな気持ちなのだろうかと、彼女は考えた。すると突然、スナフが山の岩のように静止した。スナフは鼻をすすり、地面に鼻を近づけて前進した。

質問は写真の問題になります。

これから英語を本格的に勉強する生徒たちにとってはとてもいい問題だと思います。

日本の英語教育は解説する文章や記録の文章が英語で使われることが多く、小説を読むことが少ないように感じます。上記の文章にあるような、状況描写は日本人が苦手としているものの一つだと感じます。難しい単語を覚えることもとても大切だと思います。しかし、中学生で学んだレベルの英語だけの文章で表現することも同時に大切だと感じます。

これは英会話では誰もが知っている英単語を組み合わせて会話することが多く、その基本をしっかりと作った後で難しい単語を覚えるのがいいのではないかと思います。

今回の問題は、ESLといって、英語を母国語としていない生徒たちを対象にした英語の授業での問題ですが、英語を母国語としていない生徒たちと言っても、英語が話せない人ではなく、授業のレベルも高いわけです。また、例文も十分に大切ですが、写真の問題のように、文章を読んだうえで、質問を出して、それについて答えることもとても大切です。

英語の場合は、日本語と違って漢字を使わないために、その代わりに、同義語がたくさんあります。beginを使った方がいいのか、startを使った方がいいのか。のような悩みは日本語ではほとんど無くなります。日本なら始まるで片付いてしまうからです。特に、thinkなどは代表的な単語で、日本人はほとんど~と思うはthinkで片づけますが、ネイティブはいろんな英単語を使って~と思うを表現するわけです。

そういうことが学べるのも、小説の授業のいいところだと思います。

この授業を受けた生徒にも伝えたのですが、ただ、英文を訳すだけではなく、英語の授業は突き詰めれば、日本の授業の現代文と同じ授業になることを理解して学んでもらいたいと思います。当たり前のことですが、本当に状況描写は大切だということです。

今日掲載した小説の一部の英文を、日本語のように瞬時に理解できるようになることを目指して留学生活を充実したものにしてもらいたいと思います。

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