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高校留学希望者必見18!希望する大学進学に合わせた対策をする必要性。帰国生入試対策の必要性。

海外の高校で学んでいる日本人には大きく分けて3つの大学進学の選択があります。(今回は専門学校や就職希望者は除きます。)

学んでいる高校の国の大学に進学する。
学んでいる高校の国以外の大学に進学する。
日本の大学に進学する。

この3つの選択になると思います。

学んでいる学校の国の大学に進学をする場合は、教科選択や進路相談も学校のスタッフが対応してくれますし、学校の授業をしっかりと受けて対策して、学校の友達などと情報交換もできます。当然、大学のランキングだけでなく、学部のレベルも把握できます。

つまり、普通に学校生活をしていればいいわけです。

ただ、イギリスに留学している生徒がアメリカの大学を希望するとか、オーストラリアに留学している生徒がイギリスの大学に進学希望する場合もあります。

英語圏の国であれば、自国の学校の成績や自国の卒業統一試験の成績を当該国の成績にスケーリングすることができます。また、英語圏の国の高校では、IBのコースを併設している学校もありますので、他の国に留学を希望する生徒はIBを取得すればいいわけです。

多くの高校では、他の国の大学へのオファーの仕方を指導してくれますが、例えばアメリカの大学を希望する場合は、SATなどの試験を受けなければなりませんが、オーストラリアでもニュージーランドでもスイスでも年に10回弱試験の機会がありますし、ある程度の都市であれば、その地域の高校が会場になりますので受験心配はありません。

アメリカの大学の場合は、奨学金として、学費生活費免除や一部免除になる場合があり、スポーツ推薦で実際に高校時代に結果を出して進学した生徒もいました。海外の大学は高額であるために、奨学金を狙う生徒はいますが、難しいことは変わりありません。

最後に日本の大学に進学する。つまり帰国生入試を受験するパターンです。

実際に単身で高校に留学した生徒のほとんどは日本の大学に進学する場合が圧倒的に多いのが現実です。

これにはいくつかの理由があります。

まず、第一に授業料の差です。オーストラリアの国立の大学であっても、授業料は年間400万円以上はかかります。つまり、日本の大学4年間分=オーストラリアの大学の授業料1年分なわけです。アメリカやイギリスではそれ以上にかかってしまいます。

次に、日本の物価が安くなってきている理由で海外の生徒がたくさん日本の大学に留学を希望している点があり、英語での授業も普通に受けることができるようになったことも大きな影響があります。大学内での英語の環境に困ることもないし、帰国生入試は想像以上に高いレベルの大学に入学できるメリットもあります。

最後に就職に関して考えた場合も日本の方が有利だということもあります。理系の学部の一部では海外でも就職は十分に可能ですが、ネイティブとは英語の理解力が違う生徒の場合は理系の英語圏での授業は非常に難しく脱落する人もたくさんいます。文系の学部は卒業は理系の学部に比べて楽な場合が多いですが、現地での就職はビザの関係もあり、簡単ではありません。

つまり、日本人が気軽にアメリカやイギリスに行ってすぐに現地の企業には就職することはできません。国籍の異なる人材を企業が就職させるにはいろいろと手続きがありますし、簡単ではないという現実を理解すれば自然と日本の大学に進学する人が増えても不思議ではないと思います。

帰国生入試を希望する生徒の受験対策は?

海外の大学を目指す生徒は基本的に学校の授業を真面目に受けていればいいし、先生に聞けばアドバイスはいつでももらえますが、日本の大学を希望する場合は学校にサポートする生徒は誰もいません。

また、授業をしっかりと受けることは前提ですが、帰国生入試を希望する生徒は学校の授業とは離れて受験準備をする必要があります。受験準備は早ければ早い方がいいと思います。

TOEFL やSATのスコアの取得
小論文や国語対策(面接対策を含みます。)
大学別または学部別の入試傾向のチェック

この3つを押さえることが大切です。

TOEFLやSATのスコアの取得に関して

多くの大学やTOEFLまたはIELTSのスコア提出を求めています。これは、英語力を求めているというよりは、TOEFLやIELTSという世界的に信頼のおけるテストがあるので、その成績を英語のテストとして大学が採用しているということだと思います。

英会話力があっても、英語の文章読解力が低かったりすれば、TOEFLの得点は上がりません。実際に英会話で使う英単語と大学で使う授業の英単語は違うわけです。実際に、日本の高校を卒業した生徒の方が海外留学をした生徒よりも英語読解力が高い場合も残念ながらあります。

SATに関しては、卒業統一試験の代替だと考えていただければいいかと思います。また、オーストラリアやニュージーランドなどの生徒は高校を卒業する前に帰国生入試のテストを受ける生徒も多く、統一の基準が欲しいということもあります。また、数学の基礎能力をチェックする上でもSATのスコアは生徒の学力をチェックする上でも大事と考えていると思います。

小論文や国語、面接対策。

帰国生入試で小論文入試を課している大学は多いです。英語でのエッセイなどを入試で行う学部もありますが、ほとんどの場合は日本語での入試になります。特に日本語の授業から離れているので、文章の読解力や日本語での世界共通の問題に関しての理解の低い生徒もいると思います。文章を読む力だけでなく、特に、文章を書く力をつけていかなければいけません。また、文章力だけでなく小論文入試では日本の高校に通っていた生徒との視点の違いを期待されていることも忘れてはいけません。海外生活をした中で感じた考え方をしっかりとアピールすることが大事です。

面接に関しても、英語での面接、日本語での面接、両方交えての面接などいろいろありますが、どんな形でも対応できなければなりません。また、瞬時に自分の考えをまとめて簡潔にわかりやすく伝える習慣を常に意識していかなければなりません。

普段から日本語の本も読む必要もありますし、英語でも日本語でも社会問題には対応できるようにしてもらいたいです。面接や小論文ではどのようなジャンルの出題がされるかなかなか推測しにくいのが今までの傾向です。世界で起こっているいろいろなことに関して、海外で生活したからこそ伝えられる考え方をどのようにアピールしていくかをしっかりと受験対策にしてもらいたいです。

大学別の入試科目や入試対策は必要。

最近の入試傾向では、数学の出題が増えてきているという傾向があります。これは、商学部や経済学部、また、国際関係の学部などでも数学が必須になっている大学は多いです。ビジネス関連の場合は数字に強くならなければならない。ということよりも、経済分析が高度になって、単純計算で経済予測を立てることができない。財務分析などが高度化していることが挙げられます。

それでなくても、非言語の数学での論理的な思考力はこれからの社会では必要な能力だと認識している大学や企業が非常に多く、SATの数学で点数が取れないと学力を疑問視される場合もあると思います。数学は計算問題や入試のためだけでなく、英語や国語とは違った思考能力を構築する基本となるものだと思います。

帰国生入試を受験することを決めたらどのような準備をするべきか。

帰国生入試は、実際の通っている高校の勉強とは全く異なったものになるので、学校の授業とは分けて考えておくべきです。しかし、英語力を伸ばすには、学校の授業をしっかりと受けることは大切ですし、学校で行った教科ごとの社会問題への取り組みは小論文対策にもなります。

ですので、日本語での表現力を高めることや、SATや入試の数学対策のように学校の授業とは異なった準備を必要とすることに関してはしっかりと時間を取ってやるべきだと思います。

学校の期末試験のように、数日の準備で得点を確保できるものではありません。すうねんまえから準備することで余裕をもって帰国生入試に対応できる能力を伸ばしていってもらいたいと思います。

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