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中学受験をしない小学6年生の数学の勉強(6か月目)三角関数 オーストラリアと日本の決定的な違いとは?

今年の4月に高校まで家庭教師をしていた生徒からLINEが届いて、

夏休みに研究留学(英語のみでコミュニケーションを行う)があり、来週から選考が始まり、英語で履歴書や志望動機書を提出しなければならないのでアドバイスをお願いできますか?

と、メッセージが来ました。

沖縄のOIST(オイスト)のことですが、無事選考に通って、貴重な経験をすることが出来て、充実していたと言っていました。インターンとして研究室に所属していろんな実験を経験させてもらったそうです。8月初旬においすとの研修が終わった後で、専門分野での英語のコミュニケーションが本当にうれしかったと話してくれました。

この生徒も中学1年生の時に英検の1級に合格していて、小学校から大学入試を目指して学校とは別カリキュラムで数学の勉強をしていました。また、全くの同時期に同学年でもう一人小学生の時に英検1級に合格した生徒がいて、この二人の生徒を7年間ずっと数学を中心に教えていました。

今年のオーストラリアの最大都市シドニーを含むNSW州の卒業統一試験では、最難関の数学教科のextention2を受験した生徒の男女比は男子64%に対して、女子は36%だったようです。

ただ、女子生徒は数学が苦手ではなく、現在の数学のテキストが男性目線でのみ書かれているような気がします。

今日はそのあたりのことを書いていければと思います。

まず、その前に、4か月目と5か月目のブログもよろしかったら読んでください。


今月から本格的に三角関数を教えることにしました。

日本では数学の授業で関数電卓や数学ソフトウェアなどを使っていません。(当然教科書もいまだに紙の教科書です。)ですので、日本の高校数学では3 significant figures(答えを有効数字3桁で答える。)のような、記述はあまり見る機会はありません。

ただ、微分や積分を始める前にスムースに流れを切らないためにも、早めに三角関数を教えた方がいいなと感じたので、三角関数を選択しました。

よく生徒には

try to think outside the box

と伝えています。これは、数学を解くうえでとても重要なことで、

常識にとらわれない発想が必要

ということです。

You have to think outside the box, you can't just use the formula, you really have to think about how to derive the first part to get to the second part and then get to the final answer.

ただ、公式にだけ頼るのではなく、最終的な答えを導き出すためには、最初にどのようなことを考えなければいけないのか。二番目にどのようなことを考えなければいけないのかを、常に意識してもらう。

という感じです。

今教えている小学6年生も、これから実際に学校で因数分解や平方根、円周角などを勉強すると、今まで私が教えてきたものが、一般に教えている公式と違い、学校で教えている教え方と違うのかが少しずつ分かってくると思います。

三角関数を確実に理解するためにはユニットサークルを理解することが重要だということ。Circular functionです。また、海外の高校数学ではsecant, cosecant, cotangentも合わせて覚えなければならないだけでなく、relationshipをradiansとdegreesの両方で覚えなければならないので、早めに覚えておいた方がいいかなと感じます。

ユニットサークルで三角関数を学んだ場合のhypotenuse (斜辺)が1として三平方の定理で考える重要性を最初に理解してもらいました。

また、グラフ上ではsineはy軸の値であって、cosineはx軸の値であることをいろいろな角度から理解してもらうわけです。

さらにtangentに関しては、円の中心が(0,0)として、0度から90度までは、(1,0)との接線と円の中心と円周上の点を延長して交差したy座標がtangentの値であって、当然90度の時にはお互いが平行になってしまうのでtan90が存在しないこと。をグラフから理解してもらうわけです。

日本では、基本的に計算機を使わないために、30、45、60に関連した角度しか使われないために欧米の数学とは違った視点で問題を解かなければならないわけです。

時間をかけて、徹底的に基礎的な問題を解くことの大切さ。

英語力が高い生徒や国語が得意な生徒は、とにかく基礎を徹底的に理解して、時間をかけて記憶を持続するように、定期的に問題の数値を変えて出題する。

つまり違った角度で関連性を理解しながら何度も問題を解くわけです。ただ答えを出すことだけが目的ではなく、sineとcosineの連動をしっかりと理解することが大切です。



また、複雑な計算を必要とする問題を解くことが大切だと感じる人も多いかもしれませんが、国語力が高い生徒や読書が好きな生徒は私が説明する内容をしっかりと把握してくれるので、従来の志望校レベルの問題を何問も解くよりも、基礎を理解して、先ほど伝えた公式を暗記するのではなく、問題を解く中で公式が自然と自分の頭の中に入っていくようなアドバイスをすればいいわけです。

タンジェントのグラフも同様に何度も問題を通して理解して、どんなことを感じたかを述べてもらう。

実際に、現在教えている小学生には、固い言葉で教えるよりも、頭の中でイメージできるような説明に終始して教えていく方が理解は早くなっているわけです。

今回は、余弦定理、正弦定理、面積の求め方のみで、tanθがsinθ/cosθであることや、鉄板のsin²θ+cos²θ=1 の公式は生徒が自然と法則に気づくのを待つようにするわけです。(当然誘導をするのですが。)

そして、加法定理や倍角、三倍角、半角の公式はまた数か月間をあけて教えていく予定です。

私が伝えたいことは

日本の数学の教科書の解説はとにかく表現が固く、正確であることが第一で問題に沿った効率的な解き方をことごとく否定する説明に終始しているわけです。なので、理詰めで物事を考える人たちには私のような考え方や教え方は本当に嫌われるわけです。英語のテキストで数学を教えること自体がキチガイだと言われたこともあるので。

ただ全員に理解される必要性はないし、いろんな考えを持った人がそれぞれのメリットをアピールし合えればいいと思います。それが、現在の日本人向けの英語のyoutubeだと思います。

最近家庭教師を始めた中学生もすごく気に入ってくれているし、学力が高い生徒だけでなく、数学が苦手な生徒にも生徒の考え方を否定しないでチャレンジしやすい問題で教えていくには英語のテキストが欠かせないわけです。

数か月前に、まず基本である SOH CAH TOAをやり、今月は以前勉強した復習とsine ruleとcosine rule に三角形の面積の求め方、つまり、area= 1/2 bc sinA を学び、数か月後には加法定理を教えるように考えています。

加法定理や倍角の公式は、公式として教えるのではなく、自然とそのように理解できるように教える方が私はいいと思いますが。

今回のオーストラリアの卒業統一試験を見ると、数学の問題のレベルは本当に上がってきているのがわかります。

私自身はインドの数学の問題の難しさを常に意識して、生徒それぞれに最適な教え方を考えて伝えていければ、それぞれの生徒の夢はきっとかなうと思います。


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