見出し画像

高校留学 意外と知らない日本とはちょっと違う海外の学校のこと。オーストラリアでは10年以上前から紙の教科書は使ってない。

日本では、来年度2024年からデジタル教科書を順次導入していくらしい。

というより、

いまだに紙の教科書を使い続けている日本はある意味すごい。

と思います。

オーストラリアでは、15年前から一人一人がノートパソコンで授業を受けていたわけです。最初の頃は、本当に大変でした。パソコンは故障するし、接続環境も整っていないわけです。私立の学校では学校指定の20万円以上するノートパソコンを買わされるわけです。(公立は学校が無料で貸し出したりしていました)学校には、パソコンのメカニックが常駐して頻繁に起こる不具合に対応していたわけです。

本当に当時は大変でした。しかし、そのような苦労があって、欧米ではデジタル教科書による授業が早い時期から定着しているわけです。

オーストラリアの小学生などはかなり前から学校には弁当と水筒だけしか自宅から持って行くものはないようになっているわけです。

ちなみに現在スイスに留学している生徒の話では、スイスでは紙の教科書を配布されるのですが、教科書にQRコードのようなものがあり、それをスキャンするとデジタルテキストがダウンロードできるようになっていて、結局教科書を持ち運ぶのが重いので、結局誰も紙の教科書を使っている人はいないそうです。

だったら、紙の教科書は何のためにあるのかわからないですよね。これは日本の教育以上に根深いものがあるような気がします。

日本では現在デジタル教科書を導入するにあたって、メリットとデメリットを頑張って検証しているようです。

そんな時代ではないだろう?と言いたくなります。

能力よりも年齢が優先のために、60歳近くにならないと校長先生になれない日本らしい、老人しか思いつかない発想を優先し、時代の流れを読むことよりも老人の理想とする教育を若い世代に押し付ける日本らしいほのぼのとした教育の一つのような気がします。

ですので、海外の学校に留学する生徒や、親の転勤などで現地の学校で勉強する生徒には、事前に英語圏の学校の常識を理解しておくことが大切だと思います。

今日は、意外と知られていない、日本とはちょっと違う海外の学校の学習環境やルールのいくつかを書きたいと思います。

テストで点数さえ取れれば、授業中に携帯ゲームをしていようが、音楽を聴いてようが、寝ていようが東京大学でも入学できる日本とは違い、海外ではテストだけで大学入試の合否が決まるわけではないということ。

実は日本では学校の先生が嘘をつくことを認めるなど、伝統的な暗黙の了解があります。

以前、オーストラリアの学校の先生に日本の帰国生入試の必要書類となる推薦書を依頼した時、その先生は

授業中はほとんど寝ていて、宿題もまったくやらない、この前のセメスターテストでも最下位の彼のためにどうして私が推薦書を書かなければならないんだ。教えてくれ。

と、怒られました。

ごもっともです。

日本の先生なら、ほとんどの先生は心の中ではそう思っていても頑張って書いてくれるんだよ。

生徒にも、その親にも当然そのことは伝えられず、個人的に親交のあった先生にお願いして書いてもらいましたが、日本の先生は、担任になれば、生徒の生活面の心配もしなければならないし、バスケットなどしたことがなくても、バスケット部の顧問をしなければならないし、日曜日も家族との時間を奪ってでも、部活の遠征に帯同しなければなりません。

こんなことは、オーストラリアでは絶対にありえません。

数学の先生は、生徒に数学を教えればいいだけです。

進路の悩みや、進路専門のカウンセラーと相談すればいいし、バスケットをしたければ、近くのバスケットボールクラブに参加すればいいし、どうして数学の先生として採用された人が、専門外のことを当たり前のように行うのかを疑問視しなければならないと感じます。

数学の授業では計算機や数学のソフトウェアを利用する。レポートやプレゼンテーション用に、canvaを使って見やすい資料を作成する。

来年オーストラリアの高校に留学する生徒に、オーストラリアの学校の授業に対応できるように、数学や理科や社会などの授業の進め方や日本とは違う点などを、それぞれの教科の英語の勉強と並行して教えています。

例えば数学では3つのポイントがあります。

計算機を使う授業
数学のソフトウェアを使う授業
日本で使っている数学用語の英語がおかしいこと

それぞれ短く説明します。

計算機を使う授業

英語圏の国は数学の授業で計算機を使います。

このことによって、日本の数学の授業とは全く違った内容の授業が行われます。

わかりやすい例を二つ挙げます。

三角関数の授業では、日本では30度、45度、60度をメインとした、海外ではspecial anglesと呼ばれている角度を使った授業しか行いません。つまり、フリーハンドで三角形を描かせて、長さを測って、余弦定理(cosine rule)を使ってそれぞれの角度を計算することはできないわけです。

対数の授業では、日本では3⁵⁰が何桁なのかのような問題しかできないわけです。つまり常用対数(common logarithm)を使って、3の20乗は何桁か、ただしlog3は0.4771とする。(If the value of log 3 = 0.4771, then find the number of digits in 3²⁰) つまり、計算機が使えないので、3⁸がいくつかなどは計算に時間がかかりすぎるので、対数の勉強にも制限がかかるわけです。

数学のソフトウェアを使う授業

私自身は数学の勉強を教える時には、geogebra(desmos)などを使うことがあります。特に数学が苦手な生徒の場合は、グラフなどを使って関数を理解する教え方が効果的な生徒もいます。つまり、f(x)=x²+5x+4のグラフでは、因数分解をした解が(x+1)(x+4)からx=−1と-4となり、それがx軸との切片となり、+4はy軸の切片となるわけです。また、平方完成をすることで、頂点が求まる。さらに、5xを−5xや3xに変えると、y軸からの切片からの距離になる。つまり、5xだったらグラフのACの長さは5になり、3xだったらグラフのBCの長さは3になる。のように、それぞれの生徒の数学の理解力に合わせて適した教え方を使えるわけです。

このような数学ソフトは数学を学ぶ上で必要なものだと感じます。

日本で使っている数学用語の英語がおかしいこと

f(x)をエフエックスと呼んでいるのは、日本と韓国くらいではないでしょうか?かっこは何のためにあるの?って思います。エフオブエックスです。

他にも√2だったら、日本ではルート2と言います。スクエアルートオブ2が普通の言い方で、当然ルート2という人もいるので間違いではないのですが、⁴√16は日本では4乗根16というけど、4th root of 16でいいような気がします。余弦定理(cosine rule)もそうですが、わけのわからない訳はかえって混乱するような気がします。

数学の日本と英語圏の違いを簡単に一部説明しましたが、世界史の日本語翻訳では海外の世界史の授業にはついていけないような気がします。当然、理科でも同じことが言えますので、しっかりと違いを把握しておかないと、留学先の授業でも混乱して、また、日本に帰国しても混乱する。という最悪の形になってしまいます。

少し興奮しすぎて、これでもかなり抑えて書いたつもりでしたが、かなり書いてしまったので、他にもまだまだ言いたいことは山ほどありますが、今度の時にまた書きます。

本当は今回書きたかったことは、

日本では教室で昼食を取るのが普通ですが海外ではなぜ取らない?

日本とは違いクラスがない海外の学校。時間割はどのように管理している?

海外の学校はどのような基準で成績がつけられるのか?

などです。

他にもいろいろとありますが、海外の高校に入学するためにはしっかりと学習面の準備が必要だということと、今時英語だけできる生徒に対応できるレベルの高い大学の入学試験などないし、英語ができると自慢すればするほど、周りからは英語しかできない。と理解されてしまうことを自覚してほしいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?