数学のカリキュラムは世界それぞれ!いろんな国の学習方法を取り入れて効率よく数学を学ぶ。
数学のカリキュラムは世界それぞれです。例えばオーストラリアでは、州ごとに数学のカリキュラムが異なり、高校までに履修する単元でさえ州ごとに異なっています。
ですので、英語圏であっても、国によって違っていて、時代の流れに合わせて常に更新されています。以前は、統一試験を行わずに、英語と数学の基礎学力を学校ごとにランクを付けて、学校の授業の成績を大学入学の基準にしていました。
オーストラリアではそれはトライアルでした。おそらく現在アメリカで行われているSATもその流れから行われていたものが現在も形を少しずつ変えて残っているような気がします。
私も現在4か国の国で学んでいる生徒(フランス、イギリス、オーストラリア、日本)にそれぞれの国の数学のカリキュラムに合わせて数学を教えていますが、それぞれの国のカリキュラムの素晴らしいところは積極的に活用して効率的に授業を進めていくようにしています。
今日はその中の一部を紹介できたらと思います。
全くアップデートされない日本の数学教育。
世界がSTEMのように、数学をいろいろな教科をつなげる中心に据えて、数学の効率性や視野を広め、正確で素早い読解力を育てるカリキュラムに移行している中で、日本は80年前からの数学道をコンピューター技術が進歩しようとも、否定し続けるのはある意味理屈っぽい人が高い成績が取れるように仕向けているとしか思えません。
日本とは真逆のインドの数学教育が好きすぎて辛いです。
日本では高齢者を中心に日本人は勉強ができると思っている人が非常に多いです。おそらく昔はそうだったかもしれません。
オーストラリアの学校に通っている生徒は、中国人系は学力が高いと誰もが思っていますし、日本人は勉強ができると感じているオーストラリアの生徒はほとんどいないと思いますし、ヨーロッパでは、中国人以上にインド人は勉強ができるという認識が強いと生徒は話してくれます。日本人が総合的に学力は高いという認識は当然ありません。(ただ、一部の日本人は相当できるというように感じている人はそれなりにいます。)
日本人の小学生に教えているインドの数学に私がはまってしまっている3つのポイントを伝えます。
円の面積と正方形の面積との関係性を理解する問題。
A circle and a square have same area. Therefore, the ratio of the side of the square and the radius of the circle?
訳
ある円の面積と正方形の面積が同じだとします。その場合、正方形の一辺の長さと円の半径の比を答えなさい。
この問題は、円と正方形を関係性を理解するためにいい問題ですし、平方根の深く理解するためにも素晴らしい問題ですし、高校生になってからラジアンを効率よく理解するためにも小学生の時期にこのような問題を解いておけば、これからの数学学習にアドバンテージになると思います。
私はルートの理解はできるだけ早く学習しておけば、数学力を上げるためにはとても有効であると感じています。
問題文を確実に理解する能力を高める問題。
In a class, the number of boys is more than the number of girls by 12% of the total strength. The ratio of boys to girls is?
この問題を正確に訳せて、問題の意図を確実に理解することは本当に大切です。このレベルの英語の文章なら、日本人の中学生でもほとんどの人が辞書も使わないで見ただけで訳せるレベルだと思います。ただ、正確に理解して問題を解くのは少し難しいと思います。
このような問題を解くのが小学生は苦手です。ただ、先ほどの円と正方形の問題と同様に、半径のわかっている円の面積を求めるよりも、面積がわかっていて、半径を求めるような応用問題を積極的に学ぶのは大切だと思います。
この問題の訳は
あるクラスでは男子生徒数は女子生徒数よりも総生徒数の比率で12%多いです。男女比を答えなさい。
この問題は、男子生徒が女子生徒よりも12%多いのでその比率を求めよ。という問題ではなくて、総生徒数の44%が女子で、56%が男子で、差が12%ということなので、そのあたりの文章理解が小学生や中学生にとっては大人が思っている以上に苦手なわけです。
なので、女子100人と仮定して、男子が12%多い112人として、100対112で、25対28のように考える人がいます。
日本人の学生にとっては数学の問題は文法的にも読解力を確実にするためにもとても効率的な勉強法ということです。
最後はインドらしい問題を紹介します。
The surface area of a cube is 726cm². Its volume is?
a) 1300cm³
b) 1331㎝³
c) 1452㎝³
d) 1542㎝³
立方体の表面積が726㎝²です。この立方体の体積を求めなさい。
日本では出題されることの無い問題です。それは、日本が4択の数学の問題を出題することがないからです。
多くの国が数学の試験問題に選択問題を出題します。これは、選択肢を提示することによって問題を効率的に解くことが可能になるからです。つまり、選択肢がなかったら2分かかる問題でも、選択肢があることで、30秒以内で解ける問題になるからです。
SPIの問題に似ていますね。
この問題を解く前に以下の知識を紹介しますので読んで下さい。
これは、1から9までの数を3乗した時の値になります。つまり、1の位の数がわかれば、3乗した時の1の値はわかるわけです。
つまり、8の3乗が512で一の位が2です。ですので、788の3乗もいくつかはわからなくても一の位の数は2とわかるわけです。つまりすべての3乗の数は、一の位がわかれば、3乗した時の一の位がわかるわけです。表のように、それぞれの一の位の数が、わかればダブることなく、その3乗の一の位の数もわかってしまうわけです。
つまりこの問題は、立方体の表面積が726㎝²なので、面が6つあるので6で割って、121を出します。これが一つの面の正方形の面積になります。ある数の2乗の数が121なるので、√121=11となり、一辺の長さは11㎝となりますので、それ以降は計算しなくても1の位が1の立方体の面積は必ず1の位が1となるので、答えはbの1331㎝³となるわけです。
このように、いろんな国の数学の問題を理解することによって、より数学が理解しやすくなるわけです。また、数学は記号を使うことが多い教科でもあります。Logやシグマ、f(x)や特性方程式など、英語が理解できると、数学の問題文や解説がさらに理解しやすくなることが多いわけです。
つまり、万国共通の数学は英語力がある生徒、分譲理解力が高い生徒が圧倒的に有利であって、屁理屈王が得意な教科ではないということです。
英語が得意な生徒は、基本的に数学が苦手な人が多いと思います。しかし、数学を教えている先生などが単に理屈っぽくて授業を聞いていても話が理解できないだけであって、教える先生の説明の仕方で大きく得点の伸びが変わる教科だと思います。
今の時代は、インターネットを通して、世界の教育に触れることが可能な時代です。
いろいろな国の常識に触れることによって無駄な時間を使わずに将来の夢に一歩でも近づいてもらいたいと思います。
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