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帰国生入試対策。SAT数学。英語と数学を同時に伸ばす必要性。ATAR,A-LEVEL,IBのポイントは数学。

帰国生入試は英語力が大事ということではなくなり、英語力はあって当たり前。その上で、論理的な思考をテストするために、数学や小論文などを課す大学が増えてきています。経済学部や国際教養学部で数学が必須科目になっている大学が高いレベルの国立大学や私立大学で増えてきています。

今日は、現在高校生で英検1級を取得している生徒が間違った英語の問題のポイントを解説してみたいと思います。

まずは問題です。

Assume that 0.1% of the population of Australia has a certain disease. Assume further that there is a test for this disease that is 99% accurate. This means that 99% of the people who have the disease will test positive, and 1% of the people who have the disease will erroneously test negative. Similarly, 99% of the people who don’t have people the disease will test negative, and 1% of the people who don’t have the disease will erroneously test positive. In 2023, 1,000,000 people were given this test. What percent of the people who tested positive actually had the disease?

正直一般の高校生が見たことないな。と思うような単語は、erroneously 程度で、erroneouslyもこの文章を読んでもらえばわかると思いますが、意味が分からない人でも前後の文章からある程度推測できるものだと思います。

この文章は、訳すことは問題ありませんので、訳してみます。

オーストラリアの人口の0.1%がある病気にかかっていると仮定します。さらに、99%の精度でこの病気に対して検査ができると仮定します。つまり、この病気にかかっている人の99%が検査で陽性と判定され、病気にかかっている人の1%が誤って陰性と判定されることになります。同様に、この病気にかかっていない99%の人が陰性と判定され、この病気にかかっていない1%の人が誤って陽性と判定されます。2023年、100万人がこのテストを受けました。陽性と判定された人のうち何%の人が、実際に病気にかかっていましたか。

英文または日本訳を読めばわかると思いますが、意味は十分に理解できるのですが、それで問題を解けるかというと、そうはいかないわけです。つまり、文章が似たような表現が重なったりして、訳せるが確実な理解ができていないという状況になってしまい、焦れば焦るほど問題が解けなくなると思います。

表で表すと下のようになります。

つまり、
最初の検査から陽性が990人
再検査で陽性になった人が9,990人
合計で 10,980人が 陽性で病気と診断された人になります。

問題は、最初陽性で、再検査でも陽性になった人の割合は
最初から陽性の人数÷陽性で病気と診断された人の総数で求めることができます。
計算すると
990÷10,980 = 0.09 で 9%となります。

この問題の難しさは、最初の検査で陽性になって、再検査でも陽性になった人の割合。

というと、一般常識では最初陽性で次も陽性になるのは当たり前で、そうなると答えは90%以上と考えるのが普通なので、答えが出た時にちょっと違和感があると思います。

これを英語で説明するとこのようになります。

The disease afflicts 0.1% of the population. Of the 1,000,000 people tested 0.1%×1,000,000=1,000, 1,000 people had the disease and the other 999,000 didn’t have it. Of the 1,000 people who had the disease, 99% of 1,000 tested positive and the other 10 erroneously tested negative. Of the 999,000 people who didn’t have the disease, erroneously tested positive. So in total, 9,990 + 990 = 10,980 people tested positive, of whom 990 actually had disease.
Finally, 990÷10,980=0.09 9%
Therefore even though the test is 99% accurate, only 9% of the people who tested positive for the disease actually had it.

英語でしっかりと説明できるようにしておくこともとても大切です。

日本語に訳すと、

人口の0.1%の人たちがその病気に苦しんでいるわけです。100万人の中の1%の1000人が病気にかかっていて、それ以外の999,000人が病気にかかっていないことになります。その1000人の中で、99%の人は再検査も陽性と判定されますが、残りの1%の10名は間違った判定となり、陰性と判定されます。また、陰性と判断された999,000人の99%に当たる989,010人は再検査も陰性と判定されますが、1%に当たる9,990人は実際に病気にかかっているとわかります。つまり、10,980人が最終的に陽性と判定され、その中で、最初も再検査も陽性だった人の割合は、990÷10,980=0.09 となり、陽性の9%に当たることになります。
つまり、精度が99%と言っても、最初も再検査も陽性である人の割合は全体の陽性になった人の9%にすぎないということになります。

英検やTOEICなどの問題は、英語力の判定がメインなので、ここまで複雑な問題は少ないと思いますが、SATの英語や、海外の学校で学ぶ英語というのは非常に複雑な問題が多く、当たり前ですが、訳せるのは当たり前で、その上に文章の読解力が問われるということです。

つまり、あまり勉強ができない英語がネイティブな日本人よりも、日本で育った英語力のある生徒の方が最終的には、一般の海外の英語や数学の問題を解く大学の入学試験では高得点を取れるというのはこのような理由です。

今後、帰国生入試は今まで以上に激化するのは、最近の英語の早期教育のいきわたり方を見ると明らかです。実際に今年から小学5年生で英検1級に合格している生徒の数学の勉強を教えることになりました。

英語は小学生ですでに高校3年生以上のレベルまで引き上げるのは珍しくないようになりましたが、数学の場合は、言語を習得するのとは大きく異なります。

とにかく、5年後は今のレベルを大きく超えるレベルに一般入試だけでなく、帰国生入試も変わっていることは間違いないような感じがします。

その時に備えるために、どのような準備をしておくかは本当に大切だと感じます。

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