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一次方程式の問題を計算しないで1秒で解く。帰国生入試対策SAT数学 解説通りに解かなければ満点800点可能な理由。

アメリカのSAT数学は、日本の共通テストやオーストラリアの卒業統一試験とは大きく異なり、難しい問題を効率的に解くことを要求されているというよりも、どうしたら常識にとらわれずに問題に向き合うことができるか?を求められています。

つまり、問題を読んだだけでその問題の意図がわかれば計算をして答えを求めなくてもそのまま計算もしないで答えを出せる問題も含まれているわけです。

つまり、教科書や参考書に掲載されている解説というのは、その数学の問題を解くための本当の一般的な解法であるが、他に本人がベストな解き方を見つければその解き方で解いても構わないわけです。

日本の数学ⅡBやⅢも基本的には同じで、解き方は必ず一つではないし、例えば分数の数列の和が出題されたら、途中を部分分数に分解するという選択肢をすぐに理解して途中を消して問題を解くわけですが、これも数列の和の公式とは異なった解き方で公式に縛られない例だと思います。

前置きが長くなりましたが、実際のSATの数学の問題を出題します。典型的な1秒問題で、問題を読んだらそのまま答えが出せる問題ですが、もしそれが気づかなかったらその他の解き方でも構いませんので解いてください。最初に日本語に訳した問題文を出しますので、英語が理解できない人も問題を解くことができるようにしました。その後に英語の問題も掲載しておきました。

では、問題です。

下のグラフは2015年と2020年のスワンシー高校の優等生協会の会員の男女比をパーセントで示しています。

2020年は、2015年と比べて優等生協会の会員は男子が6名増えて、女子が2名増えているとしたら、2020年にこの高校での協会員の生徒数は以下のうちのどれが当てはまるでしょうか。

A) 48
B) 72
C) 112
D) 120

英語の問題です。

The graphs below show the percent of boys and girls in the National Honor Society at Swansea high school in 2015 and 2020.

If in 2020 there were six more boys and two more girls in the school’s National Honor Society than in 2015, how many students in total were in the society in 2020?

A)    48
B)    72
C)    112
D)   120

どうでしたか?

一般的な一次方程式で解く解き方ですと、このようになると思います。

まず、2015年の協会員の生徒の数をxとします。そうすると、2020年の協会員の生徒の数はx+8となります。2020年の協会の男子生徒の数は0.375xまたは、0.4(x+8)で表すことができます。
ですので、0.375x=0.4(x+8)という一次方程式が成り立ち、x=112となります。
2015年の協会員の生徒が112人ですので、2020年は8を足して120人となります。

とりあえず英語での解説はこのようになると思います。

Let x represent the number of students in the society in 2015. Then the number of students in the society in 2015 was x+8. The number of boys in the society in 2015 was 0.375x and the number of boys in the society in 2020 could be expressed both as 0.375x+6 and 0.4(x+8).

Therefore 0.375x=0.4(x+8) , x=112
So, in 2015 the society had 112 members. In 2020, it had 112+8=120

この解き方で解けば、問題文を読む時間と計算を含めれば1分前後はかかるのではないでしょうか?英文を理解するのに時間がかかったり、計算に時間を使えば2分以上かかる人も出るかもしれません。

SAT数学の4択問題は基本的に問題を読んで、最後にマークシートに解答を塗りつぶすまでに1問に対して1分程度しか時間がないわけです。

では、ここからは満点を取る800点を取るための1秒で解く解き方です。

2020年の協会員の男女比は40%対60%です。2:3になるわけです。2:3の比率というのは、4:6や12:18のように両方を足せば、4+6=10, 12+18=30のように5の倍数になるわけです。

つまり、男子が6人増えたとか、女子が2人増えたとかはどうでもいいわけです。2020年のスワンシー高校の優等生協会の会員数は5の倍数なわけです。そうすれば、4択の中で5の倍数は120しか答えはないわけです。

もし、5の倍数が2つあったら、どちらかの数に0.375をかけて整数になる方が答えになるわけです。ただ、SAT数学の問題は日本のようにつまらない引っ掛け問題はありませんので素直に解ける問題がほとんどです。

計算機使用可の問題と使用不可の問題を合わせて、このような問題を読んだら、一般的な解説に載っているような解き方をしないで、3秒以内で解ける問題が全体で10問前後は出題されます。

これだけでも時間はかなり削ることができます。他にもグラフや表の効率的な理解の仕方や図形問題の効率的な解き方などはいくらでもあるわけです。

もし、SATの目標得点が1350点であっても1400点でも、それ以上でも数学で確実に800点または780点以上が取れれば英語を平均点またはちょっとそれ以上の得点でまとめれば目標の得点に届くわけです。

SATの英語で50点得点を上げるには、とんでもない労力がかかりますが、数学であれば、対策さえすれば50点上げるのは容易なことです。また、数学の効率性を身につければ、それは必ず英語のポイントアップにもつながるわけです。

勉強を教えるというのは、結局参考書などの解説に書いてない特別なことを教えなければ結果はついてこないということを理解して、SATの目標点を目指してもらいたいと思います。


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