お店

昔も今も、お店を開け続けることは簡単なことではない。お店をしている人にとって、お店を開けることは日常の行為だから、毎日お店を開けられることに感謝することは大げさになる。それでもお店があることが当たり前になりすぎて、しばらく行かなくなると、お店が閉まっていることもある。
お店を営むようになって、その難しさは年々わかってきたから、長年、お店を開けてきた人には心底尊敬するし、お気に入りの店は様子を見に行くようになった。だから、お店に毎日くる常連も、たまにくるお客さんも動機はなんであれ、有難い気持ちになる。
そういうことも日常になると忘れる。身体に習慣がついて、料理を提供することも誰かとおしゃべりすることも当たり前になるから。もしも、お店がなくなったら、この道を歩くことも、あの料理を味わうこともなくなる。お店があるからできる行為であるその尊さに気づく。全てのお店に、開業感謝デーを捧げたい。

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