整理

家の荷物を整理する。服、本、食器、集めてきた生地、あと写真や手紙。日々の蓄積があらわになる。ひとつひとつ触って広げて、必要かどうか確かめる。この服高かったから、とか、人から貰ったから、とか。頭で考えるより、気持ちが揺れるかどうかに注目する。
写真や手紙は、自分で記録したものよりも、誰かが撮した写真やわたしへの手紙の方が、ぐっとくることがわかった。当日の写真した人や手紙をくれた人に思いを馳せる。昔から引っ越しが多くて、物持ちのいい家に憧れていた。その反動なのか、自分のものを大事にしたり、感じたことを記録しようと日記や写真を撮っていたけど、たくさん保管しても触れられないなら意味がない。社会が変わったのか、わたしが変わったのか、「いま」を自ら選ぶようになった。自分でたくさん残すよりも、誰かによって残された僅かなものの方が本当なように思う。だから、残されたものを信じることにした。

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