精神疾患とCOVID-19には双方向性の関係がある

<科学論文> 下畑享良教授(岐阜大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野 )ブログより転載許可を得て掲載
※2020年11月9日時点での見解です。引用の際は最新情報にあたってください。

Lancet Psychiatry. Nov 9, 2020(doi.org/10.1016/S2215-0366(20)30462-4)

 米国から電子カルテネットワークを用いたコホート研究が報告された.

 COVID-19患者62354名のデータを用いて,COVID-19感染が精神疾患を増加させるか,また逆に精神疾患の既往歴のある患者ではCOVID-19の罹患が多いかを検討した.

 まずCOVID-19の診断後14~90日における任意の精神疾患(不安や不眠など)の発生率は18.1%であった.逆に前年に精神疾患の診断を受けている場合,受けていない場合と比較して,COVID-19の罹患率が65%高くなった(相対リスク1.65;p<0.0001)(図2).

 以上により,COVID-19は精神疾患発症のリスクとなること,ならびに1年以内の精神疾患の発症は,COVID-19の独立した危険因子である可能性が示唆された.

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