既存の抗炎症薬「デキサメタゾン」が重症患者で初の死亡減少効果 英政府が緊急承認

<科学論文> 19th June 2020 Curated by 瀧澤美奈子
※2020年6月16日時点での見解です。引用の際は最新情報にあたってください。

 オックスフォード大学の研究チームは16日、既存のステロイド系抗炎症薬である「デキサメタゾン」が、新型コロナウイルスの重症患者の死亡率を下げる効果を確認したと発表しました。重症患者の死亡率を下げる効果を確認できた薬としては初めての例です。
 デキサメタゾンは炎症やアレルギー症状を改善する作用や、免疫反応を抑える作用などがあり、安価で一般的に普及している薬です。
 3月から開始され、6000人あまりの患者を対象としたランダム化比較試験の結果、デキサメタゾンは、人工呼吸器をつけた重症患者の間で最も効果が見られました。 酸素療法を受けて人工呼吸器をつけていなかった患者にも改善が見られ、死亡率が20%減少しました。 一方、重症度の低い患者には影響を与えませんでした。
 イギリス政府は新型コロナウイルスの治療薬として、デキサメタゾンを緊急承認しました。


現在、ボランティアでやっております。継続のためには人手が必要ですので、ぜひ資金サポートをお願いいたしますm(_ _)m