ミンクからヒトへの感染によるアウトブレイク

<科学論文> 下畑享良教授(岐阜大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野 )ブログより転載許可を得て掲載
※2020年11月10日時点での見解です。引用の際は最新情報にあたってください。

Science. Nov 10, 2020(doi.org/10.1126/science.abe5901)

 動物実験において,SARS-CoV-2に感染することがわかっている動物は,ヒト以外の霊長類,ネコ,フェレット,ハムスター,ウサギ,コウモリなどである.また,フェレット,ミンク,イヌからもSARS-CoV-2のRNAが検出されている.

 さてオランダから,16ヶ所のミンク農場で発生したクラスターに関する調査結果が報告された.このウイルスは,最初はヒトからミンクに感染し,その後,ミンクの中でさまざまに変異したことが明らかになった.

 バイオセキュリティの強化,早期の警戒・監視,感染農場の即時閉鎖にもかかわらず,大きなクラスターが離れた3つのミンク農場で発生し,農場間の感染伝播の機序は分からなかった.ミンク農場の住民,従業員,接触者97名のうち66名(68%)がSARS-CoV-2に感染していたが,全ゲノム解析の結果から,感染者はミンク由来の株に感染しており,ミンクからヒトへの感染が裏付けられた.

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