2013年に感染症の危機管理体制に警笛を鳴らしていたクラスター対策班の押谷仁教授の論文

<科学論文> Curated by 小出重幸
 Vol.25, No.2, 2013年, 小児感染免疫 

 厚生労働省の感染症対策推進本部クラスター対策班でCOVID-19対策にあたっている押谷仁教授(東北大学大学院医学系研究科)が、2013年に日本小児感染症学会の機関紙『小児感染免疫』において、感染症に対する危機管理体制を見直す必要性を訴えていました。現在の状況に通じる内容ですので、この論文を紹介します。

ー第44回日本小児感染症学会緊急提言ー
コロナウイルスと重症急性呼吸器感染症:SARS出現から10年, そして新型コロナウイルスの出現と今後の課題

http://www.jspid.jp/journal/full/02502/025020185.pdf

 感染症の危機管理に際して政府に求められるものは迅速かつ的確な判断をし,その判断に基づいて国民に信頼される情報発信をすることである.そのためには専門家が,政府にきちんと助言できる体制が整備されている必要がある.しかし, 実際には 2009 年のパンデミックの際にも,専門家の意見を無視した意思決定が繰り返されていた.このような高度な専門的知識・経験を必要とする危機管理では,「政治主導」は危険であることは,東日本大震災後の原発事故への対応をみても明らかである.(本文より)

 

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