【遊戯王MD】カジュアルデッキ構築失敗録 [4軸アライン]
カードゲームの構築記事というものはうまく行ったデッキを記録したり周知させるために書くものだが、逆に失敗した構築を書いてもおもろいんじゃないか。
というわけで今回は遊戯王のカジュアルデッキ構築に失敗した例をあげ、原因の分析を行うという自分しか得しない記事を書こうと思う。
私のデッキ構築理念については以下の記事を参考にしてください。
議題のデッキ
さて、今回まな板に上げるのはこれだ。だいたい一年ぐらい前に作った形になる。
ランク4を基本としたデッキだが、そもそものコンセプトとしては「メレオロジックアグリゲーターを使いたい」から来ている。
メレオロジックアグリゲーターはランク9エクシーズで、EXから好きなカードを落とせる変な効果と、墓地と素材を入れ替えれる変な効果を持っている。
こいつを出す手段としてエクシーズアラインをピックした。アラインは指定モンスターと同種族しか出せなくなる代わりに、2体のレベルを好きに変動させるカードだ。
次はアラインをサーチする手段。こいつはエクシーズカードのため、アストラルホープでサーチできる。
アストラルホープ自体のサーチは3素材ダランベルシアンを立てることにした。
3素材ダランは墓地に3体の斬機と超階乗があれば可能で、この動きは確立されている。さらに斬機がサイバースなので種族的にも都合が良い。
また、斬機から超階乗の準備をする傍ら、御影志士を立てることで天獄の王に触れるので、ここからミメシスエレファントをセットできればアラインと組み合わせて色々なエクシーズ体を立てる事ができて楽しいんじゃないか。
さらに御影志士を立てる前にタリホーの動きを噛ませてチャンピオンサルガスを置いておくと、超階乗から出した斬機Xが即時素材を取り除くことに反応してバウンスが発生して今出した天獄をすぐさまハンドに戻せる。
完璧だァ……
上記の動きを初動として起こすと以下の通りになる
自分ながらに良い動きに思える。やや長いのは気になるが。
問題点
しかし思うようには行かなかった……。
まず初動の時点で回してて感じることが2つある。
①超階乗を妨害に使いたくなる
②サルガスを妨害に使いたくなる
気の持ちようじゃない? だがそうなる。なんか正規の動きをしてると舐めプしてるみたいで気分が悪くなってくる。何か理由があるのか?
①はダランベルシアンの代わりにラプラシアンを立てたくなるということ。
うおお……最強の除去だぁ……。
そしてその後ダイアが素材になったことにより1妨害発生する。強すぎる。
②はサルガスのバウンスor破壊の対象を相手のカードに指定したくなるということ。
それぞれを妨害にした時起こる不利益を考えてみる。
①はアストラルホープをサーチできなくなる
しかし、別に天獄でアライン直伏せしたらやりたい動きはできる。余剰の変な象から変なクモとか出る動きがなくなるだけだ。
②は天獄を再利用できなくなる。しかし次のターンの動きにはほぼ関係ないし、別に罠セットにループ性はないので2ターン目以降は都合よく罠引けないと天獄の発動ができない。
メリットが薄すぎる!!!!
直接妨害する場合に比べ勝利へ推進する力が弱すぎる選択肢だから選ぶのを渋ってただけじゃん。
そして妨害した場合エクシーズアラインを使うことはない。そのままゲームが終わるからだ。
もう既に厳しいが、このデッキの悩ましいところはそれだけではない。
もしアグリゲーターを出せたとしても出るのは3ターン目。この局面で出るこいつ、大して面白くないのだ……。
元も子もなさすぎるが、2ターン準備して出すカードがヌトスかガルーラ2回使うだけ。渋い……。
問題点の整理
このデッキの問題は主に2つ
【1】コンセプトに据えたモンスターの効果を生かしきれておらず、出しても面白くない。
【2】初動の中で優先度の低いアドバンテージか直接的な妨害か選ぶ場面がある
そして妨害をえらぶとカジュアルのラインを超える
割とカジュアルデッキがポシャる要因としてありそうなところだ。
一応解決策を探ってみることにする。
【1】は「アグリゲーターを2ターン準備して出すエースに据えるのが間違っていた」「アグリゲーターに埋め込む用の、墓地へ送られた際なにか起こるモンスターに触れない初動を選択してしまった」の2つだろう。
前者に関してだが、こいつは「素材にヌトスやその他墓地に送られた際何かが起こるカードを埋め込んでおき、相手にこの爆弾をどう解除するか迫る」受け身の使い方のほうがあっており、どちらかというと1ターン目に立てたいカード。
ライフ取りに行く段階で満を持して立てておもしろいデュエルが起こるカードとは思えない。
もし手番回ってから立てるにせよ、せめて後者が達成されていたらもうちょっと面白かったのだが……
このデッキだと、まだギミパペ新規来てからⅣ立ててRUMサーチとかしたほうが面白そうだな。
例えばワイトデッキにおいてアグリゲーターを初動で立て、墓地に落ちればワイトとしての動きを完遂できるベイキングをガルーラと一緒に仕込んでおくというのは良かった。
相手に処理されるだけでかなりのアドバンテージを稼げるし、生き残ればそれはそれでさらなるアドにつながるのでアグリゲーターを立てる意味を感じた。
その他に儀式デッキでアーデクを埋めておくなり、こいつをもっと活かせる構築はあるだろうが、少なくともこれではない。
【2】は難しいところだが、妨害を捨てて得るアドバンテージをもっとワクワクするものに変える他ない。
しかし3素材ダランでのサーチ先はともかく、セルフバウンスという基本的に消極的な選択肢が妨害より派手な動きにつながったり、これセルフバウンスしないと負ける!みたいな状況になることはあまり考えにくい。これがカジュアルでサルガスを使いにくい理由か。
神風でも貼ってるならまだしもだが、ここからそういう方向性に持っていくのはそれはそれで困難。
こういう問題は結構他の構築でも起こりがちで、最近は「フランベルジュドラゴンの効果で自分のカードを永続にするより相手の除去に使ったほうが良くない?」がかなりの確率で起こる。
自分のカード除外する用に入れてたビーステッドが気づいたら相手の墓地触ってるのも近しいか。
妨害よりも強い動きをやらなければならないというわけではない。というかそんなことしたらもっとゲームが速やかに終わるだろう。
その動きへの自分なりの納得というか、このほうがデュエルが楽しくなるに違いないという自信を持ってる状態でデッキを回すのが大事なんだろうな。
今回の場合は「まあ余剰出力だし、妨害に回してもええわな。」というフワフワした状態で完成させたのが良くなかった。
その結果カジュアル用でもガチ用でもない中途半端なデッキとなってしまった。
改修
問題を洗い出しただけでは意味がない。これをもとに改修していこう。
今回は中途半端にコンボを搭載したが、基本の動きの出力が高すぎて噛み合っていないことが問題だった。
しかしここから1ターン目を準備期間とみなすローテンポカジュアルにまでパワーを落とすのは非常に難しいので、いっそ割り切ってある程度Tier上位のデッキとも戦えるよう、ガチ寄りにチューンすることにする。
そして出来たものがこちら。
最低限の手札誘発+墓穴の8スロットを確保し、残り32枠にギミックを詰め込むことにした。
改修の意図は以下の3つ。
①サイバーダーク、幸魂、ZS、テュルパン等手数になる4は残し、止められたときの動きを確保。
②アーマードエクシーズを採用したことで、サルガス+FAダークナイト+超階乗の3(4)妨害と天獄の起動を両立させた。
また、無効を当てられて動きが小さくなったときでも妨害が確保しやすくなった。
③天獄からは直接アラインをサーチする。もしくは羽箒など。
アラインを起動後速やかに終わらせるために、アグリゲーターの枠をグスタフマックス+ジャガーノートリーベに変更した。
最低限コンボ要素を残しながら、ある程度誘発・無効合戦に耐えうる強度になった。
なんだかサルガスが生き生きとしている……むりやりカジュアル用構築に押し込めていた時はすごく息苦しそうだったのだが……何事にも適材適所があるということか。
増Gを入れていない理由だが、元カジュアルデッキあるあるとして素引きNGがやたら多いので、増Gで大量ドローしたとてその後の展開が弱体化する恐れがある。
増Gを引けないから負けるよりも、増Gを引いて使ったのに負けるほうがムカつくので、構築段階から入れないことでケアしている。
うららは増Gを弾かないといけないので最大枚数、泡は天獄を起動でき、天獄からセットできるので最大枚数としている。
ランクマ用にしては小技も結構多く、そこそこ気に入った構築に収まった。
総括
自分の作ったデッキがうまく回らなかったとき、特に深く考えず未来に託す(※)ことがかなり多いので、戒める意味も込めてこういった形の記事にした。
(※未来に託す : ニューロンにデッキレシピだけ残して、何ヶ月後かの自分が素晴らしい構築を考えてくれることを祈りながらマスターデュエルのデッキ欄から消すこと)
失敗は成功よりも学びがあるというのはある程度真で、失敗した理由を見つめることで新たなアイデアが浮かんでくることもある。
まあ何事も程度はあるし、すっぱり切り捨てたほうが良い風が吹く場合もあるが、たまにはこういう形の記事も続けていこうかな。疲れるから毎回はやりたくないけど。