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実写のなんかモンスターのやつの映画を見た

休日、すごしてますか?
僕もすごしました。実写版MONSTER HUNTERを見て。

人生の貴重な2時間と2000円を消費してまで見るような映画だったのかというと甚だ疑問ですが、
よくよく思い返してみるとそんなに悪くもなかった気がしてきたので記録しておく。

この映画においてネタバレを気にする人がいるのかは不明だが、バンバンネタバレしていくので注意。
みんな見に行ってから読もう!早く見に行けよ!俺も行ったんだから!!

 
あらすじ

作戦行動中に砂漠で消息を絶った偵察小隊。
その探索に当たっていたアルテミス(ミラ・ジョヴォヴィッチ)率いる特殊部隊は、突然、激しい砂嵐に飲み込まれてしまう。
砂嵐が去った後、彼らの眼前に現れたのは、未知なる世界の光景と…ありえないサイズの超巨大モンスター!!

近代兵器が通用しないモンスターの猛攻に、小隊は全滅寸前にまで追い込まれる。
絶体絶命の危機を救ったのは、見慣れぬ装備を身にまとい、巨大な剣を携えた一人の男(トニー・ジャー)。
彼はモンスターを狩るために戦う者=モンスターハンターであった。

もうこの時点でまともなモンスターハンター映画は望めないので、本気で期待して見に行くモンハンファンは存在しないと思うが、
自分もファンの一人として全く期待せず行った。

 

意外とあるぞ!モンスターハンター要素!


結論としては40%ぐらいはモンハンだった。
とりあえず良かったところを挙げていく!



まず推したいのは冒頭の撃龍船のシーン。
撃龍船とは大砂漠を泳ぐ生ける山脈、ジエン・モーランを狩るためハンターが乗る砂上船。
要は砂原を駆る戦艦だ。

ハンターくんの所属する調査団はどうやら撃龍船に乗って何らかの探索に向かっているところらしい。

そこにディアブロスが襲いかかってきてハンターは1人振り落とされてしまい……。
というところから今作が始まるのだが、この撃龍船の描写がマジで良い……
ワールド冒頭で新大陸に赴くオープニングのオマージュにもなっており、今作のモンハン要素の20%を占めている。
ほぼ冒頭しか使われなかったのが本当に残念でならない。

 

また、公式も大プッシュしてるモンスターのグラフィックはかなりよい。
ディアブロスやリオレウスの大暴れシーンはハリウッド映画の名に恥じぬド迫力っぷりで、モンスターとしての魅力に溢れている。
機関銃の掃射にも全くひるまず突進してくる黒ディアの恐ろしさよ……。
ディアブロスの突進に正面から対抗する愚かさはプレイヤー全員が知るところなので、かなり納得の描写だと思う。

原作モーションの扱いも小粋で、ディアの旋回尻尾攻撃に吹き飛ばされるハンターの図は猛烈な既視感を呼び起こされること間違いない。
股下を抜けるようにローリングできればいいんだけど位置が悪いとなんか引っかかっちゃうんだよな……。

まあディアとレウスに関してはそもそもワールドでのブラッシュアップデータの提供があったようなのでその点は楽できたかもしれないが、
監督猛プッシュのネルスキュラなどはダブルクロスの頃のデータしかなかったみたいだし、CG班はかなり頑張ったんだと思う。いっぱいいるしな。 

 

他にも回復薬の調合とか(謎の塗り薬になってはいたが)、肉焼きとか、ネコ飯とか、随所にモンハンを感じさせる諸々があり楽しい。
なぜ料理長のネコ飯を完全再現したんですか?

盗み飲みした料理長アイルーを大団長がたしなめるところは、おそらく元オトモだった関係性を示唆させる原作ファン用シーンですね。
この2人(1人と1匹?)を筆頭に調査団の面々はかなりいい。
ビジュアル的にも単なるコスプレになっておらず、ワールド世界観の雰囲気が出ている。特に受付嬢なんかゲームよりかわいいんじゃないか?

残念なのはマジで出番が少なすぎること。
アルテミスとハンターくんの異世界交流がメインなので、大団長以外の調査団はオムライスに乗ったパセリレベルの存在感しかない。
ここまでのビジュアル揃えられるなら普通に調査団メインで撮ってくれよ〜〜〜
もしかしてアルテミス……いらないんじゃ……?

 

フォローしておくと、ミラ・ジョヴォヴィッチの演技自体はよい。ハンター役のトニー・ジャーが本当にハンターレベルの身体能力を持ってるのも相まってアクションシーンが映える。トニーはなんかずっとニコニコしててかわいいし、主演の2人が良い時点でデビルマンではないんだよな。

 

モンスターハンターじゃないところの話

残りの60%の話をしていきます。長くなりすぎるのでささっと箇条書きで。

 

○ミラ・ジョヴォヴィッチのイメージビデオみたいなシーンが長い

ミラ・ジョヴォヴィッチが砂漠をひたすら歩いたり、三角座りでトラウマに肩を震わせるシーンが長い。
予算がなくてこんなことになっているのか、監督の趣味でこんなことになっているのかわからんけど後者だったらキレるぞ。

 

○殴り合いのシーンが長い

なんでモンスターハンターで人間同士の殴り合いがあるんですか?
辛くもネルスキュラの巣から逃げ出しすべてを失ったアルテミスに対し、敵か味方か測りかねているハンターがナイフを突きつけ拘束しようとする。
しかしアルテミスは強いので拘束を振りほどき殴り合いが始まる!
って感じなんだが、これいる???

一回戦が終わってアルテミスが狩場の拠点に連れてこられてから二回戦が始まったとき本当に絶望した。
人間と戦わずにモンスターと戦ってくれ。

 

○ネルスキュラのシーンが長い

どうしてネルスキュラがこんなにプッシュされてるか、に関しては「アメリカ人が好きだから」らしいし、
どうしてネルスキュラが大量にいるか、についても藤岡が良いって言ってるから良い……かな。

ただ長い……リオレウスよりネルスキュラのが長いことある?
あとネルスキュラでエイリアンをしたすぎるだろ……わざわざ人間に卵産み付けるのか……?
執拗なホラー演出もあり、どんどん雲行きが怪しくなっていく。
糸に巻かれて吊るされるアルテミスもこれ監督の趣味なんじゃないの?

 

○異常に大量の暴走するアプケロスの群れの只中でアルテミスと大団長が武器を振り回して演舞するシーンが長い

上記の通りです

 

○モンスターから生き物らしさを感じない

お前ポール・W・S・アンダーソンが撮るモンハンに生態なんか期待してたの??って言われると何も言い返せないが……ちょっとは期待するだろ、モンハンなんだから。

モンスターハンターはただのボス連戦ゲームにあらず、モンスター一匹一匹がその地に息づく生命体である。
というのはモンハン全体に脈絡と受け継がれる倫理であり、他ならぬワールドはこの点をメチャクチャに重視してた。

ので少しは期待してたんですが……ぶっちゃけただのボス連戦映画でしたね。
正直指摘するのも野暮だけど、個人のnoteだしもう言いたいこと全部言うよ。

 

・ネルスキュラ
そもそもこいつのエサはもっぱら飛竜のはず。中でもゲリョスが好物なのでゲリョスがよく生息している森っぽいところに住んでいる。はずなんだけど
なんであんな不毛の荒野で大繁殖してるんだ。
そんな来ないだろ、飛竜。
もしかしたらネルスキュラの巣と化してる地下空洞にフルフルが10万匹ぐらいいるのかもしれないが、作中描写だけであの大発生の説得力は無いです。

どう考えてもミラ・ジョヴォヴィッチを糸でぐるぐる巻きにするためのステージギミックでしかない。

 

・ディアブロス
こいつも餌がねぇんだわ、サボテンが一本もない不毛の大砂漠はさすがの暴君でも生きていけねぇよ。

しかもこいつはディアブロス亜種なので繁殖期のメス、余計に栄養価の高いサボテンの群生地に執着するはず。
なんでこんななんもないところをテリトリーにしてるんですか。
小石一つ落としただけで反応する過剰な防衛本能に対する説得力がね……。そんなもんない?はい

 

・リオレウス
こいつに至ってはもうボスとして設定されたボスなんだよな。
なんだ、塔の防衛機構って。イコールドラゴンウェポン?
完全に塔を守護するついでにあたりで大暴れしてる迷惑存在なのでもう生態とかじゃない。

あとリオレウスの弱点が「火を吐く前」って
「後」だろ
というどうでもいいツッコミどころもある。

 

・ゴアマガラ
完全にタワーディフェンスの2WAYE目。百竜夜行か?
塔がモンスターを召喚するな。
2分ぐらいしか映ってないので生態がどうとかはわかりませんが……。

まあでもアンインシュワルダとかライズのラスボスとか、周辺のモンスターに大きな影響を及ぼすクソデカ存在はモンハン頻出概念だから、
もし次回作でパルキアみたいなやつが出てきて2つの世界を繋げたりしてました。って言われたらなんか納得しちゃうかもな。

と思ったけどなんかラストに映ったの、黒ローブの男なんですよね……。
それはモンハンじゃねぇよ……人間がボスなのはモンハンじゃねぇ……。
もし赤衣の男的な怪しい依頼人オマージュの存在ならそれはモンハンなので拍手します。


まあどっちにしろ次回作とかないんですけどね

 

○すごい爆炎を発する大団長の斧
これはなんだ?モンハンだとかモンハンではないとかもうしょうもない議論に覚える。
一切変形しないスラッシュアックスを振り下ろすとチャージアックスの高出力斬りもかくやという爆発が起こり、アプケロスの群れをなぎ倒し、リオレウスを怯ませるほどの炎を放つ。
まあ、大団長だしいいか。

他にもすごい爆発する火薬を積載した矢をミサイルみたいに放つハンターとかいるけど、全体的に火薬量が多いです。爆破属性ってそういうこと?

 

○ハンターが寝る前に謎の儀式を行う
これは本当になんなんだよ、モンスターハンターやってきて一回も見たことがねぇよ。
言葉が通じないのも相まって本当にわからないシーンです。なんか家族が大事みたいな話らしいですが、そんなシャーマンみたいなハンター知らない。

 

○リオレウスが現実世界にやってきてカプコン製のヘリと戦車を爆破しまくるとこ

「面白いか面白くないかといえば面白いけど
モンハンかモンハンじゃないかといえばモンハンじゃない」
の極みみたいな映像。これが面白いと思えるならこの映画見てもいいと思います。

結局監督は怪獣映画が撮りたかっただけなんじゃないのか?
リオレウスがデカすぎることもあいまって絵面は非常に愉快です。

 

総評

楽しい怪獣映画、もしくは楽しいミラ・ジョヴォヴィッチの映画でした。
わざわざ劇場で見るよりは、アマプラの無料に入ってから友達数人を生贄にディスコードのボイチャでツッコミながら見たほうが楽しい映画かな。

リオレウスがメチャクチャに炎吐いて戦車爆砕するとことかおもしろいよ。

難点としては……結局なんにも解決してないとこですかね、なんにも解決してなくても笑って許せる人向けです!!
ちなみにワールドのコラボクエストも全然関係なかったです!!!

万が一次回作があるなら……もうこの映画の設定全部捨ててトニー・ジャーのハンターと調査団だけで一本お願いします。

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