「アルキメデスの大戦」を観てきました(ネタバレあります)

アルキメデスの大戦-1-1 少し前に映画「アルキメデスの大戦」を観てきました。天才数学者が戦争を回避するために巨大戦艦建造を阻止しようとする物語。戦争というテーマを扱いながらも、戦闘シーンは冒頭のみ。でもこれで全部、当時の日本の状況や考え方が把握でき、物語がミステリーとして立ち上がってきます。数値をめぐる机上の戦いはどんでん返しの連続で、始終ドキドキしっぱなしでした。天才数学者・櫂直(かい ただし)を演じるのは菅田将暉さん。美しかったです。登場人物がしぼられているためか、彼らに感情移入しやすく、みんな愛おしく感じられました。
アルキメデスの大戦3-1 この映画には二人の天才が登場します。立場を超えて、彼らには同じものが見えている。彼らにしか見えない世界。自分が相手にしなければいけない者の正体に気づいたとき、彼らは強烈な悲しみとむなしさを抱えたでしょう。時代に関わらず、天才が見る世界は「栄光」でも「安寧」でもなく、いつも「孤独」だ。この映画は、凡人の私にそれを見せてくれた。
おすすめアルキメデス-2 理系オタク推しの私、別の視点からもこの映画は面白かった(笑)自分の趣味の話のみで描いたのが↑の絵。櫂くんと彼の部下田中くんのバディが尊いのです…。田中くんを演じる柄本佑さんの表情が、櫂くんと関わるうちに変わってくるのがいいんですよ!海軍第二種洋装の白い軍服はとてもかっこいいんですが、当時は洗濯機もないし、汚れたら大変そうだなー。なんで白の服作ったんだろう。かっこよさ一択かな。
アルキメデス2-color 原作漫画は未読です。原作は連載中なので、映画は途中から原作とは別の展開になっているんじゃないかと。山崎監督作品を観るのはこれが初めて。監督の他の作品は知らないけど、エンタメ的展開でありながら物語に流れているのは一歩ひいた落ち着いた雰囲気で、いろんな思いを見た人が感じられる、とてもいい映画だと私は思います。「風立ちぬ」や「この世界の片隅に」と似た印象を受けました。NHKで放送された「この世界…」を見てからのこの映画。当時のトップエリートと市井の人々、二つの視点から「戦争と日本人」を考えることができた夏。

読んでくださってありがとうございます。何かを感じていただけましたなら幸いです。