自転しながら公転するを読んで

“羨ましくて羨ましくて、床に寝転んでだだをこねたいくらいだった”

あるYouTuberさんの本屋大賞予想ランキング動画での紹介を見て、気になって購入した「自転しながら公転する」からの一文。

全478ページと中々の長さで手に取った時は読むの時間かかるかな?と思ったのも束の間、読み始めたら続きが気になって止まらなくなり、主に通勤中の時間を使って1週間も経たずに読み切ってしまった。

20代後半〜30代の方で結婚されてない方、キャリアに迷いのある方、将来に迷いのある方にとっては、ぐさぐさくるんじゃないかと思う。

とっても正直に言うと、主人公の都を追って物語を読み進めるとかなり苛々する。苛々するのは、多分誰しもが心のどこかで思っていることを、都の素直な気持ちの中に、自分の一部を見つけてしまって苛々してしまうんだと思う。

苛々するんだけれども、似たような境遇にいる人にとって共感できる部分が沢山あるから、読みたくなっちゃうんだと思う。

タイトルから想像できるように都の思考はかなりぐるぐるしている。読んでいるうちに一緒に目が回りそうになる(ほんとに)。

初めて読んだ時、プロローグから本編に行くときに少し戸惑い、本編からエピローグでそういうことか…とびっくりくらいすっきりした。

その快感を再度味わいたくて、連続で2度読んだ。

苛々するし、焦ったくなるし、どうしたいの!と怒りたくなるけれども、自分の中にいる都と重ね合わせて、ひたすら分かるなあ…と思いながら読んだ。

私もわりかしぐるぐる考えがちな人間だけども、この本を読んで、ぐるぐる考えるのも悪くないのかな、と最終的には気持ちが救われた気がする。




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