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毎日小説

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ぼくが毎日書いている小説をまとめています。
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記事一覧

『僕の手は暖かいですか』

 君の手が冷たいのは、君の心が冷たいからなのだろうか。それとも、心を暖かくしたぶんだけ、…

『主義をもたない主義』

  猫と犬の違いがわからない。男と女の違いがわからない。動物と植物の違いがわからない。も…

『一体となって一貫性』

 木島は嫌われていた。筋が通っていないことをどうしても認めることができない木島は、軋轢を…

 『家系能力』

 気がついたのは7歳のときだった。友達とごっこ遊びをしているとき、彼を突き飛ばして怪我を…

青山は無職になった。

 青山は仕事をやめた。青山は仕事ができない。新卒採用されてこれまで3年と半年働いてきたが…

パイナップルを殴ってもびくともしないみたい。

 イライラのあまりわたしは目の前のパイナップルを全力で殴った。  ピンポーン。ああうるさ…

あなたもその程度の女なのね

「サイテー」  三谷正義はその言葉を聞き慣れている。どうしてかというと、彼は最低だから。正義という名前でありながら、複数人と付き合うというなんとも残念な人なのだけれど、本人は男しかいない飲み会ではよくこのことを鉄板ネタとして話す。三谷正義は最多で6人の彼女と同時に付き合っていたし、その間にセフレは少なくとも10人はいた。だから今日もまた彼は付き合っている相手に「サイテー」と言わせてしまった。一番最近の彼女である鈴木美海。彼女はまだ付き合いはじめてから一ヶ月と3日しか経っていな

夜空な君と、プラネタリウムな僕。

 明日になると彼らが付き合い始めてからちょうど3年たつ。3年もたつと記念日なんていちいち…

『死は生の中にしかありえないのだと言ってくれた』

 生田が体感として死が自分のもとにも訪れるんだということがわかったのは30歳のときだった。…

『小走りで』

「はぁ、これで何回目よ」  店長が呆れたように呟く。スタッフルームには店長と僕しかいない…

『夢』

 将来の夢。なりたい職業。小学校から高校までひたすらに未来のことを考えさせられてきた。そ…