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演奏所感#003 チェンバロ奏者ジャン・ロンドー

きっと誰しもが初めてその姿を目にした際には思わず二度見してしまうであろう、ファンキーな出で立ちのお兄ちゃん。
そんなロンドーは私のお気に入りの演奏家の一人で、Dynastieというバッハ父子のチェンバロ協奏曲集のLPは愛聴盤の1つです。
自分の中ではチェンバロ奏者はコープマン一択だったのですが、ロンドーの演奏を聴いた瞬間、ロンドー一択になってしまいました。

チェンバロという楽器から発せられる繊細で美しい響き儚く消えゆく残響の醸し出す優雅さは、日々の喧騒からの逃避にもってこい♪
そしてロンドーの場合はそこにプラスして圧倒的な情熱が加わる!

分析的に聴くと感じるジャズを思わせる音使いや揺らし方は斬新ですが、そこに一切の破綻の不安も無く、また倚音の入れ方も絶妙でドラマチック。
一見チェンバロという楽器のクールな個性と相入れなさそうなホットな感情が、ロンドーの感性で絶妙なバランスで調和されて、聴く者の眼前に情熱と哀愁が混在した不思議な世界観を創り出す。

rondeau(ロンド)なんて名前を授けられて生まれてきたのは伊達じゃない。

ちなみに私にとってチェンバロはオーディオの試金石の1つです。
一聴ではそれなりに鳴っているようだけど、よくよく耳を傾けると、まるでピアニストがチェンバロを弾いているように響きが感じられなかったり。
他の楽器に比して、セッティング1つでそんな差を顕著に感じ取る事が出来るという、オーディオにとっては非常に手強い楽器だと思います。
ロンドーのチェンバロが歌い上げる音楽を、もっともっと心地よく聴きたい!
そんな終わりない思いを胸に、日々オーディオライフを愉しんでいます。

なんだかロンドーの紹介から始まり、気が付くと取り留めのないnoteとなってしまいましたが、まだロンドーの演奏を聴かれたことのない方は、騙されたと思って是非一聴してみませんか♪

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