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九年と少し


記憶にあるのは幼少期。
今でも鮮明に覚えてるので書きたい所だが、店の評判を落としかねんので割愛。

バンド練だったか、部活帰りだったか、高校の友人に連れられてこの店に行ったのが初めてだったかな。
学生服でカウンターに並んだのは、私の母校の人間だけでは無かろう。


JR津田沼駅を降り、銀行や居酒屋を横目に歩くこと約5分。
御成街道脇にあるオレンジ色の看板。


「全部普通で、メンマ抜きでお願いします」


出てくるのは白い大きな器。
スープの表面のみならず器にも纏った背脂、山盛りの辛ねぎと少しだけ見える焼豚。

こってりらーめんを自称するだけあって凄まじい量の背脂なのだが、
他のラーメン屋で食べる背脂とは違って口当たりが非常に軽い。
二口目、三口目、次に口に運ぶ楽しさが少しずつ増えていくのだ。

ある一年を除き、ほぼ全てのシーズンで食べている辛ねぎ醤油らーめん。

私はここのらーめんが好きだ。

愛して止まない、そんな存在があるだけで人生は薔薇色だ。

まだ大して長くも生きては居ないが、このらーめん屋は私の人生の多くの場面で寄り添っている。


九年と少し、ずっと同じ味で。

どうやら私とこのらーめん屋の生まれ歳は一緒のようだ。

あっちは生まれた時から感動、栄光、英気…様々なものを多くの人間に授けてきた。

私も奮い立たねばならぬ。

お楽しみいただけましたら幸いです^^