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ゴルフスコアを管理するアプリ、スコアを向上させるアプリ ーその2ー

前回、ストロークゲインド(Stroke Gained=SG)の考え方と、その優れた点について書きました。今回はSGを自分のプレーにどのようにして取り込んでいくか、について書きます。

SGのいいところだけを前回紹介したが、もちろんSGにも限界はある。SGで計測する、打数への影響要因は、シンプルにショットを打った場所の種類とピンまでの距離だけ。2021年現在では、多分、傾斜や風、プレッシャーといった要素は見ていないと思われる。

ゴルフのショットに影響を与える要素は、それこそ無数にあるので、それらを全部拾うことは不可能だろうが、将来的には、SGはもっともっと高度化するかもしれない。

この簡素化により、例えば、SG記録上は同じ「ラフからの150yd」でも、ものすごい斜面のラフから打つのと、フェアウェイ際のラフからでは、スコアに与える影響は、本当は違うように思われるが、それはSGでは見えない。
さらに、プロと一般アマチュアでは、プレッシャーのかかる場面、例えば池越えのティーショット、に対するスコアの崩れやすさの度合いも当然異なるだろうが、それもSGでは計測できない。

SGは万能ではないが、従来のパット数やパーオン率といった指標よりも明確に、ある距離において自分のプレーが平均より上手か下手かを、教えてくれるものである。

ともあれ、SGがスコアを向上させるために役立つのなら、自分だって使いたいと思うのは自然の成り行きだろう。そんなゴルファーは世界中にいるので、当然スマホのアプリもたくさんある。その中で、私が現在使っているのはGolfmetricsというソフトである。

前回も少し書いたが、SGを活用する上での唯一にして最大の欠点は、記録をとるのが超面倒くさい、ということに尽きる。というのもまず、全てのショットについてピンまでの距離を記録する必要がある。同時に、ショットを打った場所の種類も記録する。フェアウェイやラフ、サンドやヘビーラフなどである。やってみると(みなくても)わかるが、これを全ショット、全パットで繰り返すのは大変な労力である。しかもそのアプリの操作性はかなり独特で、コース上でスマホを取り出して、などとやっていると確実にスロープレーになるので、全くおすすめできない。

色々ためしては見たものの、私の場合は、結局アナログな紙のメモと、耐候性顔料インク系のサインペンに落ち着いた。

最初のバージョンは、RHODIA社のA6サイズメモノートに、直接罫線を引く方式である。ロディア社のメモノートは昔から好きで、色々な場面で使っている。気に入っているポイントは、まず、オレンジ色の表紙が非常に丈夫で若干の耐水性があること。次に、サイズが手頃で、ズボンのポケットにも簡単に収まること。そして、中のメモ用紙は5mm方眼で、表形式の記録にはもってこいであることだ。
このバージョン1は、簡単に作れるのが良い点だが、とにかく罫線を引いたり見出しを書いたりするのに手間がかかる。準備時間がある時はいいが、遅くまで仕事で明日はラウンド、という時などは、かなり億劫だ。

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そこで、改良を加えたのが、下のバージョン2である。メモノートは同じだが、直接罫線を引く代わりに表計算ソフトで作ったテンプレートをのりで貼り付けてみた。この方式は、準備にかかる時間をかなり減らすことができる。しかしながら欠点としては、ノートの厚みが増してかさばり、ページがゴワゴワして開きにくくなってしまった。テンプレートを切り出す作業も結構失敗が多くてへこむ。

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その欠点を克服すべく、さらに改良を加えた最新バージョンが、このバージョン3。我ながら最高傑作。ロディアのメモノートは諦めて、note.comでもおなじみの、野口悠紀雄教授が考案され、私を含めて愛用者が多い「超整理手帳」のカバーを使うことにした。このカバーに、補強用の塩ビ板(プラバインダー表紙から切り取ったもの)を入れておく。あとはテンプレートを作成して、一枚の紙に6ホール分記載できるようにすれば、3枚で18ホールが記録できる。
超整理手帳はA4紙を屏風折りにして収納するように設計されているので、写真の通り、丁度よく収まる。テンプレートは印刷すればすぐに作れるので、きわめて簡単で、労力は最小限ですむ。弱点は、少しサイズ的に大きいので、お尻のポケットへ入れておくときには落としてしまわないよう、注意が必要な点である。

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こうして記録する準備が整ったところで、後ひとつ、できればふたつ必要なものがある。
ひとつ目は、レーザー距離計。SGはピンまでの距離を常に測定しなければならないので、これは必須アイテムとして持っておかないと話しが始まらない。もう一つ、できればもっておいた方が良いのはGPSナビである。

正直に言うと、私が記録しながらラウンドするとき、グリーン近くに来るまでは残り距離を腕時計型のGPSナビに頼っている。そしてピン位置に関わらず、グリーンセンターまでの距離を残り距離として記録している。

その方がなにより速いし楽だし、私の腕では、ショートゲームでなければ常にグリーンセンターを狙って打っているためでもある。特にトラブルショットを打ってしまった場面では、そのリカバリーに必死になる。林の中や池の縁、バンカーでの繰り返しショットのような局面で、いちいちレーザー距離計で測ってなどいられない。そんな時にもGPSナビは非常に役に立つ。

ラウンド中は、自分のボール地点に移動する間に歩きながら、もしくは他のプレーヤーが素振りをしている間に、素早く残り距離だけを書き付ける、こうした素早さはスマホでは無理で、やはり紙のメモが便利だ。ライは覚えておいてホール間の移動中にまとめて書く。自分の場合は、さらに使用したクラブと、とんでもないミスショットについても記録するので、これも同様である。

あまり神経質にならず、大体でいいや~くらいのゆるさがSGを続けるコツで、実際にやってみるとわかるが全ショットのデータを正確に記録するのは至難の業である。完璧を求めて途中で投げ出すくらいなら、多少の誤差は気にせず、出来る範囲で記録を取る。

こうして苦労して記録したメモは、私の宝物である。それをアプリに入力するのが、ラウンド後に楽しくてしかたがない。アプリのデータはどういうものがあるのか、それをどのように活用するのかは、次回、その3で書いていこうと思う。


 


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