見出し画像

Disney+ドラマ「Wandavision」まとめと考察

「これまでとは全く異なる」「サプライズに満ちた」「風変わりな」作品だとして、“まったく予想不可能”な作品となっている。「Wandavision」のポスターには、ヴィジョンの人間同様の姿と、ワンダ・マキシモフの平和な時間が切り取られている。どこか懐かしいアメリカの家庭を思わせるが、このポスターどこかがおかしい。

まず壁に見える2人の影に注目しよう。ヴィジョンマント姿と、原作に登場するスカーレット・ウィッチのスーツ姿のシルエットが確認できる。ワンダの現実改変能力が発動しているのであろう、赤い光をまとったテレビも気になる。テレビの光が当たっているそのシルエットは鮮やかな色味が映っているが、当たっていない箇所はグレーががっている。さらに歪んでいる様にも見える。左側の扉は湾曲して反っているし、右側に目をやると、部屋が全体的に上に捻られている様にも見える。

発表によると、本作は「理想的な郊外生活を送っていたワンダとヴィジョンが、何かがおかしいと思い始める」というストーリーで、「アメリカン・シットコムとマーベルのアクション映画が融合したような」作風になっているとのこと。アンディ氏も「この作品はまったく新しく、そして奇妙」と記しているのだ…。

これまでMCUを追いかけてきたファンにとって、ある意味で“最も気になる”作品だろう。

「D23 Expo 2019」の会場にて、本作を「マーベル史上、まぎれもなく最も奇妙な試み」と語ったベタニーは、ケヴィン・ファイギ社長から「ワンダヴィジョン」を提案された当時を振り返って、「これほど驚かされたことはなかった」と米MTV Newsにて明かした。

ポール・ベタニー
「僕もエリザベスも、ケヴィンからアイデアを聞いて、こんなに驚かされたことはなかったですよ。6時間の映画についてのアイデアを聞かされたわけですが、僕自身ではまったく想像しないだろうし、これまでにもまったく想像しなかった内容でしたね。ものすごくアバンギャルドで、奇妙で、メチャクチャなんですが、よく知られたところへとスムーズに移行していく。だけど始まりは本当に奇妙ですよ。」

注目しておきたいのは、ベタニーが「ワンダヴィジョン」を「6時間の映画」と形容していることだ。シットコムといえば1話完結のイメージが強いが、あくまで本作はテレビドラマならではのロングスパンを活かしたストーリーテリングが構想されているらしい。

"シットコム"と言えば、日本でも馴染みがある。アメリカで製作されたシチュエーション・コメディ「フルハウス」だ。妻を事故で亡くした男が、男友達に助けられながら子育てをしていく物語である。登場人物の状況で、現場の観客や後付けで笑い声が入る作品だ。ドリフの大爆笑やバカ殿様、ものまね王座決定戦なども、入るだろうか。ともかく、まったく新たな方向に突き進んでいく本作については、オルセンも「すごく楽しみですよ」と話した。ちなみにエリザベスの姉アシュレー・オルセン、メアリー=ケイト・オルセンは、フルハウスに出演している。

エリザベス・オルセン
「常にエイリアンの攻撃を受けるかもしれないとか、そういう世界のキャラクターなのに、まったく新しいジャンルをやれるわけです。(マーベルの)そんな世界にいながらにして、シットコムの世界へと変形して、その型にはまる。俳優としても、(ドラマならではの)時間的な長さは面白いですよね。大胆なドライブになると思いますが、それからご存知マーベルの世界に変形して戻ってきます。マッシュアップですね。」

オルセンがこう話すと、ベタニーは「変形じゃないかもしれませんよ」とポツリ。するとオルセンも「変形じゃないかもしれません」と口を覆う仕草を見せた。ベタニーによる謎のフォローを受けて、インタビュアーは「“変形”は秘密の言葉なんですね?」と笑っている。

ところで、本作にはいくつもの謎がある。アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018)で、額に埋め込まれたマインドストーンを奪い取られてしまったヴィジョンをいかにして再登場させるのかということだ。この疑問について、ベタニーは「答えは聞いてますけど、それは言えません」と応答。オルセンも「ドラマを見てもらえればわかりますから!」

「やることが非常に多いんですよ。大きな謎をどのように扱うのか、(MCUという)シリーズ全体からどうやって要素を切り出してくるのか。2時間半以上の時間をかけて描く、たくさんの謎があるわけです。どうやってエキサイティングにするか、面白くするか、魅力的にするかということを常に考えている。」

このたびソー(2011)、ソー/ダーク・ワールド(2013)でジェーン・フォスターやエリック・セルヴィグ博士と活動したダーシー・ルイス、アントマン&ワスプ(2018)で、スコット・ラングを監視したFBI捜査官ジミー・ウー、キャプテン・マーベル(2019)で、キャロルの親友マリアの娘、モニカ・ランボーの出演も発表となった。異なるシリーズのサブキャラクターではあるが、作品に欠かせない茶目っ気が集結する。ワンダやヴィジョンには全く関わりのないメンツだけに、どう関わるのかは全くの未知数。なお『ヴィジット』(2015)『バッド・ママ』(2016)のキャスリン・ハーンが「おせっかいな隣人役」で初登場する。

「ヴィジョンは人間ではなけれども、誰よりも人間らしいのかもしれません。そして、いつでも最も優れたことや賢明なことを言うし、世界について完璧に理解していますよね。一方、ワンダには多くのトラウマがあります。孤児であり、兄を失ったし、あらゆることを経験してきたんです。2人の組み合わせには非常に魅力を感じますね。ワンダヴィジョンは、2人の奇妙で異様な、だけど全くもって正しい愛情を描いています。2人の関係性や成長をご覧いただけますよ。」

Disney+のオリジナルドラマとして製作されるが、スカエファーは、「大作映画のよう」だと話している。「まったく小規模じゃないんです、ストリーミングだけど大スクリーンですよ。映画と同じ壮大さ、同じ視野、同じ可能性、同じリソース。まるでコミックを連載しているみたいだとも言ってます、すごく楽しいですね」。

「Wandavision」のタイトルロゴについて、ケヴィン・ファイギは「変なロゴだなと思われたら、鑑賞をお楽しみに。これまでとは全く異なる作品です」と自信。エリザベス・オルセンも本作を「風変わり」と形容し、「たくさんのサプライズがあって、ついにワンダ・マキシモフこそスカーレット・ウィッチなのだと理解できるんです」と語った。実はMCUの劇中において、これまで「スカーレット・ウィッチ」と呼称されたことはなかったのだ。

ドクター・ストレンジ続編「ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス」に直結する事も明らかになっている為、見逃せない。

「ロキ」はアベンジャーズ/エンドゲーム(2019)以降を舞台に、“悪戯の神”ロキが「人類史のあちこちに突如出没し、歴史的事件に思わぬ影響を与えていく」物語。シリーズは全6話構成で、ヒドルストンいわく「かつてない形で」ロキが描かれ、恐るべき強敵も登場するとのこと。さらに、アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018)冒頭シーンの謎も解明されるという。

なお2019年夏、MCUの「フェイズ4」ラインナップが発表された際、タイムラインには「ワンダヴィジョン」、「ドクター・ストレンジ」、「ロキ」の順で作品が並んでいた。「ワンダヴィジョン」「ロキ」はともに2021年春の米国配信予定とされているが、タイムラインの順序通りに作品が発表されるなら、「ワンダヴィジョン」の内容が「ドクター・ストレンジ」繋がり、「ドクター・ストレンジ」の内容が「ロキ」に繋がることになる。ところで、2021年秋にはソー/ラブ&サンダーも控えているが、ロキからソーの兄弟パスも気になるところだが、WHAT IF...?とホークアイを挟んでいる事からも、影響を受けない流れになるのか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?