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ほぼ全てのtoB企業に当てはまる運用効率化のシステム構成

はじめに

私はシステム開発会社を経営しています。そこで他社との差別化としてできる限り最新情報を追うことにしています。ChatGPTが最も分かりやすい例ですが、体感では1ヶ月情報を得ないととても大きな生産性の差につながります。

海外製ツールをそれなりに追っている私が、知人の翻訳会社を経営している社長に業務をITで効率化したいが相談に乗って欲しいと機会があったので、構成を考えてみました。ただ、よくよく考えてみるとほぼ全てのtoB企業はこれに似た構成が適用できる、適用すべきと考えてシェアします。


構成図

まず結論ですが、上記のような構成です。

登場しているツールは以下です。

  1. プロジェクト管理ツール:Asana

  2. コミュニケーションツール:Slack

  3. ストレージツール:Dropbox

  4. 契約書締結ツール:DocuSign

  5. 会計ツール:Freee

  6. アンケートツール:GoogleForm

  7. データベースツール:Googleスプレッドシート

  8. その他:ChatGPT

  9. インテグレーションツール:Zapier

要するに上記種類のツールがあれば良いです。
そのため、プロジェクト管理ツールはAsanaではなくBacklogでも良いですし、コミュニケーションツールはチャットワークでも良いです。

具体的な運用フローの変化

これらの構成にするとどうなるでしょうか?
ケースごとに、どのようなフローになるか確認します。

新規クライアントとの契約締結時の流れ(太字部分のみ担当者が対応。太字以外は自動化)

  1. 自社の担当者が、クライアントにGoogle Formを送り必要情報を入力してもらう。

  2. クライアントがGoogle Formに会社名や担当者名、請求書送付するメールアドレスなどを入力

  3. GoogleFormの情報がGoogleシートに自動セットされ、その情報がDocuSignに適用されて秘密保持契約・基本契約・個別契約書のメールがクライアントに送られる。

  4. クライアントが全ての契約書にサインをすると、(翻訳会社なので)翻訳対象ドキュメントをアップロードするように依頼されたメールが送られる(Dropboxには招待済み)

  5. クライアントがドキュメントをDropboxにアップロードする。

  6. ChatGPTが自動で草案として翻訳して、新しいファイルを作成してDropboxに追加

  7. Asanaにプロジェクトとタスクが作成される。

  8. 自社の担当者が、適した個人事業主の翻訳者にAsanaのチケットを割り当てる。

  9. 翻訳者が作業を行い、Asanaのステータスをレビューに変えるとSlack通知がレビューする人に送られる。

  10. レビュー者はレビューをして、必要があればフィードバックする。

  11. 問題なければ自社の担当者がクライアントに納品報告をする。

もし、自分が経営者 兼 通訳レビュー者の場合は上記の運用の流れの太字だけを対応することになります。


月末の支払い(パートナーの個人事業主へ)

  1. GoogleシートとAsanaを連携して、Asanaのチケットの作業時間から各翻訳者が今月どれだけ稼動したかを自動セット

  2. 各翻訳者はDropboxに今月の請求書をアップロード

  3. 自社の担当者はGoogleシートと請求書の値を目視チェックして問題がないことを確認する。

  4. 問題がない場合は、GoogleシートをCSVダウンロードして楽天銀行の一括振り込みにアップロードして、一括振込をする。

    1. https://www.rakuten-bank.co.jp/business/transfer/lump-transfer.html


月末の支払い(クライアント企業へ)

  1. Googleシートからクライアントごとのプロジェクト金額を確認

  2. Freeeで請求書を作成

  3. メールで送る

  4. 入金消し込みはFreeeで行い、振込が行われていない場合はSlack通知


ツールインテグレーション機能を使おう

Zapierや、Asanaなど他のツールと連携できる機能があります。これらの連携機能を積極的に使う必要があります。

結局連携の設定をしていない場合、その連携を人が手動で行っているに過ぎません。また契約書を添付しますなどのメールは必要ですか?それらは自動メールで良いはずです。

そのように人ができるだけ介在しないようにします。一番良いのはツールに置き換えるよりも、運用を変えて作業そのものを無くしてしまうことです。どうしても無くせない契約書のメールを送るなどの作業を自動化します。

そのようにして、人は定型業務をやるべきではなく、常にイレギュラー業務に入るべきです。特に今回紹介したツールは全てノーコードでプログラマーでなくても使えます。


ChatGPTの進化をチェックしよう

特にChatGPTはほとんどのサービスと簡単に連携できます。ZapierやAsanaでもすぐに連携でき、これまでのルールベースのシステム開発を大きく変えようとしています。

定型業務とは、ルールが定義できると言い換えることができます。そのため、ルールをシステムに置き換えることができます。ただ、ChatGPTは完全なルールを作らなくても、良い感じのアウトプットを出してくれます。

そしてこの進化は非常に早いです。また再度になりますが連携が容易です。そのため、気軽に業務に組み込むことができます。

運用効率化によって信頼性を上げる

ある意味、運用を高度に効率化していることをクライアントに暗に伝えることで、提示した価格には直接費用が十分に乗っているのだなと安心感を与えることができます。

例えば、契約書の作成にあたりクライアントの住所を確認したり、どこにメールすればいいかを確認したり、このやりとりはプロジェクトを始めるにあたり必要なことですが、プロジェクト成果には貢献しません。つまりプロジェクトには関係ない間接費とも言えます。

今回は例として翻訳会社を出しました。翻訳会社であるなら、クライアントは翻訳をしている時間や優秀な翻訳者の採用コストに最もプロジェクト費用を使って欲しいものです。翻訳作業の周辺にある調整業務やチームビルディングなどには興味はありません。なぜなら周辺業務をしてもプロジェクト品質は上がらないからです。

この観点からクライアントに対して、このGoogleFormを入力してくださいと伝え、クライアントが入力したら自動返信で契約書が送られてきて、サインしたら自動返信で書類のアップロードや今後の流れ、Asanaへの招待などが自動で行われて… などをクライアントが体感すると、プロジェクト外のコストが少ないと感じ、プロジェクトの成果に期待が持ちやすくなるはずです。


また、今回は翻訳会社を例にしましたが、toB企業であればほとんどこの構成に当てはまるはずです。参考になれば幸いです。

また、上記すべて組み合わせで作っていますので、1週間あれば弊社で構築も可能です。相談あればお気軽に連絡してください。


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