ちょっと小話シリーズ4「着物業界も仕入れ値が上がり続けている」

久々です。
かな~り久々です。
コロナで各所ほとんど(一部の業界は除く)やられてしまって、もちろん、今回の件で倒産した着物屋さん(主に個人でやられていた方)もかなりありました。
まあ、「ました」と言ってはいますが、これからも倒産していくでしょう。
そんな状態の上に、最近は仕入れ値があがり続けているのが現状です。

まあ、もちろん、中古でよいなら安く探すことは可能ですが、それもそこまで大量には出ないし、出たとしても、昔のものは使えなかったり、使い勝手が悪かったなどあります。
和装小物なんかは顕著に上がっていってます。
もし、読んでる方で「私はそんなことないよ~」と思っている方は、お付き合いしている問屋がとても頑張っているということを忘れずに・・・。
(できるだけ安く出そうと頑張っているわけですね)。

と、久々なので、あまり深くつっこんだ話はしないつもりですが・・・。

しかし、値上がりしてます。
ただでさえ、この業界は新品が売れなくなっているので、その余波+コロナによる消費者の意識変化と不景気で、製造側が作らなくなってきています。
そうなると、在庫をパッと売り払うという行為もなくなるので、安いものが流通しないし、新品は値上がりしていくわけですね。

もちろん、それに運搬料の高騰や材料費の高騰などもあわさり、仕入れ値は増える一方です。

でも、このままだと、着物を着る人は特に懐に余裕がある人しか着なくなりますので、ますます衰退しますよね~。
というのも、安物買いだった方たちが離れていってるわけです。

安いからと着物を着ていた人たちの6割は「見栄」だったり人によく見られたいから着ていたという流れなんで、外に出られないなんてなったら、まず買わないし、一度そういう動きをやめたら次始めようとはなかなか思わないというわけです。
(6割というのはあくまで私個人の体感なのであしからず)。

この流れは、新品の商品の値上がりにつながります。
ただでさえ、着物業界は衰退しているのに、安物買いだろうがなんだろうが全体的な客の人数が減ると、和装小物は特に売り上げに直撃します。
和装小物だけは基本、新品を買うことが多いですから、ここに関してはあまり安物買い客とか関係ないわけですよ。
そして売れないということは、製造個数に直結し、製造個数は売り上げに直結します。
そうなると、材料費の高騰などと消費者の減少と板挟みになり、製造側は商品の値段を上げざるをえないわけです。

まあ、ここに「インバウンドで盛り返せる!」という人もいるかと思いますが、ここもちょっとイマイチなんですよ。

というのも、今、日本に観光に来ている中で多いのは「中国人」の方々なんですよ。
まあ中国に限らずなんですが、アジア圏内の方々はあまり着物に興味を示しません。
なので、そのあたりが増えても、あまり大きく売り上げに反映しないわけです。

それに、そういった旅行者などを対象としたものの大半は「レンタル」です。
基本的に一回貸しただけで着物や小物がボロボロになることはありませんから、新品を仕入れることもあまりないし、レンタルで着る場合には、あまり知識のある方はいないでしょうから、帯締めや帯あげなんかもリサイクルのきれいなものを仕入れればよいので、新品は売れません。

まあ、そんなこんなで、仕入れ値が高騰しているんですね。

で、こんな仕事をしているので、着物に関して相談されたりします。
「このぐらいのお値段で一式そろえたい」とかですね。
でもこの新品が値上がりしている世の中の上に、予算を先に言う方は予算額が低いので、まず難しいです。
そうなると、思いとしては新品を買っていただいてほしいところですが、値上がりしているので、簡単にはいきません。
そこで、あまりやりたくはありませんが、メルカリなどを駆使して相談を解決してあげます(笑)。

私はいろんなところに顔出しているので、仕入れ値などはある程度知っていますから、そこを基準にして、いろいろ見てあげてます(笑)。

とはいえ、昔は予算聞いたらその3倍の金額は出すな・・・って感じでしたが、今は気を付けないと予算額ギリギリになった場合「やっぱりやめときます」というパターンも結構あって、ただでさえ無料で相談に乗ってあげたのにドタン場でそうなるとは・・・って感じで、本当に日本は貧しくなってるんだなぁとか思ってしまいます。

とまあ、はっきり言って私個人のグチでした(笑)。
かなり久々で申し訳ありません。
コロナ騒動が起きてから、逆に忙しくなったんですよ・・・。

また、たまには書いていこうかなと思ってますのでそれでは・・・


着物の基礎知識を裏の話も含めて記事にしています。初歩の初歩から裏話まで。飾り内容無しの本音で書いています。よろしくお願いします。