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誰かとお酒が飲める幸せ

「もうね、なかなか近くに友達いないから、こうやってお酒飲めるのほんとに嬉しいの!」

大学時代の親しい仲間と一緒にお酒を飲むとき、私はこの言葉を必ず口にしている。

大学生だった頃は、飲み会や誰かとのごはんや宅飲みがたくさんあって、もちろん楽しかったのだけれど、こんな風にありがたみを感じたことはなかった。

社会人になり、日本全国に仲間が散り、新型コロナウイルス感染症が大流行して、人と会うこともままならなくなった。
友だちと飲みに行くことはおろか、職場の付き合いで飲み会に出ることさえもなくなった。

その間に私の人生も大きく変わり、仕事を辞めて結婚して見知らぬ土地に移り住んだ。去年1年間は、夫以外の知り合いはこの土地にいなかった。

ようやく人と会ってご飯を食べることができる世の中になり、遠くにいる友達にも会いに行けるようになり、誰かとお酒を共に飲むことも増えた。

そんな中で気づいたのは、私は「お酒が好き」なのではなく、「誰かとお酒を飲んで楽しい時間を過ごすのが好き」ということだ。

一人きりであおる缶チューハイはどこか寂しい。
でも、そこに親しい仲間がいるだけで、幸せな気分になる。
そんな幸せな気分を感じたくて、私はお酒を飲むのだ。

大学を卒業して何年経っても変わらずに会ってくれる友達がいること。
そんな友達と食卓を囲んで色んな話をすること。
それがどれほど特別で素敵なことなのか、今、身に染みて感じている。


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