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【映画】『屋根裏のラジャー』を観ました

ようこそ、イマジナリの世界へ。

昨日、アニメーション映画『屋根裏のラジャー』を観てきました。
結論から言うと、泣きました😭。
ところどころストーリー展開に気になることはあったものの、
泣けました。

※ネタバレ含みます。

『屋根裏のラジャー 3つのポイント』

1) 3か月と3週間と3日前

これはラジャーの生まれた日であり、
ラジャーを生み出したアマンダの父親の命日でもあります。

物語終盤で、アマンダのお母さん・リジーが屋根裏で、
いつも悩みの種にしていたアマンダの傘の裏側に、
アマンダの約束が書かれているのを見つけます。

アマンダとラジャーがいつも確認していた3つの約束。

「忘れないこと」「守ること」「泣かないこと」

アマンダとラジャーの約束

これには実はカッコが抜けていたことを知ります。

「(父親を)忘れないこと」
「(一人になった母親を)守ること」
「(辛い姿を見せないために)泣かないこと」

アマンダの傘に書かれた約束

これを知ったラジャーは、
自分の生まれた意味を知り、病院のアマンダの元へ向かいます。
ジンザンの生まれた意味が「その子を夜ずっと見張ってあげること」であり、その仕事を全うしていたように、
ラジャーはイマジナリとしての本当の自分の仕事をしに行くのでした。

2) 「忘れられるのと、奪われるのは違う」

イマジナリはその子にとってかけがえのない想像の存在です。
現実の世界からその子を守ってくれる存在です。
忘れられるとは、イマジナリがその子にとって重要ではなくなった状態。
つまり、その子が一人で現実の世界で生きていけるようになった状態です。
一方で奪われるとは、
イマジナリがその子にとってまだ重要にもかかわらず、引き離されてしまう状態。
イマジナリという想像力は、
現実の世界で子どもたちが生き始められるまでの補助輪のようなものだから、
大人は意図的に奪ってはいけないということだと思います。
イマジナリもちゃんと理解しているように、
時がくればちゃんと忘れられて、子供たちはイマジナリから卒業するのです。
でもその時が来るまで大人は見守らないといけないのです。

3) Mr.バンティングの役割

おそらく小さい子が観れば確実にトラウマになるMr.バンティング笑。
絵に描いたような悪役でしたね。
そしてラストでは、ちゃんと退治されるのかな、と心配しながら見ていました。
ちゃんと退治されました笑

さて、彼のこの作品の中での本当の役割はなんだったのか。

改めて、イマジナリとは、ラジャーやエミリ、小雪ちゃんなど
世界の誰にも、その姿は見えない想像の友だちのことでしたね。
みんなで仕事をして、手柄を上げて、夕方みんなで一緒に帰る。
あのシーンはすごく良いなと思いました。青春だな〜って。

でも、誰にも見えない。
誰にも見えない戦い」を彼らは命をかけてしている。
これって、現実を生きる人たちのことじゃないか、と気づきました。
Mr.バンティングは言いました。
想像が勝てないものがある。現実だよ。」と。
そうなんです。
この作品は、現実と想像を対比して想像の側で描いていますが、
実は現実を描いているところが面白いのです。

イマジナリの最も重要な設定は
人間に忘れられると、消えていくこと」です。
これは人間にも当てはまります。
だから共感が生まれるのです。
だからイマジナリに感情移入できるのです。

彼はイマジナリではない。作る側、つまり人間。
ただ、活きの良いイマジナリを食べることで生き続けていると。
これはどういうことか。
イマジナリを食べなければ生きられない。
だからMr.バンティングはラジャーを食べることに躍起になっていた。
なぜなら、「やがては消えていく」運命だからです。
これはイマジナリの運命として設定されていますが、
Mr.バンティングをはじめとした人間みんなに当てはまる運命だからです。

それは終わりのみに注目した場合ですが、
始まりについて注目しても人間とイマジナリは共通しています。
骨っこガリガリを思い出してください。
本当の友達になったときも、
骨っこの意思とは関係なくヒーローとして生まれました。
人間も生まれる時は場所や本当の友達(=親)を選べません。
そういうところが共通しているように感じました。

おまけ) 自利利他

みなさんは”自利利他”という言葉をご存知でしょうか。
超噛み砕いて言うと、
「誰かの幸せが、自分の幸せになる」
という意味です。
この作品には、
その自利利他の気持ちが色々なところに
組み込まれていたのではないでしょうか。

一貫してイマジナリは友達のことをいつまでも思っていて、
その友達が幸せになることを願っている。
ラジャーはアマンダのことを。
冷蔵庫はリジーのことを。
いつまでも。
これは友達が想像してくれたおかげでイマジナリの存在があるから、
当然の気持ちかも知れません。
でも、骨っこガリガリが本当の友達になれた時はどうでしょうか。
ラジャーもエミリも小雪ちゃんもみんな喜びました。
自分のことのように。

あなたは誰かの成功を心から喜べますか。
なんか無くしかけている気持ちを思い出させてくれるシーンでした😢。

総じて、ラジャーという主人公が、新しい場所で新しい人たちと出会って、
その先で自分の生きる意味を見出していく。
そんなハートフルな作品だったと思いました🩷!

いかがでしたでしょうか。
今日は久々にアニメ映画を観て感じたことを書きました。
このnoteでは毎日僕の考えを発信しています。
また明日も読みにきてくださいね^^


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