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【頑張れ三木谷社長!】楽天モバイルの今後は?①

今日は、今後の日本経済を支える1社になる可能性のある楽天についての解説です。

熱血な三木谷社長、楽天モバイル事業や、わたし自身長年ネットショップの楽天ユーザーで株も保有中であったりと、楽天には応援したくなる魅力が詰まっているので、長くなりますが記事にしてまとめてみようと思いました。

今回参考にした動画はこちら↓



楽天の現状

1,決算で注目すべき3つのセグメント

楽天のHP内にある決算で特に注目したいセグメントとは、

・インターネットサービスセグメント
・フィンテックセグメント
・モバイルセグメント

の3つ。

簡単に言うと、インターネットは楽天市場、フィンテックが楽天銀行とか楽天証券、モバイルは楽天モバイル。

この中で、楽天モバイルは、他のインターネット、フィンテックの利益を帳消しするくらい足を引っ張る、マイナスの業績なのである。

ですので、楽天がこれからどうなるのかは、この楽天モバイルが将来、黒字化するのかどうかにかかっているのです。

2,楽天の課題

楽天グループの課題として、1兆円の資金を作る課題があるのだ。これはどういうことかというと、

グループ子会社を含め2024年に4182億、2025年に4300億の社債が償還期限を迎えるからです。

これに加え、楽天モバイルは1年に1000~2000億の赤字が生まれるのです。

これを解消する手段として次の手段があげられます。

①子会社の上場、売却で資金を生み出す

例えば楽天銀行は2022年に上場。上場するという事は、株式の一部を売る事になるので、これでお金を作ることが出来ます。

②社債の借り換え

楽天はほぼ毎年社債を発行しています。これを利用するのです。
どういうことかというと、過去に発行した社債の償還資金を調達するために、新しく発行する債券の事。

ただこれには問題があり、条件が悪くなっているのです。
例えば、1年前に450奥の社債を発行してて、これは期間でいうと15年で利率は1.5%。
一方で、楽天の社債は期間がたった2年で利率は3.3倍と、短期間、高利率になっているのです。

条件が悪化した原因として、日本格付け研究所という、企業の格付けをする機関が関係します。

楽天はシングルAで、まだまだ信用度はあり、条件は悪いものの、社債が発行されれば買いたがる人がいて、海外では人気なのです。

③買収

みずほ銀行とかKDDIが、楽天を買収するという噂もあります。楽天は、KDDIやauと業務提携して、我々の身近で利用されているのです。

それは、楽天の携帯が繋がりやすくなった事。

以前の楽天モバイルは繋がりにくく、これは、日本全国どこでも繋がる”プラチナバンド”という電波帯が振り当てられていなかったのが原因。

一方でauはこれを持っているので、その電波帯を借りる事で、繋がりやすさを上げていました。

楽天とauは、ローミング提供という業務提供をしており、これが2026年9月30日までの契約となっています。ですので、もし買収するとなればこのタイミングになる可能性が高いのです。

ただ、前倒しになる可能性もあり、2026年以降を考えたとき、自分たちでインフラを整備するのが必須になるから先にやろうという考えもあります。

前倒しが進めば、2024年にもプラチナバンドの活用が考えられますが、楽天モバイルの経営状況を見れば、いきなり全国で活用とはいかないと思われます。

楽天モバイルの黒字化にむけて

三木谷社長が一番進めたいのが楽天モバイルの黒字化。決算書からそれが可能かどうか読み解いてみましょう。

1,楽天モバイルの赤字はどの程度?

まず、決算で見たい指標が以下の2つ。

①MNO契約者によるグループ利益押上額

決算では、”MNO契約者によるグループ利益押上額”という指標があります。
これは、楽天モバイルの利用者は楽天市場や楽天カードを積極的に利用する傾向があるので、それが直近の決算で100億円くらいの経済効果があるという事。

②楽天モバイル株式会社の顧客獲得費用向上額

これはCMのようなマーケティング費用の事。

③固定資産税を除くEBITDA

これは、楽天モバイルの先行投資で抱えている固定資産への固定資産税

この2つの費用を引いた場合、赤字額は第一四半期だけだと40億くらいだから全然大丈夫だそうです。

とはいえこれでは普通では黒字とは認められないので、まずは楽天モバイルの売り上げの計算式を見ていきましょう。

2,楽天モバイル売り上げの計算式

ARPU x ユーザー数 = 売り上げ 

これが楽天モバイルの売り上げの計算式で、黒字化というのは売り上げが費用を超えている場合。現時点での費用は月次200億円。

つまり、200億円を超える事が出来れば黒字出来たという事。それにはARPUとユーザー数が関係します。

ARPUとは顧客の単価の事。マクドナルドで一人何円使うかというようなもの。

ARPUの平均は4000円で、楽天の場合は2000円で低いのですが、安さが売りの楽天でそれを上げるのは厳しい。ですので、ユーザー数の増加が楽天性腸の鍵で、ARPUを2000円とした場合、ユーザー数は1000万人いればいいという事。

ちなみに現在は650万人くらい。もちろんこれはこれまで長期期間で積み上げた数字で、1000万人ユーザーは1年以内に達するのは不可能。

3,楽天モバイルの家族割導入

一方、ARPUを下げる方法もあり、楽天モバイルは2024年2月21日から”最強家族プログラム”を開始すると発表。

グループの代表者と同じ苗字のユーザーなら20回戦まで月額110円の割引を受けられるというもの。

本来は、ARPUを下げる予定は無かった三木谷社長ですが、顧客から、

「自分だけ楽天モバイルにしても、家族は、家族割が無いなら買い換えないと言っている」といった声が入ったこともあり、

「楽天モバイルが家族割引を検討中」という記事が出回ってから世間では反響があり、家族割を導入せざるを得なくなったのです。

これではARPUを下げなくてはいけませんが、一方で、音声かけ放題といったオプションで、ARPUを上げていく方法もあります。

ですが、安さが売りの楽天モバイル、そもそも音声通話アプリの「Rakuten Link」で国内通話を無料で提供している以上、留守番電話なんかもプラン料金に含まれ、ARPUを上げるのはなかなか難しいのです。

実際、2月14日の記者会見の質疑応答で、

「楽天モバイルは他社よりオプションが少ないが、どうやってARPUをあげるのか?」

という質問に対し、

「いくつか検討しており、今後楽天らしいオプションを出していきたい」

と言いつつも、具体的な事は何一つ言っていなかったそうです。

ですが、あえてオプションを上げるなら、2月6日に日本展開が本格化したオンラインストレージサービス「楽天ドライブ」があります。

4,今後考えられるオプション

楽天ドライブとは、楽天IDがあれば、1GBを無料で使えて、更にメールアドレス認証みたいなミッションをこなすお、最終的に最大10GBが追加費用無しで利用できるのです。

楽天ドライブが他のクラウドストレージサービスと違うのが、ウェブ版のMicrosoft365が使える事。

クラウドに保存したWordやExcelファイルをブラウザ上で編集・共有できるのは、Microsoft本家を除けばかなりお得です。

ただ、サービス提供はRakuten Symphony Koreaなので、データが国内にあるとは限らないのが少し懸念点。

とはいえ、大きなファイルを楽天ドライブに入れてPCをスッキリさせるのはメリットが大きいので、もっと使いたい人は、10GBを更に超えるべく、月額800円のプランに入れば1TBまで利用可能になります。

将来的に楽天モバイルユーザーが楽天ドライブをオプションとして契約する事で、容量がさらに増えるようなサービスがあれば、もっとたくさんの人がオプションとして月額800円を支払うのではと予想されます。

楽天モバイルの基本料金が3GBまでが1078円、20GBまでだと2178円なので、その中で800円増えるのは大きいですね。

更に、クラウドストレージサービスをスマホのテザリング経由で使ってくれれば、消費するデータ量も増え、さらにARPUを上げれると期待できます。

楽天モバイルが黒字化するには、ユーザーが欲しいと思えて他社にはないオプションをなるべく早く提供したいところ。

だからこそ、こういう試みはやる価値があるし、もし上手くいけば状況は一変する事になりますね。

では、長くなってきたので今日はここまで。

次回は、楽天モバイルの歴史と、なぜ今、大赤字なのかについてより詳しく解説していきます。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました★

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