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【これで勝率アップ!】市場の動きを読む出来高・価格分析⑤

今日はこのシリーズ最後の記事です!
これまでは、VPA(出来高・価格分析)の、出来高、ローソク足、チャート使った分析方法を紹介しました。

前回の記事はこちら↓

今回は、これらを組み合わせた実践テクニックを紹介します。

今回参考にした動画はこちら↓



ブレイクアウト後の値動き分析

1,支持線と抵抗線、ブレイクアウトを見極める用法

マーケットメーカーの動きの中で、保ち合い局面が2つあります。

1,マーケットメーカーが下落させた後の買い集めの持ち合い局面
2,上昇した後の売り抜けの持ち合い局面

ここでは、保ち合い局面に入るタイミングと出るタイミングの分析手法について紹介します。

では、なぜこれらの保有局面を知る必要があるかというと、理由は2つ

1,保有局面が、トレンドの転換を決める重要な節目だから。

当然ならが、利益を最大化させるためには、トレンドが始まるブレイクアウトのタイミングで入り、持ち合い局面の入り口で出るのが一番良いのです。

そのためには、この保ち合い局面に入る場面、出る場面を見極めれば、利益を最大化させれます。

逆もしかりで、損失を最小化させるには、売り抜けの持ち合い局面でしっかり売りきる事が大切。

理由の2つめは、
2、保ち合い局面がチャートの70%を占めるから。

持ち合い局面は株価が横ばいで、利益がなかなか取れません。ですので資金を最も有効に使うためには、トレンドがあるタイミングで資金を入れるのが最も効率が良いのです。

ですので、この保ち合い局面を見極める事が出来れば、トレンドのうま味だけを取って、資金効率を最大化させることが出来るのです。

では、持ち合い局面とは、どういうものかというと、


①株価が上昇したタイミングで、逃してはならないという貪欲な感情が湧いて、買いを入れる

②株価が上昇から反転して下落していくと、投資家は、もしかしたら損失が出るかもという恐怖におびえながら下落していきます。

③先ほどの上昇で買えなかったトレーダーが、これはチャンスと、貪欲な感情が湧いて、買いを入れます。

④ここで株価が上昇してくるので、1個前に買ったトレーダーの損失が無くなってくるので、”今のうちに売らなきゃもっと損失が膨らむ”と恐怖の感情で売りを入れます。

⑤そうなると、買い圧力よりも売り圧力が勝り、もう一度下落します。2回目に入ったトレーダーが損失を抱えます。

⑥また新たなトレーダーが”ここが安値だから今しか入るタイミングが無い”といった貪欲な感情で買いを入れます。

この連鎖が続いて、株価が一定の範囲内で上下していくのが持ち合い局面です。

一般的に、このときの安値の株価水準を支持線、株価が押し戻される高値の水準を抵抗線と言います。

この理論を紹介する本では、この抵抗線で買って、支持線で売るといった弱いポジションをつかまされるトレーダーは、感情でトレードしているトレーダーであり、目指すべきは、抵抗線と支持線を分析できる強いトレーダーであると言っています。

まず、支持線と抵抗線を見極める分析の中の、3つの原則を紹介します。

①抵抗線と支持線は、絶対的な水準ではない。ブレイクした後、再び戻る事もあり、信用しすぎてはいけない

②持ち合いの時間が長いほど、ブレイクした後のトレンドは強く、長続きしやすい。

③持ち合いはリアルタイムでは分からないので、いかに早く察知するかが重要

強いトレーダーになるには、この③のいかに早く察知するかが特に重要です。

ては、具体的な分析手法を紹介します。

①上昇局面の持ち合い入り口(上昇トレンド中)

分析の要点は以下の通り
・上昇トレンドの途中でピボットハイが発生し、株価が押す(現時点では持ち合い局面化は不明)
・その後、ピボットローが発生。支持線、抵抗線が引ける。

ピボットハイというのは、戻りの陰線の高値が、両側の高値よりも高い事。ピボットローというのは、反発の陽線の安値が、両側の安値よりも高い事。

・支持線、抵抗線で同時に発生=保ち合い局面と推定

こういったトレンドが出た場合、持ち合い局面の支持線、抵抗線になります。ピボットローで反発した後の高値が、前回のピボットハイの水準でまた反発したら、新しい保ち合い局面に入ったという事です。

ですので、例えば、上昇局面に乗って買いポジションを大きく持っている場合には、株価の反転を警戒して少しづつ売るというような見当が必要です。

②下落局面の保ち合い入り口



・下落トレンドの途中でピボットローが発生し、株価が戻る(現時点では保ち合い局面かどうかは不明)
・ピボットハイが発生。支持線、抵抗線が引ける。
・支持線、抵抗線で同時に発生=保ち合い局面と推定

こちらは先ほどの逆パターンですね。

③上昇のブレイクアウト

1,出来高の急増に伴って、保ち合い局面の高値を上にブレイクアウトする。
2,株価が何度か押すが、出来高は減少する。(売り圧力減)
3,出来高が増加しながら反発(売りをこなす)

仮に2で出来高が減少しなければ、上昇の試しが失敗したとみなされ、株価がもう一度保ち合い局面に戻る可能性があります。

3では、最後の買い(保ち合い局面で売り切れなかった売りの吸収)や、短期トレーダーの利益確定の売りをこなしている状態。これが過ぎると、残りは長期トレーダーのみが残っていくので、売り圧力は減少し、株価は上昇していき、マーケットメーカーの思惑通りとなります。

このサインが出たら、この後もトレンドが続く可能性が高くなります。

④下落のブレイクアウト

上の上昇の反転パターンなので、出来高と値動きの関係は基本的に同じになります。

1,出来高の急増に伴って、保ち合い局面の安値を下にブレイクアウトする。
2,株価が反発するが、出来高は減少。(買い圧力が減る)
3,出来高が増加しながら押す(買いをこなす)


2,値動きの道筋”ダイナミックトレンド”

一般的な投資アドバイザーというのは、様々なチャートの中から素晴らしいトレンドラインが続いているような銘柄を我々に見せながら、”このようにトレンドラインが引けて、この間は持ち続け、トレンドが反転したら売ろう”

と言った、初心者でも分かるアドバイスをしてくるのですが、この本では、
意味の無い戯言だと言っています。

本質的には、リアルタイムにトレンドを見つける必要があり、その上で動的にトレンドをとらえる、というのがダイナミックトレンドです。

そのダイナミックトレンドのポイントは2つ。

1,いつトレンドが始まるのか
2,いつトレンドが終わるのか

これに対する答えは、

1,ブレイクアウトのVPA分析でわかる
2,ピボットハイとピボットローの発生でわかる

では、具体的な分析手法を紹介します。

上昇のダイナミックトレンドライン

これは、買い集めの保ち合い局面からブレイクアウトした値動きです。

1,ブレイクアウト後に最初のピボットハイが発生
2,ピボットローが発生
3,前回の高値よりも高いピボットハイが発生=この時点で上昇トレンドである証拠
4,1~3を繰り返し、抵抗線と支持線を引いてトレンドラインが分かる

またこの時の出来高は、押される部分で出来高が減少し、その後株価が上昇していくにつれて出来高が増加するのが、健全なダイナミックトレンドの特徴です。

3,”価格帯別出来高”を活用する方法

価格帯別出来高とは、一定の価格別に出来高を記録したもの。

どういうことかというと、例えば、ある製品の、価格と出来高をグラフにしました。
これから分かるのは、価格が安いほど、割安だと判断されて売り上げは多くなり、価格が高くなるにつれて、買い手が少なくなっていくのを表しています。

価格帯別出来高というのは、このグラフを90度に回転し、横軸に売り上げ(出来高)、縦軸に価格を持ってきたマップの事。


一般的に、出来高は、横軸は時間ですので、価格と出来高の関係性は無いわけです。ですがここに、価格と出来高を組み合わせたマップを表示する事で、初めてその関係性が明らかになります。

これにチャートを乗せると、価格と出来高、そして時間軸の3つのパラメータを3次元的に見る分析が可能になるのです。

ではこの価格帯別出来高の要点を紹介します。

①支持線と抵抗線を見極める事が出来る。
下のグラフでは、株価が上昇していきながら、この大きなボリュームのある価格帯別出来高のところで一時的に保ち合い局面に入り、その後株価が上昇しています。


これは、ここに参入している市場参加者が、”これは適正価格だ”と安定し、売りと買いが拮抗しているのが原因です。

②上昇トレンドに対しては抵抗線となる

それに加え、過去にこの株価水準まで上げ時に、それが高値の限界だと判定されて、もみ合った出来高がここに積みあがっているので、価格帯別出来高として表れており、これは上昇トレンドの抵抗線となっているという事です。

③下落トレンドに対しては、支持線となる。


こちらは、株価が下落している場面で、一度持ち合い状態になっています。
ここでの価格帯別出来高の表すものは、上昇局面で新しい市場参加者が入ってきたタイミング、あるいはその上昇局面でもみ合ったタイミングとなります。

ですので、この部部分で買ったトレーダーというのは、これより下がれば含み損、ここで買えなかったトレーダーにとっては、自分が買いたかった株価まで下落してきたわけですので、割安感を感じ、買ってくるわけです。つまり、ここで買いと売りが拮抗して、出来高が多くなるということになります。


今日はここまで!
このシリーズの記事はこれで終わりとなりますが、参考にした動画では、この分析手法を用いて日本株の分析も解説しているので、気になる方は是非見てみてください。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました★

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