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【市場改革について理解しよう!】PBR1倍割れはなぜダメなのか

投資の専門家の話を聞いていると、時々、PBRが低すぎるといった発言が聞こえてきますよね。

でも、PERが低いって、割安だから買い時なんじゃないの?共われる方も多いと思います。

今日は、そういった疑問を解消するために、日本企業の低PERがなぜ問題視されているのかについて、ざっくり分かりやすくまとめてみました。


今回参考にした動画はこちら↓

それでは早速本題に入っていきましょう!


東証の市場改革とは

数年前、「国内外の多様な投資家から高い支持を得られる魅力的な現物市場を提供する事」を目的として始まったのが東証の市場改革でした。

もともと東証の一部は、ニューヨーク証券取引所や、NASDAQと比べると、上場基準も上場廃止基準も低く、数が多いのに質が悪いと言われていました。

ですので、東証は、より上の市場に上場するには、「市場価値を上げるための努力はされているか」と、厳しく審査するようになり、

晴れて上場出来た企業には海外からちゃんとマネーが入り、より企業の成長、そして日本の経済成長に繋がるようにしました。

ちなみにNASDAQも同様、大型(GS)、中型(GM)、小型(CM)と呼ばれる階層構造になっていて、一番上のGSは世界で最も上場基準が厳しい市場というコンセプトです。

新市場への移行措置におけるポイント

ここで話はそれますが、市場改革における新市場への移行措置として、株式に関連する論点、2点を解説します。

①経過措置の期間が決まった
当面だったのが、25年3月末に決まった事。

この経過措置というのは、新市場の基準をクリアしていないが、基準クリアに向けての計画を出す事で今はとりあえずOKというもの。その期間が定まったという事です。

ここで注意すべき点は、プライムでだめだったらスタンダードに落ちるのではなく、上場廃止になるという事。

持っている銘柄が経過措置銘柄なら、25年3月末までに新基準をクリアできそうかはとても重要です。

②TOPIXの見直し
流通株式時価総額100億円未満の銘柄は、段階的ウェイト低減銘柄と判定され、2022年10月から、2025年1月末まで、四半期ごとにウェイトを減らされることになっています。小型の銘柄はきつくなってきます。

逆に、復活を狙う企業への投資はチャンスです。

低PBRとは

では、PBR1割割れの企業がどれくらいあるのかというと、

プライム市場で50%、スタンダード市場では64%もあります。

海外と比較すると、日本のTOPIXは43%。欧州は24%、アメリカのS&P50は5%です。

こう見ると、いかに日本にはPBR1倍割れの企業が多いかが分かります。

PBRが1割れだと、海外の投資家は、ダメ企業とみなしたりします。

ちなみに、PBRとは

株価÷1株当たりの純資産

純資産とは、株主のもの。つまり、企業が解散すれば、この資産は株主のものになります。

つまり、解散したら5万円貰える企業の株価が1万円なら、5万円が入った財布が1万円で売られているようなもの。つまり、割安だと判断できます。

この場合のPBRは、

1万円÷5万円=0.2倍

となります。

では、なぜ、PBRが1倍割れしていれば悪い企業とみなされるのかを説明していきます。

低PBR企業が悪い理由

PBR1倍割れというのは、資本コストと投資リターンを比べたときに、資本コストの方が大きい状態です。資本コストとは投資家の期待の事ですが、これを上回る投資リターンを出せていないという事。

本来なら、資本コストよりも投資リターンが高い状態でないと、企業価値の持続的な工場を達成できていないと見なされます。

要は、PBR1倍割れの企業は、投資収益が低いとみられているという事です。

日本企業の低成長の原因

ここまでの内容を簡単にまとめると、

日本企業が低成長である要因の一つに、収益性が低いという事があり、その理由として、PBRが1倍割れしている企業が、プライム市場の半分あるということ。

よく、PBRが低ければ割安だからチャンスという投資スタイルもありますが、日本の場合、PBRが1倍割れからずっと上がらない事が多いので、この投資スタイルはあまり機能しない事が多いです。

そこで、東証は、この状況をなんとかしようと、低PBRの企業の収益性改善に向けて動いているわけです。

PBRを上げるには?

PBRを表す式は、

PBR=ROExPER

でも算出されます。

PERを上げるには、投資家からの期待を上げるしかないので、企業がこの数値に取り組むのは難しい。

というわけで、ROEの上昇に取り組む必要があります。

ROEは更に、

売上高利益率x純資産回転率x財務レバレッジ

に分解できます。

売上高利益率と純資産回転率は上昇させるのに一般的に時間がかかるので、財務レバレッジを上昇させていきます。それには、株主資本の圧縮、すなわち、配当性向を上げるか、自社株を買って消却する、という企業が出てくるでしょう。つまり、株主還元を強化する企業です。

こういった企業を見極める方法があります。

株主資本の圧縮には、キャッシュが必要です。ですので、PBR1倍割れの企業の中で、BSやCF計算書の中で現金が多い企業は、株主還元の強化が期待できそうです。

とはいえ、PBR1倍割れの企業はプライム市場だけで922社、スタンダード市場と合わせると1856社もあります。

そこで覚えて欲しいのが、PBR1倍割れの企業は、外需系が多いという事。内需系はPBRが上がりやすく、外需系は下がりやすくなります。

何故かというと、例えば広告とかは、海外に土地を買って工場を立ててという大きな投資が要らない場合が多いです。そうなると利益率が上がりやすく、ROEが高まりやすくなります。ゆえに、PBRも上がりやすくなります。

外需系だと、大きめの投資を行う必要があり、PBRが下がりやすくなります。

足元では、アメリカの景気後退懸念もあり、外需系は業績モメンタムが悪化しそうな企業が多いです。ですので、企業分析する時は、コロナ明けの反動にも強く、不景気にも強いセクターを選んでいく必要がありそうです。

今日はPBRの説明だけにするつもりだったので、ここまでになりますが、そういった銘柄の情報はまた随時更新していきます!

今後も日本株の情報を少しでも広く取り入れたいからこのアカウントもチェックしとこ!と思ってくれた方は、また遊びに来てください★

読んでくださり、ありがとうございました。ではでは!

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