おわりに
私は百姓仕事が本当に好きです。
田んぼ仕事をしていると、鳥がたくさん飛んできて賑やかです。
8月には無数のトンボが田んぼの上を舞う。それはそれは本当に素晴らしい光景です。
そして、その田んぼで採れたお米はもの凄く美味しい。
こんなにも楽しい仕事なのに、百姓をする人が年々減っていくのが本当に不思議でなりません。
「いやいや、農業で喰っていくのが厳しいからだよ」と言われてしまえば反論できません。
実際、私も10年間、農業だけで生活して来たかと言われれば「はい」とは答えられないのが事実です。
どうやら、私みたいな百姓は、絶滅危惧種なのかもしれないですね。絶滅危惧種は絶滅しそうになって、はじめて、その存在が世に知られます。
そんな今だからこそ、いち百姓が筆を執り、一瞬の灯のあいだに伝えたいことを本にしようと決意しました。
絶滅したと言われている生物たちは、本当に絶滅したのでしょうか?人前に現れなくなっただけで、ひっそりと静かな場所で生きているのではないかと思うことがあります。
日本の百姓が将来そうなってしまうのは、あまりにも勿体ない。
山下 航
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