『ち・お』『お・は』を卒業した方へ
【oil(老いる)】に、背中を押された……
昨年10月シニアに向かう人達向けシリーズを刊行しました。
「向かう」という人は、40代くらいからを想定しました。
でも、「老い」をリアルにキャッチするのは、やはり還暦前後でしょうか。
脂が不足する体、脂がのりきった頃、とも言われます。ですから。
その名も「oil(老いる)」。
創刊号から半年、3月にシリーズ2も刊行。スローなペースです。
読んだ方たちからは、「背中を押された」という感想をいただきます。
これからの人生の方向を決めかねていたり、悩んでいた人の声です。
『ち・お』の創刊からしばらくして、「目からウロコが落ちた」という感想が続いていたことを思い出しました。
『ち・お』創刊から30年。読者のお子さんたちも30代に入ったでしょうか。
ここいらで、お母さんを卒業して、次なる道でまたご一緒できますように、
山田真さんも内科医として執筆いただきました。
ぜひ、シリーズ1と2、合わせてご一読ください。
86歳の母が「一気に読んで面白かった」と言い、40代の編集担当が「もっと、先を早く読みたい!」と言う【oil】です。 p松田
【oil(老いる)創刊のことば】
oil。
オイル、油、脂。
老いる、衰える、置いていかれる。
身体から脂が落ちていき、節々の痛みを感じる。
上がっていた腕や足が上がらない。
「年はとりたくないものだ」「加齢は恐怖だ」
病いや物忘れや死と隣りあわせ……
だけど。
ほんと? 「老いる」「高齢者」って、
さみしいだけの毎日ですか?
そんなことはない。
鏡に映らない自分は、
20歳のころとさして変わりない。
あと、どれくらい、この生命が続くのかはわからない。
残りの時間は限られている。それはみんないっしょ。
少しゆっくりと動くぶん、開けた空が見える。
人生にも人間関係にも経験を積んできたから、
余裕というものも多少ある。
上質の潤滑油を蓄えている、ともいえる。
ささっとできないぶん、社会の動きにも慌てずに
じっくりと考えることができる。
もう、社会のしがらみからも抜けていい。
思いきり、わがままに、自分らしく、素直になりたい。
ちいさく・よわく・おそくなったわが身に
可能性があること、自由に生きられることを信じて。
少しのお金と、「仲間」と呼べる人たちに囲まれれば
Oilは幸せ。
そういえる人たちと今日を生きたい。
2021年9月10日
まちづくり広場【Oil】編集代表 近山恵子
近山恵子[ちかやま・けいこ]profile
1949年生まれ。1990年より高齢者の住まいをプロデュースし全国展開。1999年一般社団法人「コミュニティネットワーク協会」副会長、2018年「那須まちづくり株式会社」代表就任。
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