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子育て本から、なぜ『Oil(老いる)』? 人生に、必ずと絶対はないけれど、高齢期は「必ず来る明日」だから。

都心の香害に参って、栃木県の那須まちづくり広場に来ました。あ、住まいはもっと森の中です。広場の2階に仕事場があります。

あれから、1年が経って、私はなぜ、こんなにも忙しい?? 

それは、那須まちづくり広場の近山恵子さんたちの、怪しい企てに巻き込まれているからです。

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この笑顔が怪しいというか、規模違いというか、やはり、どこか空想的というか究極の理想系というか。とにかく、激しい高齢期の人たちがうじゃうじゃいる那須まちづくり広場。

近山さんは、日本を代表するフェミニストのお一人・駒尺喜美さんの愛弟子であり、最も信頼され愛された人。筋金入りのフェミストで自由な人。

駒尺喜美https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A7%92%E5%B0%BA%E5%96%9C%E7%BE%8E

近山さんの経歴は、以下の記事に。少し前の記事ですが詳しいです。

https://project.nikkeibp.co.jp/atclppp/PPP/030700027/041700017/

那須に暮らし始めて、高齢期にはいった女性たちの姿やお話しをよく耳にするようになりました。自分自身もそのゲートをくぐったものの、当初は遠い世界のことのようでした。

でも、そこで語られるのは、『ち・お』や『お・は』で出会う「お母さん」のまぎれもなく、人生の先のこと。そして、家族、夫婦、仕事、友人達とのあれこれは地続きで、今日の出来事がやがて来る日々につながっているということ。そう心底思えるようになりました。

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そして、30年間、本作りを通じて子育ての風景を見てきて、親子の困り事の相談を耳にして思うのは、お母さんたちはどこで「わたし」を一番に考えるようになるのか、子どもからいつ身や心を放つのかということ。

近山さんたちは、「お母さん」の経験はありません。自分で、自分の暮らしの細々としたことから、大きな決断もしてきた「お一人様」です。高齢期の暮らしも、ががが〜っとお金も募って、血縁によらない家族「仲間」を集めて作りあげてしまうのです。

那須はがき近山2

「わたし」を軸に暮らすこと。近山さんたちを見ていると、「お母さん」たちの苦悩や焦燥や迷いや恐れへのカンフル剤になるなあと思うのです。

とくに、10歳も過ぎた子どもたちに、反抗されたり、寄りかかられることに重さを感じたら、そろそろ「おかあさん」から「わたし」へ軸を替え時かもしれません。本当は家族もそれを望んでいるのかもしれません。

子どもも、ダンナさんも、「わたし」を生きたいけれど、家族を束ねるお母さんを愛しているゆえに、自分をだせないのかもしれない。

血縁であってもなくても、縁あって出会った人たちが、ずっと笑いあえること、ときどき食事などできるとなおよいということ。困ったこと、緊急事態には助け合えること。子どもとも、将来そんなことがあればいい。

すごくシンプルなことを『ち・お』『お・は』世代に伝えていける、安心して大丈夫だよとメッセージを送ることができる本が、近山さんたちとできるかも、と思いました。

『Oil(老いる)』シリーズの巻頭言を以下に。

巻頭言

出産し、親になり、幼い子の育て方に迷っていた。

小学生になり一段落と思うまもなく、

教育は親子を揺さぶり、お金と時間が矢のように飛んでいった。

「親のよかれ」が子どもを傷つけたり、

運よく就職、結婚と進んだものの、

社会の荒波に疲労する姿を案じたり。

描いたようにいかないのが子育て。

「ちいさいよりおおきい」「おそいよりはやい」という価値観に

自由と幸福は生まれない。

それは身をもって実感したところがある。

そろそろ「卒親」。

「卒婚」という言葉も耳にする。

「老後の資金」「生活習慣病」「記憶障害」……

自分自身に訪れる人生初の出来事にたじろぐ。

これからの暮らしをどう考えるのか?

お金では、幸せは買えない。蓄えだけでは、老後の自由は買えない。

そう年老いた母がつぶやく。

人生後半の生き方に惑うとき、

【Oil(老いる)】は現実を見すえ、希望となって、寄り添っていく。

シリーズ2も、絶賛発売中です!


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