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まぶしいほどに青春でした(なぎさボーイ・多恵子ガール・北里マドンナを再読する)

ブックトークで知り合った方とひょんなことから氷室冴子著『多恵子ガール』の話で盛り上がり、「読書会しましょう」ということになった。多分お互いそれなりにほかの「これから読むつもりリスト」があり、そういう同志でもいなければ再読までには至らなかったと思う。感謝です。 三部作の第一作である『なぎさボーイ』の刊行は1984年。やぁ、当時は主人公たちとほぼ変わらない年齢だったんだな……(遠い目)。ざっくりといってしまうと、この三部作は中学一年生から高校生にかけての初恋の物語である。それが

    • 『緋色のマドモアゼル』は、曽祢まさこ版『春にして君を離れ』じゃないのか……

      今年初頭に、100分de萩尾望都を観てから、自分のなかで昭和懐古少女漫画ブームがきてしまった。24年組というよりも、それらに出会う以前の、主に小学生高学年くらいに読んでいた作品群だ。その時代のわたしは、もっぱら「なかよし」派で、当然『キャンディキャンディ』に引き寄せられて買っていた。当時掲載されていたもののなかで好きだったのは、高橋千鶴や志摩ようこ。しかし、群を抜いて印象に残っているのが、ホラー、ミステリー寄りの曽祢まさこの作品だ。双子の悲劇を描いた『わたしが死んだ夜』の衝撃

      • 「リスト」とタイトルの意味に震える…『果てしなき輝きの果てに』

        今月から、その月に読んだなかで、これは傑作!という本を選んで紹介していこうと思う。エッ、毎月続けられるんですか……と始める前から不安はあるものの、読書メーターや、Twitterに書きおくだけではちょっと物足りないなぁと思うことも多々あるので、ありあまる思いを表出する場を設けておくのもいいのかな、と。 ということで、2021年1月に読んだなかでのイチオシ本はリズ・ムーアの『果てしなき輝きの果てに』である。 舞台は、麻薬が蔓延するフィラデルフィア。そこで警官として働くミッキー

      まぶしいほどに青春でした(なぎさボーイ・多恵子ガール・北里マドンナを再読する)

      • 『緋色のマドモアゼル』は、曽祢まさこ版『春にして君を離れ』じゃないのか……

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