「っす」学
「っす」はもはや「です・ます」の代用ではない。
例えばこのセリフ、「ワクワクしてきたっす」の場合、「ワクワクしてきたです」とは言えない。
これは「っす」が他の丁寧語とは全く別の、独自の地位を築いている証拠である。
芹沢あさひの自由奔放な性格から推測するに、きっと彼女は元々だれに対してもタメ口で話していたのではないだろうか。
だとすると、彼女が年齢にかかわらず、基本的に人(女性)を「~ちゃん」と呼ぶのはその名残だろう。
「~ちゃん」という呼び方は一般的に同年齢かそれ以下の年齢の人間、それも特別親しい人に対してしか使わない。
だから、普通に考えて、「~ちゃん」とくだけた敬語である「っす」口調が併存することはあり得ない。
よって、かつては誰とでも小宮果穂と話すのと同じように話していたが、誰かに注意されて仕方なく「っす」口調に移行したが、「~ちゃん」という呼び方は奇跡的に注意されなかったので残っているではないだろうか。(ゲームのキャラクターの考察としては野暮かもしれないが)
又は注意されて「です・ます」口調に移行した後にくだけて「っす」口調に変わったとも考えられる。
彼女が文章では普通に「です・ます」を用いることからこちらの方が説得力があるかもしれない。
現実で「っす」口調で話す人間はそう少なくない。
TPOにもよるが、「っす」口調で話されたらイライラするという方はそこまでいないだろう。
また、「っす」口調は目上の人間に対して心を許しているということを伝えたり、自分の性格を大まかに表したりするという、独自の役割をもっている。
私は「っす」口調で話さないので推測になるが、さすがに「っす」口調で話す人に「です・ます」口調が(能力的に)話せない人はいないだろう。
それでも彼らが「っす」口調を用いるのは、その簡易さ(「です・ます」口調よりも単純で、とりあえず文章の最後に付ければよい)や、上で述べた独自の役割があるからであろう。
ここで芹沢あさひについて考えてみよう。
彼女は「っす」口調との親和性が高すぎる。
「です・ます」口調、「っす」口調、タメ口の三つから「選んでいる」という感じ(恣意性)を全くこちらに覚えさせない。
それはこの二人のホーム画面の会話からも感じ取れる。
もちろん彼女も「っす」口調で話しているという自覚が全く無いわけではないだろうが、「『すっす!』てやつー」と言われて「っす」口調のことだと気づかずに「そんなこと言わないっすよ?」と返すということは、ほぼ無意識なのだろう。
結局、この記事で伝えたかったことは一つだ。
それは、芹沢あさひの素晴らしさ。
彼女の自由奔放な性格、それを象徴するかのような「~ちゃん」呼び、「っす」口調、中学二年生という絶妙な年齢、これらすべてが完全に調和している。
コミュをメインコンテンツとし(とされ)、日常の細かい描写に秀で、アイドルの性格の根本的な部分のリアリティが評価されているシャニマスで、
見た目だけで判断すれば「っす」口調で話しそうな田中摩美々や三峰結華、和泉愛衣でなく、芹沢あさひが「っす」に選ばれたということは、
彼女こそが最も「っす」に相応しいという証拠だろう。
アイドルとして活動する中で、G.R.A.D等、様々なコミュで精神的な成長を見せた彼女であるが、(シャニマスがソシャゲであるということを一旦無視すると)いずれ「っす」口調をやめてしまうのではないか、という懸念がある。
精神的な成長といっても、別の観点では自由奔放な性格が傍若無人な性格であると見なされ、矯正されてしまったとも考えられる。
芹沢あさひがG.R.A.Dで学んだ、心を込めること、感謝すること。
これらは「人間として」大切なことであることは疑いようがないが、
「芹沢あさひらしさ」が損なわれてしまったような気もする。
彼女の成長の延長線上に「っす」口調の損失があると考えると、少し寂しくなってしまう。
もちろん、シャニマスがソシャゲである以上、実際にゲーム内でそうなるはずはないが、その可能性があることが悲しいのだ。
「っす」よ永遠に。
きっと、「っす」口調の印象がチャラいのがいけないんすよ
みんなが「すっす」って話すようになればいいんすよ!
みんなもっと「すっす」って話すっす!
この記事を最後まで見てくれてありがとうっす!
これからもよろしくっす!
※芹沢あさひは文章では「っす」とならず、「です・ます」を用いる
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