ない袖は振れない

若い頃はよく大人を馬鹿にしたものです。

お金を稼ぐため、愚痴を吐くのです。
良好な関係のため、笑顔を配るのです。
日々を後悔しないため、過去を語るのです。

ひと時でもあなたを生きたのですかと
嘲笑ったものです。

歳を取った私はこんな大人になっています。

お金を稼ぐため、愚痴を吐いています。
良好な関係のため、笑顔を配ります。
日々を後悔しないため、過去を語ります。

ひと時もわたしを生きていないことを
笑えないでいます。

このままではいけないのですね。

お金は使うために稼ぐことですね。
笑顔が溢れてしまうのが良い関係ですね。
今日を生きるから後悔するのですね。

ひと時をちゃんと生きることを
笑ってしまえるのですね。

こう考えることはできるでしょうか。

愚痴も吐いても、お金を稼ぎます。
笑顔を配ってでも、関係が大事です。
過去を語ってでも、後悔を避けるのです。

ひと時も生きなかったそれは
はたして、悲しいでしょうか。

こんな様なことを今、考えています。

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