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2023年観劇して良かった小劇場作品

なかなか足を運べなかったのですが

何本か所謂”小劇場”という場所で演劇を観ました。
これは私の悪い癖でどうしても”しっている劇場””しっているキャスト”で観劇を選んでしまう特徴があります。
だから小劇場作品を観劇する回数は毎年限られてしまうのですが、毎年観劇に行くと必ず”観て良かった”と思える作品ばかり。

こちらは昨年の作品ですが、新国立劇場小劇場で上演された
『ロビー・ヒーロー』。1回観に行く予定だったものの観劇してあまりにも面白くてもう一度チケットを買った作品。

小劇場作品は当日でもチケットが手に入りやすい

小劇場作品の良い点は、なんといっても有名人がアサインされてない場合はチケットが手に入りやすいのです。急に予定が空いた時なども前日までに座席選択でチケットも買えるし当日券もふんだんにあります。そして上演時間も幕間無の2時間以内、というような作品が多いのです。

2023年最も印象に残っている小劇場作品は『カスパー』

東京芸術劇場シアターイーストで上演されました。
演出には、渡辺謙主演の舞台『ピサロ』やアダム・クーパー主演の『兵士の物語』などで日本でも人気、『The Wind in the Willows』でローレンス・オリヴィエ賞を受賞した英国人演出家、ウィル・タケット。
75分ノンストップの演劇。

主演は2022NHK大河ドラマ「鎌倉殿の十三人」で公暁を演じた寛一郎さん。
今回が初舞台にして初主演。
謎に包まれたカスパー・ハウザーの悲劇を「セリフ=言葉」として操る寛一郎さんに圧倒されました。
一番興味深かったのはカスパーを研究した側の文献はあれこれ残っているもののそれをカスパー自身がどう受け止めどう感じどう考えていたのか?がこの作品を観ると心が痛くなるように分かりました。
特別な史実のカスパーの話のはずが私たちが人として言葉を覚え成長過程で感じた痛みや違和感を思い出させるような、心をえぐるような作品。

また寛一郎さんの舞台が観たいなあと思っているのですが、ご本人はインタビューで「もう舞台はやらない」とおっしゃっているのが残念。気が変わって下さることを祈ります!
出演_ #寛一郎  首藤康之 下総源太朗 王下貴司 萩原亮介
大駱駝艦/高桑晶子 小田直哉 坂詰健太 荒井啓汰

最上級に上質な作品だった『マークトウェインと不思議な少年』

こちらは新国立劇場小劇場の作品。新国立劇場小劇場作品はいつも思うのですが、上演期間も上演時間も短いのにこんなに豪華な舞台美術でいいの?と感動します。
主役のマーク・トウェインは老年時代を#別所哲也 さん、
若者時代を#白石隼也 さんが演じました。


別所哲也さんという俳優さんは、世界一”貴族””伊達男”が似合う方。
外国人を演じてこれだけ違和感が全く無いのが別所さん。
別所さんが舞台に立っているだけで劇場空間がタイムスリップしたかのようにその時代のその場所にワープすることが味わえる至福の時間になります。

それからあっと驚いたのが、ピアノ演奏の吉田能さん。演奏してすっと立って役者も演じる。この才能にまたびっくり。

原作:マーク・トウェイン「不思議な少年」「不思議な少年44号」およびマーク・トウェインの諸作品
脚本・演出:G2
出演:別所哲也、 平埜生成、 筧美和子、 白石隼也 ほか
ピアノ🎹演奏  #吉田能

来年もふらっと小劇場に足を運びたい

所謂”小劇場作品”と言っても大人気でチケット難の『Thrill me』のような作品もありますが、今回取り上げた2作品のような作品は劇場に行っても公演グッズなどは無いし、パンフレットだけ、ということもままあります。
チケット代金も1万円未満のものがほとんど。
(去年新国立劇場小劇場で上演された『COLOR』は1万円超えでした。が、その価値があったとはわたしには思えませんでした)

来年はどんな小劇場作品に偶然出会えるか?今から楽しみです!

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