第11回 改正犯収法の実質的支配者の確認事項について
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第11回 改正犯収法の実質的支配者の確認事項について

株式会社日本資産運用基盤グループのJAMPファイナンシャル・ソリューションズは、金融商品取引業者様及びその登録を目指しておられる方々向けに、当局の動向などをまとめた「JAMPコンプラ・メルマガ」を発信しています。
今回は、金融商品取引業者に義務付けられている「実質的支配者の確認方法等[犯収法第 4 条第 1 項 第 4 号、犯収法施行規則第 11 条]についてのお話です。

ご周知のとおりマネーロンダリング対策強化のため改正犯罪収益移転防止法が平成28年10月1日施行となりました。
また、先般令和3年7月3日付日本経済新聞に「縦割り行政の限界露呈 資金洗浄の国際基準『不合格』という下記ニュースがございました。

「世界各国・地域のマネージャー(資金洗浄)などの対策を調べる国際組織「金融活動作業部会」(FATF)の審査で、日本が実質的な「不合格」となったことが2日、わかった。新型コロナウィルス過で浮き彫りになった日本の縦割り行政の弊害が金融でも表面化した。政府は省庁横断チームを設け、マネロン対策の不備を修正する法改正などを急ぐ。」

この結果を受け、今後さらに監督官庁からのマネロン対策に係る指導が強化されることが予想されます。
つきましては、ここで一般社団法人日本投資顧問業協会から公表されている「協会宛届出のあった法令違反行為等の事例」の中から、法人口座開設時の実質的支配者の確認が不適切であったため、法令違反行為となったケースについて、再確認要事項としてお伝えしたいと思います。

平成28年10月1日付改正犯収法における主な変更点の1つとして、法人の実質的支配者に該当する自然人を特定と、その本人特定事項の申告が求められています。
実質的支配者の確認を行うにあたっては、その定義について十分に理解する必要があります。

「実質的支配者 」の定義
法人の議決権(株式等)のうち、25% 超を直接または間接に保有していることなどにより、法人の事業活動に支配的な影響力を有すると認められる地位にある自然人が実質的支配者に該当します。

実質的支配者の法人の議決権の25%超を直接または間接に保有していることとは?
例1. A社の議決権の30%を保有しているB社,そのB社の議決権の50%超を保有しているCさんは,B社を通じて間接的にA社の議決権を30%保有しており、Cさんは A社の実質的支配者となります。
※CさんがB社議決権の50%超を保有する場合のみ、間接的保有として計算に含めます。
したがいまして、CさんがB社議決権の50%以下しか保有していない場合、CさんはA社の実質的支配者には当たりません。


例2. A社の議決権の10%を保有しているB社、そのB社の議決権の50%超(※)を保有しているCさんがA社の議決権も 20%保有している場合は、B社を通じた間接保有10%と直接保有20%を合算して30% となるため、CさんはA社の実質的支配者となります。
(※)CさんがB社議決権の50% 超を保有する場合のみ、間接保有として計算に含めます。
したがいまして、CさんがB社議決権の50%以下しか保有していない場合、CさんのA社に対する議決権保有割合は直接保有する20%のみと計算され、CさんはA社の実質的支配者には 当たりません。

この実質的支配者の定義の正しい理解が出来ていないと、改正犯収法で求められている確認事項が不十分となり、違反行為に該当してしまう恐れがあります。
実際に、法人口座開設時の実質的支配者の確認が不適切であったため、法令違反行為となった事例もございます。
そのため、影響を受ける業務については、社内関係部門間において改正犯収法で求められている確認事項の理解の差異が無いよう連携を密にし、確認の漏れが無いように対応を図る必要があります。

当社は、国際金融都市を目指している東京都に協力して、金融商品取引業務に関する登録申請手続きに関する国内外の方々のご相談に対応させていただいております。ご心配な点等ございましたら、是非当社までお問合せ下さい。

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日本資産運用基盤のコンプライアンスチームです。 https://www.jamplatform.com/