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夜が好きだ

私は昔から夜行性である。
誰もが寝静まった深夜帯、徐々に感情が昂ってくるのがわかる。
朝の清々しさも知っている。1日が白紙の状態で、どんな色を塗ってもいい、自由が許される時間帯。ただそれは私にとっては少し驚異だ。白紙を目の前に呆然としてしまい、気がついたら時が流れてしまっている。何故なのか。朝いちばんが1日の中で1番脳が働く、効率的になれる、などなど謳われている筈なのに、だ。

対して夜は、もう塗りつぶされた紙しかない。
もう上書きする余裕もない筈なのに、私は何故か安心する。その下手くそに塗りたくられた画面を眺め、僅かな余白を見つけほくそ笑む。

真っ白は怖いのに余白は好きなのだ。

そしてこの文章を綴っているのも夜である。
もう寝た方がいい時間帯なのはわかっている。
同じベッドの両端では子供たちが規則的な寝息をたてている。この寝顔を見てるだけで何時間でもつぶせてしまう。子供の寝顔は1日のご褒美だ。子供が安心して眠っている、その事実に私は感謝し、安堵し、興奮するのだ。(寝ろ)

真面目に夜が好きな理由を述べると、感傷に浸れるからだ。起床していの一番にnoteにエモいお気持ちを綴る気は湧かない。当たり前だ。
朝とは、そのものが、ポジティブなのである。
朝っぱらから涙を流していたら病院行ってこいと心配されるし。でも夜なら思う存分泣ける。泣くことを許される。感情を解放できる。エモエモエモなお気持ちをnoteに綴ることだって朝飯前だ。(いや、朝飯前…夕飯後か?)

こんなクッッッソ中身のない文章を真顔で綴ってる私を、どうしようもない、無駄な時間を、優しく、包んでくれる、夜よ、あなたが、好きだ。

そして、朝になるときっと後悔する。
クマの刻まれた覇気のない顔を水に濡らしながら、なんでもっと早く寝なかったんだよ自分って。鏡に問いかけるまでがセットよ。

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